翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)

ヤエトは「過去を視る力」をもつ帝国の史官(歴史の編纂が本来の仕事だが初期としての技能を求められることが多い)で、36歳になってようやく働きすぎは嫌われると知ったところ。禄分は仕事をするけどそれ以上はしたくない。できれば隠居のようにして暮らしたい、が北嶺の民に頭を悩まされ新たに赴任した皇女の副官に任命され病弱な体をおして中間管理職がんばる。
こう書くとすごくコメディ寄りの話のようですが世界観重視系の硬めのファンタジーです。
序章と1章が繋がってないのが最初分からなくて、これは未来にこうなるよって言う話なのか過去こうだった人がこうなったよっていう話なのか!とおもってた。
なので最初はよく分からない話でしたが加速的に超面白くなりました。下巻のほうが好きでして!
ヤエト皇女以外にひとりえらぶならジェイサルドが好きで!

「そなたは、わたしを信じておらぬ。それでも、わたしはそなたを裏切らぬ。すくなくともこのことでだけは、絶対に」

(上巻 P202)

「隠居の愉しみなど、若い者に昔のことを話して聞かせるくらいですからね。正統派隠居としてはこれを逃すわけには参りません」
「……正統派名のるには、若過ぎやしませんか。実年齢でもですが、見た目も」
「見目より心です。心構えが、隠居なのです。正統派が駄目なら、本格派隠居でも結構です」

(下巻 P48)