私を知らないで (集英社文庫)

デビュー作だけは読んでいて、しばらく読んでなかったんですが年末のタイムラインでよく見かけた。
いつものところじゃなくて、編集さんとか書評家さんとか(そのRTを含む)だった気がする……。

中学校2年生で転校生である「僕」、黒田慎平は横浜市内北端の町へ引っ越してきた。
転勤族の父をもつ僕にとってこの転校はすでに4回目、転校生に対する洗礼やクラスから浮かないためにはどうすればいいか分かっている。僕は「片親のこども」に興味を引かれることが多かった。このクラスの「キヨコ」はその傾向が今まで出会ってきた人の誰よりも強かった。美しい彼女はクラス中から無視されていた。
キヨコは「年金世代の祖母との2人暮らし」で家庭に問題のある要するに「貧乏人の子」といわれているが通学に使っているものはブランド物だったり休みのたびに渋谷で目撃されたり、そんなことが重なったりして援助交際をしているといわれ、それで僕と転校生の高野はキヨコを尾行するという。

実際のところキヨコは援助交際はしてなくて、お金の使いところ・締めところを分かっていて、「知りたいことがたくさんあるから進学したい」「普通に暮らして生きたい」という気持ちが強い。
キヨコの家のヒマワリがすごく印象的で(表紙にもあるしね)わたしとしてはOver the Rainbow - 一十木音也(寺島拓篤) - 歌詞 : 歌ネットこの歌を! おもいだすしかなかった! 音也さん片親からの施設だったし!

おばあちゃんのひまわりがっていってるとことか、掃除機が動かなくなったっていってるシーンとか。
キヨコ的に掃除機とおばあちゃんと重ねちゃったんじゃないかとかそういうのを思ってしまうわけですよ。どうなんですかね。いや答えなんていらねーですけど。

壇上のシーンとか、僕とキヨコがヒマワリの種を収穫してるところとか、僕と父がラーメン食べてるシーンとか、ちらちら影はしてたけどやっぱりそういうことだったねっていうあれらがほんとうにいい。