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封殺鬼 数え唄うたうもの (ルルル文庫)

聖とユミちゃんが帰ってきたーーー!

今までルルル文庫で出ていた封殺鬼は桐子の物語でしたが、これはルルル文庫の前にあったキャンバス文庫で刊行されていた平成が舞台の封殺鬼です。桐子の孫が神島の当主をしています。
キャンバス封殺鬼はちょっと手に入りにくいものではありますが図書館によっては所蔵されていたりしますのでぜひとも読んでください。ちなみにネット古書店ではBLに分類されている所も多々ありますが違います。わたしキャンバス封殺鬼がどっかの電子書籍で出てくれたらまとめて買うんだけどな! BOOKWALKERかkindleどうですか。

そんなわけでこれはキャンバス封殺鬼最終巻「終の神話」から半年後からスタートします。
聖が今後の生活を考えて三吾に弟子にしてくれええ拝み屋になるううっていう話です。
直の続編+わたしはキャンバス文庫版読んでるのではじめての人が入りやすいかは分かりませんが高田崇文のQEDが好きな人でもうちょっと物語成分が強くても好きという人はたぶん好きだと思う。

ある大学生サークルが伝承のある島でキャンプをした。島に渡ることは止められていたが漁船に頼み渡って、祟られて数え唄のとおりに次々に殺されていく。拝み屋になりたいと言っていた聖はそのサークルのひとりと知り合い面倒ごとに首を突っ込んでいく。

しかし聖は可愛い。達彦そこは断らないのか。まるうなったなあ。
平成封殺鬼の面々のメインどころは割と総出演である。

ていうか霜島さんが(作中とはいえ)7について語り始めたら怖いのでやめて欲しい1

読み終わってからこれだよ私が読みたいのはこういうのだよ、としみじみ実感する。
イラストカズキヨネさんだしそんなさくさく出るシリーズではなくなるんだろうなと思うけど、年1ぐらいで出て欲しいな。(それかイラストは表紙だけでもいいから)

  1. 加門七海の怪談徒然草三角屋敷参照。霜島さんが住んだマンションで、意図的に呪詛を集めて住人を生贄にする現代の呪術実験場だったという話 []

幽霊伯爵の花嫁 -闇黒の魔女と終焉の歌- (ルルル文庫)

サアラの妊娠が発覚し、喜びに沸くコルドン家に魔女復活の報が届けられる。
先代の封印が解けたということでジェイクが単身対処に向かうが、後を追ってきたサアラを生贄に要求されたりさまざまな思惑がすったもんだーする最終巻。

アシェリーゼが幸せになってよかったね。ここもいい感じにバカ夫婦だったね。
世界に流されないゆるぎない判断力(まあ人によっては高飛車だったり傲慢に映るのかもしれませんが)と愛と自分に正直に生きているサアラは良い主人公でした。

幽霊伯爵の花嫁 -彷徨う少女と踊る髑髏の秘密- (ルルル文庫)

第6弾。次で終わりらしい。あれ、終わりなのか、と思うのは1冊完結の体をとっているからだろうなあ。

いきなり過去の話からはじまったので、過去編か? と思ったけど先の展開への手番だった。
あの、要するに「さあ、うまれておいでなさい」だよなと思った。ネタバレですが、そういうことだよな。
明らかに招かれざる客として対応されているサアラと、いつもどおりのあれと、アシェリーゼが大切なんだなあというあれと、

あとはあれですか、朝チュンですか。あのシーンいいですね。とても好きです。私やっぱりラノベでは匂わせる程度でいいと思いました。そういうのは女のためのR-18文学賞とかあの辺で探すからイラストがついている小説でそれは求めてないんだよっていう。

「人の心の内側は、不可侵にして絶対の領域です。誰もそこには手が出せませんの。それでも、私はジェイク様の内側を覗きたくて仕方ないのですわ。全部私だけのものにしてしまいたいの。皮を破って肉を裂いて血を啜って、そこに詰まっている物を全部独り占めにしてしまいたいのですわ」

(P175)

せりふだけ見ればヤンデレっぽいけどすごく熱烈な愛の告白だよなあ。こういう子だよ。

封殺鬼 クダンノ如シ 下 (ルルル文庫)

神島桐子編完結っていつからのことだと思ったらそういうことかと思ったクダン下巻。
家のこととか喧嘩を売られたからとかそういうのじゃなくて「妙子を助ける」ということで動いてるから桐子マジヒーローな感じ。「友情」を理解する桐子まじ女の子していてかわいい。
時代はこれから暗闇に突入するしキャンバス文庫のあれ的に二人の未来もあれなんですが、いい話だった。
しみじみと幸せなんやなっていってる聖もなんかじーんとするし、お前が誰よりも幸せになればいいと思ったっていってる逸人もいい。

初恋グランギニョル (ルルル文庫)

鮎川さんの新作。なかなかカオスです。
最初20ページぐらい読んで「突っ込んだら負け」という雰囲気がありありと。
「雪ノ下家に生まれたからにはひとつの分野を極めよ」というのが家訓である。遥が極めようとしているのはゲーム。引きこもって日々ゲームをして暮らしている。人は彼女のことを「優雅な引きこもり」と呼ぶ。

各方面に名前を馳せているゲームプレイヤーに送られた1通のメール。
島を一つ買い取ってゲーム用にあつらえた環境で行われる「ヴィエルジュ・ヘルツ」に参加した8人のゆくえは!
少女向けで楽園島からの脱出です。
各界のゲーム廃ですが社交性溢れる美少年美少女です。序盤は突飛の塊ですが割とベタなところもあります。
もっとがつっと死んでもよかったんじゃと思う辺り私が黒い。

人形姫と身代わり王子 (ルルル文庫)

「身代わり花婿の結婚」うん間違ってはないけど合っている気もしない。

人間の世界と魔族の世界、ふたつの世界の平和のため守護家の当主は魔界各国の王族を婿にとる。
双方の世界への不可侵及び万が一の場合の治安維持を円滑に進めるための政略結婚だ。
大抵の娘は嫌がり精神を病む者もいるが撫子は結婚の日を待ち望んでいた。
しかし式当日に現れたヴァリーは手紙とはまるで違う、なんとも言えないチャラいノリの「ヴァリー」に違和感を抱いていたが、式をあげた夜にヴァリーは偽物で身代わりのテオドルということを知ってしまう。
ヴァリーとの結婚を待ち望んでいた撫子が「ヴァリー」を拒んでいては不審に思われるもの。ふたりは人前では「戦略的乳繰り合い」を行うことになる。ニセコイ 1の楽と千棘がわりと近い気がする。

人前では「愛しの奥さん」と言い2人のときは「嫁」と呼び、スカートの丈を見てそんなに露出は駄目だ! という真面目なテオドルはとても可愛いですね。ふしだらな! とか痴漢です! とか言ってる人たちの話です。楽しい。

幽霊伯爵の花嫁 偽りの聖女と地下牢の怪人 (ルルル文庫)

地下牢の怪人ってなにそのオペラの怪人! \ ファントム! / いいながら読んでた。
仲睦まじいコルドン伯爵夫妻のもとに客人がやってきた。ウィルソン男爵家のブライアンと喪服を身にまとう少女りゼット。ふたりは幽霊に狙われているから守ってほしいとやってきたのだが、このりゼットは今回の台風の目である。
細切れにして食べてしまいたいぐらい、というぐらいまじチャイニーズスープサアラさん。危ういなーもえるなー。
やっぱり普通じゃないカップルがわさわさしているシリーズなのですがえらい楽しいな。この色々どろっと渦巻いてる感。あとフィナとアシェリーゼがいいコンビだった。りゼットはまた再登場してもらいたいものです。

封殺鬼 クダンノ如シ 中 (ルルル文庫)

帝都女学院に眠る鍵、穂積妙子が桐子たちの前に現れた。
妙子は自分が何者か知らず「禍いをもたらすもの」だといわれ、ここなら安全ではないかということで結界を張られて清浄な空気の学園のさらに塔の中に閉じこもっている。

不死木の人間の話はえらいときめくし、五一五事件キタワーとかときめくときめく。
やっぱりクダンはびっくりするほど女の子がキャッキャウフフしている話だと思う。あの桐子までもそういう空気。

「花物語」を朗読するユミちゃんと正座してそれを聞く桐子の図がおもろすぎてしぬ。

封殺鬼 クダンノ如シ 上 (ルルル文庫)

全3巻の上巻。中巻は連続刊行である。帝都万葉をうっかりつみっぱにしていたのでクダン発売を機に一気読み。
今度は桐子が女学校に通うことになった。桐子が女学生である。女学生である。
今回はすーごく女の子同士のキャッキャウフフがある。桐子がキャッキャウフフしているのである。? すげえ! /
恋に友情に大忙し☆みたいな。いやでもなんかいい意味で一昔前の少女小説。
まあでも、なにもなくて女学生になるわけではなくて神職関係者が特待生として集められている学校で、精神に変調を来たすものが後を絶たないという学校だ。
鬼ふたりも桐子が学生とか友達はちゃんとできるのだろうかとか、いじめられやしないだろうかとかもう本当に過保護だ。聖が心配するなら普通だけどまずユミちゃんが友達はできるだろうかとかいってるんだぜ。

今回は年齢相応のあの桐子の「可愛いところ」が盛りだくさんでとても満足でした。
伊津真天とかなつかしいねえなつかしいねえ。化け物さわぎはときめくねえ。

「時間は止められへん、やろ。……わかっとるけど、いざとなると寂しいんや! うおぉ、俺は寂しいでー! 志郎のアホー! 桐子はあいつのどこがええんやっ! なんやむちゃくちゃ、娘を嫁に出す父親の気分やんか!」

(P202)

幽霊伯爵の花嫁 囚われの姫君と怨嗟の夜会 (ルルル文庫)

サアラさんすがすがしくヒール系主人公。癒し系のヒールじゃなくて悪役のヒール。

「お前……ほんとに性格が捻じ曲がってるな」
「この世の美しいものは、大抵曲線で作られていますものね」

(P54)

こういう子です。

マッケニア伯爵家から届いた夜会の招待を受けることにしたサアラは、ジェイクと離れエリオスを連れて屋敷へ向かった。一方でジェイクは幽霊がらみの案件でマッケニア伯爵家を訪れることになる。
マッケニア伯爵家で行われるのは伯爵の孫娘オリヴィアの婚約披露で、オリヴィアはサアラの古くからの知り合いである。今回は猛獣と猛獣使いのターンである。ジェイクのあれは真面目に「飼い馴らす」だなあ。鎖なのにただのリードである。まさに[猛犬注意][触らぬ神にたたりなし]

相変わらず話は噛みあってないのですがいい感じである。しかし今回はそれ以上にラスト付近のヴォルグがたいへん好きである。死ぬほど後悔してから死ねよ! は胸キュンだった。

孫娘をめぐる結末は後味が大変アレでここまではアリなのかということを考えた。「黒蜜と唐辛子ダブル投入」理解した。美味い。そしてルルル文庫の罵倒語コード的にメス豚はありなんだなと思った。あとアシェリーゼがちょっとお母さんしてた。

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