最後に至るまでのあの流れのために読んでたなあ、と思いました。
ミクヴェクスかクルーエルかの時点で、クルーエルは消えると思いましたが。
最初のほうのエイダ関係のあれこれとかミオとか、視点が多くて読みづらいヨーと思ってたので余計に。
ファウマの名詠のシーンはちょうど志方あきこ「埋火」(Harmonia収録)を聞いてたので、これはすごく合うとかテンション高くなってた。
次回最終巻ー。
ドラゴンマガジン掲載の短編集(書き下ろし含む)
SEC多め、蜜(ていうか青美組)少なめ。
「ぼく、ゆきぐに」がとてもやばかったです。とてもやばかったです。大事なことなので2回言いました。双子萌え属性にはたまらんです。一瞬フラクタルチャイルドのサキとジュラに見えたんだぜ……!
あと放課後天下無双が好きです。美少女写真でバーコードバトラー的なものをやろうぜ!という。
肖像画対決のその後の「これが今の精一杯」が脳内で「今はこれが精一杯」とルパンボイス@カリオストロで再生された。
次巻は夏ぐらい。テンポ速いなー。
「お年を召してたら美人じゃないっての? 謝れ! 吉永さゆりに謝れー!」
(P78)
本来、序列とは残酷なものだ。
永年培ってきた審美眼が、魂の中で大事な部分が、数字という明確な基準でもって優劣を決められ、解体されていく恐怖。それは残酷だった。それは凄惨な遊戯だった。まさにはじめる前には気付かない落とし穴に人をはめていくのだ。(P81)
ヤエトは「過去を視る力」をもつ帝国の史官(歴史の編纂が本来の仕事だが初期としての技能を求められることが多い)で、36歳になってようやく働きすぎは嫌われると知ったところ。禄分は仕事をするけどそれ以上はしたくない。できれば隠居のようにして暮らしたい、が北嶺の民に頭を悩まされ新たに赴任した皇女の副官に任命され病弱な体をおして中間管理職がんばる。
こう書くとすごくコメディ寄りの話のようですが世界観重視系の硬めのファンタジーです。
序章と1章が繋がってないのが最初分からなくて、これは未来にこうなるよって言う話なのか過去こうだった人がこうなったよっていう話なのか!とおもってた。
なので最初はよく分からない話でしたが加速的に超面白くなりました。下巻のほうが好きでして!
ヤエト皇女以外にひとりえらぶならジェイサルドが好きで!
「そなたは、わたしを信じておらぬ。それでも、わたしはそなたを裏切らぬ。すくなくともこのことでだけは、絶対に」
(上巻 P202)
「隠居の愉しみなど、若い者に昔のことを話して聞かせるくらいですからね。正統派隠居としてはこれを逃すわけには参りません」
「……正統派名のるには、若過ぎやしませんか。実年齢でもですが、見た目も」
「見目より心です。心構えが、隠居なのです。正統派が駄目なら、本格派隠居でも結構です」(下巻 P48)
短編集の最終巻は連作形式。
カンパニーから斡旋を受けて、吸血鬼の女性「月匠ゴーバン」の血統に連なるエリーゼ・フォルクマイセルがミミコの元へやってきた。同じ頃、造園師カール・マイヤー氏の吸血による死亡が確認された。犯人と思われる人物の目撃証言はどう見てもエリーゼを指していた。
こっちがシリアス寄りだったのでCHRONICLEはすごくコミカルでした。怒れるアリス・涙目の男衆。
あと冒頭のカーサがヴィクトリカだ!とか思った。退屈で死にそうだとかいってるだけなのに。
私の関心はメーテル帽よりそっちのほうだった。
もう大丈夫。自分がいなくなったあとも、月は輝き続けるだろう。
(P250)
「ならばどうせよと!? 私は悟りました! 始祖とはやはり、神霊にも喩え得るべき恐るべき存在なのです。我が君は偉大な方ですが、いまは怒りのあまり荒御霊と化しておられるのです。ならばせめて我が身を捧げ、荒ぶる御心をお鎮め奉るのみ! 畏み畏み、アーメン、アッラー、南無阿弥陀仏!」
(P301?P302)