毒姫と甘い婚約者 (一迅社文庫アイリス)

毒姫って最近なんか聞いたことがあるなあと思ったらそれ毒吐姫赤い伯爵だった。

ミルフィーヌは侵略してきた凶王に心臓を奪われてそのまま死ぬところだったが森を守護する龍神が現れた。
人々に忘れられつつあった存在であった龍神に花を捧げていたその行為に報いてミルフィーヌは蘇った。
蘇ったミルフィーヌの体はお菓子で出来ている。食欲・睡眠・排泄などはあるが、体からは甘い匂いがする。
舐めると甘い。水に濡れると溶けるのでお風呂に入れない顔も洗えないので固く絞った布で拭くぐらいだ。
体はスイーツですが口調までは甘くないです。お前は○○だ! というしゃべりかた。

読んでる途中の感想は「アイリスなのにMFグリーンの匂いがする」「自由だなあ」だった。
「男が女を無理やり組み敷くセクでハラい展開」はないけど「少女向けだけどエロコメに挑戦してみたよ」みたいな。
「ラブファンタジー」とは書いてあるんだけどわたしは「コメディ」と認識して笑いながら読んでいた。
「姫+婚約者+従者2名」が主な登場人物で、前述のとおりコメディとして読んでいたので恋愛ものとして面白いかどうかはわからない。人に薦めるにはちょっとハードルが高い。

「足首にある刺青を見られたからにはお前は私と結婚しなくてはいけない」という流れで婚約者の登場である。
ミルフィーヌの迫り方はバカテスの翔子と同じカテゴリだと思う。教育的指導がないだけで。うん。

「若い男女と目を合わせるだけで相手を失神させる」とか「目を合わせただけで妊娠させる」とか「胸と尻は自分で拭け」とかどこぞの九十九十九もびっくりのフリーダム。でも概ねコメディです。

そういえば「指舐めてるだけ」なのにえろいのを最近よんだなーとおもったらあれうさみさんのだった。
舐められた後の指はきっとミルキー1みたいになってると思う。

「私の体の中心はなんでできているんだろう。シナモン、それとも骨か……」
「きっととても素敵なものですよ(略」

(P116)

なんというマザーグースか(不意打ちされた(ふきだした

「彼の"神様さえも妊娠させる"欲情的な美貌で、迫ってくる憲兵を全部妊娠させてしまえばいい。その神がかった魔力を使えば追ってこられなくなる」
「おまえ、根本が間違ってる。いくら魔的な美貌の俺様でも、一度に何十人もは妊娠させられない。リストアの魔力ならやれるだろうけど」

(P161)

この会話がひどい(男を妊娠させる男が……2
読んだ後「時計王と魔法のドレス」を書いた人だと知ってとても納得した。あちらは驚きの肌色率と肌のふれあいだった。

  1. 飴玉ではなく駄菓子屋にあった細長い棒状のもの。舐めてるとだんだん尖ってくる。なかなか食べ終わらないので途中で飽きる []
  2. じょうだんじゃなくてもいいとおもうんだ []