天涯のパシュルーナ (3) (新書館ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫 155)

あとがき曰く全5巻予定の折り返しポイント。2巻は半年ぐらい積んだので今回はすぐ読んだ。
今日も災厄が寄ってくるトゥラルクは国王主催の夜会に招かれ、夜風に当たるべく外に出た。どこにいっても人ごみでなるべく人が少ないほうへ歩いていったところ貴族暗殺計画を耳にする。

ヴァイラはじまったな、という感じ。
基本的にトゥラルクさんまじなむいっす! ていう感じなんだけど1今回はうお、かっけーと思いました。ローリング運命。

「無実の人間を陥れなきゃ守れないちゃちなプライドなんてくそくらえ! おまえたち、恥を知れよ。恥を! 自分たちが何をしているのか、何をしなきゃいけないのか、てめぇの頭で考えてみろ!」

(P240)
  1. 主にヒルクイット的に []

日曜日のアイスが溶けるまで (小学館文庫)

なんかすごいものを読んだ感はある。
現実と幻想の境界を認識できていない類の言動を繰り返し言動にも以下略である。
26歳OL、彼氏とは3年目、自分のことは後回しにしがちであるという性格の京子が主人公です。

テレビでふと見た競馬中継で「10歳の時初恋の人と出会ったこと」を思い出す。訪れた競馬場にある児童公園で、京子は「思い出のままの10歳の初恋の人」と出会う。

「日々の雑事の疲れの中(主人公)はふと初恋の人を思いだす。色々あった末、思い出は思い出として私はここで頑張ろう」みたいな癒しと再生の物語では一切ありません。
あらすじほどロマンチックでもないです。現実離れはしていますが幻想的というには痛々しい感じがする。
どこか別の世界に引きずり込まれそうで、現実に戻ってこられておめでとうっていう風の。

思い出と虚構が徐々に現実を呑み込んでいくというか。
悲惨な過去があるわけではないのに過去を思い出したことにより緩やかに狂っていく過程というか。
ここ4行が断定形じゃなくてふわっとしてますが、作品がふわっとしているのでこうだ! とは言いにくい。

うっかり私まで呑まれそうになった。吸引力がすごい。

悪魔のような花婿 (コバルト文庫)

スプリング男爵家の末娘ジュリエットは「不吉な13番目」の子どもで長身で、生家は貧乏ではないが9人の娘すべてに支度金を出せるほど裕福な家庭でもなかった。農業に精を出して品種改良をしてみたりで生涯を終えるのかと思っていたところ降ってきた結婚の話。相手は名門だが悪魔伯爵と怖れられるバジル家のウィリアム。

こう書くと非常にシリアスな話のような気がしますが一言で言うと「甘」に尽きる物語です。
新婚夫婦がひたすらいちゃいちゃしたり痴話喧嘩をするだけの話です。
血と肉の代わりに「お砂糖やスパイスそれから素敵ななにもかも」でできています。
なにひとつとして障害のないしあわせ結婚生活です。

あえていうならうなぎパイ的には1問題ありなんですが、まあそれはコバルトコード的に問題ありだろうと思うので、朝チュンと子どもができますのよ!対応なんでしょう。ていうか「床上手」「むらむら」はコバルト的にありなんだなあ、とおもった。いや床上手はせいぜい「あやして寝かすのが上手い」程度で使われてますが「むらむら伯爵」は笑った。

あとオールドローズ! サンホラー的にはオルドローズ! 魔女! ラフレンツェ! 忘れてはいけないよ!

続編は既に8月発売のコバルトに掲載予定らしい。この本はすごく面白かったけど童話的な予定調和の物語なので続きは読まなくてもいいかなっていう感じです。予定調和が悪いっていうんじゃないけど、要するに「キノの旅」なんだよね。シリーズとして続いたとしても、私の中では「2人はいつまでも仲むつまじく幸せに暮らしました」でいいと思います。

すごくどうでもいいことなのですが折込チラシの作者からの一言欄にあった「糖度高めのラブファンタジー」という表現にちょっと驚く。
いや「糖度」って少女小説読者界隈では珍しくもなんともない単語ですが、有川浩さんの講演会か公開収録かそんなので「読者さんは(自分の本を指して)糖度高いとかいう表現をされるそうで……(新鮮だとか驚きとかそんなニュアンスで)」て言っていたのをおぼえていたこともあり、いつの間にかまあまあ一般的な表現に? とかいうことを思ったりした。

  1. 婉曲的表現 []

今日は友達とごはんを食べにいきましたよ。もやしもん展が見たかったのでufotable cafeへ。
新町側公園のところでなんか赤絨毯があったりテレビカメラっぽいのが複数台あったのでなんやねんと思ってたら船がやってきましたよ。屋形船らいくな。

NEC_0502

三味線で途中からよしこのに変わりました。この時期から既によしこのを聞いたとはちょっと縁起がいい。

ufotable cafeはなかなかの盛況でした。
農大つなぎとかオリゼーとかの風船とかシュールストレミングの缶詰とかいろいろ置いてありました。
スクリーンではもやしもんのアニメのほうの映像が流れたりしてましたよ。
一方的に認識している人1を見かけたりしました。

近況とか「職場の人が青い」とか「可愛げとはなんぞや」という話を2時間ぐらいかけて。

もやしもんメニューは気になるんだけどわたし納豆とオクラと茄子嫌いなので食べれる気がしない!
ので7月限定メニューを頼んだ。

NEC_0500

コースターはこの辺をもらいました。分かりにくいですが左はオリゼーです。
阿波踊りポスター(New!)はレジの下ぐらいにでかいのが額入りで置かれてました。

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空の境界ポスターと大体同じアングルで。
お店の外に出たらあっちこっちから阿波踊りの練習の音が聞こえてきて今お盆なのかと錯覚しました。

帰りに本屋によりましたよ。1軒目ではユヴェール回収済みでしたが2軒目では1巻2巻とも各1あり。
「ブリーチは最近なにがどうなっているのか」とか「四谷先輩おわってしもうた……」「わたしリリエンタール結構好きやったんやけど」「ワンピのエースとか白ひげのあれはエピソードオブチョッパーみたいに映画化しそう」

電撃前では電撃文庫マガジン付録の一冊まるごと川原礫がぶらさがっていました。
MW文庫もすごく気合が入っていました。電撃棚隣の吊り棚には俺妹+漫画版+ねこシスコーナーが形成されてました。この本屋のニャル子推しはパねえ。

  1. アニメイトの人 []

ダヴィンチを見てたらなにやら面白そうだったりおどろきな記事があれこれ。

神様のカルテが映画化、2011年公開にむけて製作中とのこと。

神様のカルテ

キャストとりあえずメインだけみたのですが豪華ですね。
内科医栗原が嵐の櫻井翔 細君が宮崎あおい。

TRICK×LOGIC(トリックロジック)

なにこれすごい。

電撃が通算2000タイトル到達記念だとか、MW文庫でもフェアをやるとか。
今年の夏の100冊は去年とか比ラノベとかからの作品がぐっと減りましたね。集英社ぐらいじゃなかろうか。

ラのべるっ! 2010年7月号 - CloseUp NetTube

まろん
@maronu
 【ラ管連るっ!】【鳩栗号】今月の注目作品は「シスター・ブラックシープ 悪魔とロザリオ」と「神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと真夜中のカルテット」と「ローデンシュアの魔女?リジィと恋するゴースト?」と「ff (1) —フェアリー・ファイル—」です(ゝω・)-☆(2010-07-08 19:58:22) link
まろん
@maronu
 間に短編が挟まっているとはいえ約半年振りとなるプリンセスハーツ本編、仮面夫婦がついにその仮面を脱ぐ! 新刊「ふたりの距離の概算」が出たばかりの米澤穂信古典部シリーズですがこちらも前作「遠回りする雛」が文庫化されます。ちぇきら(ゝω・)-☆(2010-07-08 20:01:12) link
まろん
@maronu
 それはそれとしてシスターブラックシープはまじおすすめだよヘ(゚д゚)ノ(2010-07-08 20:02:04) link
まろん
@maronu
 あと胸ゴロキュン同盟(仮称)的にはとなりの怪物くん(5)と白磁(2)が注目であると いえよう!(2010-07-08 20:06:11) link

ブラックシープを熱く薦めるため大手を踏み台にする友の会。→colorful - シスター・ブラックシープ 悪魔とロザリオ/喜多みどり

今月初めから阿波踊りの有料演舞場のチケット販売がはじまりました。
職場の人曰く7/3の時点で最終日(8/15)の南内町演舞場第2部のS席、ローソン販売分なのかなんなのか既に終了済みでB席しかなかったということです。人気。
一番大きいのはお盆ですが、今月下旬から県内各所で阿波踊りは開催されます。

さて、わたしちょっと油断していた。
今年の阿波踊りのポスターは既に公開されていたのです。南内町の総踊りのこれです。
阿波踊りポスター完成 徳島市観光協会  - 徳島新聞社

で、今日
今年もアニメで阿波踊りPR 徳島市観光協、ポスター2種完成 - 徳島新聞社
「東方Project」と「空の境界」が阿波おどりポスターに登場 - GIGAZINE

まじびびった。

空の境界ポスターはそごうの明かりまではっきり描かれている分「ご当地感」まじやばい。
まあ、また盗難あるんでしょうね。去年は盗難対策が新聞やニュースを駆け巡ったりしました。
逮捕事例的には転売目的で老幼夫婦な一家で犯行に走ったパターンがありましたよ。

ちなみに「空の境界」ポスターの舞台はマチアソビではおなじみである1新町橋東公園。

「東方Project」ポスターのほうはおそらく南内町演舞場2部ラストの総踊り。(ニュース見たら藍場浜演舞場らしいです。)

おどり

こんな感じです。

  1. ていうかいろんなイベントに使われている []

イングールの天馬—黒の王子と月の姫君〈上〉 (カラフル文庫)イングールの天馬—黒の王子と月の姫君〈下〉 (カラフル文庫)

さりさんから釣り針がなんか垂らされたので……
上巻というか序盤はぶっちゃけそんなにそんなにかなあ? という感じだったんですが下巻で転がり落ちた。
双方に揺れ動きとかすれ違いラブにガラガラガッターンとなった。
もう潮時ですね∩゚∀゚)!!!

雰囲気的にはCノベの系譜ですね。児童書レーベルですがよいものだ。

光待つ場所へ

スピンオフ短編集。同じスピンオフでも元作品既読前提な「ロードムービー」より格段によい。
「冷たい校舎の時は止まる」から「しあわせのこみち」
「スロウハイツの神様」から「チハラトーコの物語」
「名前探しの放課後」から「樹氷の街」

好きなのはえぐられるような「しあわせのこみち」
今回も「おいやめろ」と思うよいくおりちーです。耳が裂けました。

私この期に及んでまだなにかを模索しているような気がする。なにになるつもりなんだろうか。
いや要するに4月病なんですけどね。

「チハラトーコの物語」
ああそういえば磯山ミオみたいな人ニュースでみた覚えがある。
ていうか冬子今そんなことやってるんだと思った。最近姿を見なくなった人の、今なにしているか聞く気分。

「樹氷の街」
思わぬダークホース。絶対そんなはずないのに「辻村さん私と一緒の学校に通ってたんじゃないの。なんでこんな身に覚えがある話が展開されてるの」って思うことがよくあるんですが今回もすごかった。
この伴奏者私が中1のときの合唱コンクールのあれやないか!!! 中1って何年前やねん!
いやもうちょう動揺した。中学校の時の記憶って基本的に覚えておいても何の足しにもならない負債ばかりで思い出そうとしても思い出せないことが圧倒的に多い。
なのに「あの子なんで立候補したん?」「なんで○○が伴奏せえへんの。あの子無理やろ」という話をしていたり、実際の合唱コンクールでどうなったのか。いろんなことがばっさーと思い出された。
物語の力ってすごい。でもあまり色々引きずり出さないでください。

自分が恋をするとか、誰かと家庭を築いていくだとか、そういうことの全てが、私には想像できない。本当にできなかった。道を歩くたび、歩いたすぐ後ろが崩れていく。帰り道のない私は、前を向くしか方法がない。

(P44)

図書室で読んできたハイファンタジーに登場する人々や種族の言動、ゲームに出てきた武器の名前がどの歴史的事件に由来するものなのか、ヒットを飛ばすアニメの元ネタがどれから来てるか。頭の中に地図を描くように「知る」ことが好きだった。アニメやゲームの教養主義はもう時代が古い。だけど、好きで観て詳しくなった分の、私のこの知識に罪はない。

(P141?142)

兄妹パズル

とてもピュアフル文庫。
松本さんちの3兄妹。上に兄がふたり、そして「わたし」亜実。上の子と下の子はとても親に似ている。
しかし真ん中の子はまるで似ていない。7つ年上の兄は院生、2つ上の兄は大学生そしてわたしは今高校2年。
どこにでもいるような仲良し家族。ある日真ん中の兄、潤一は家出をした。
月に1回はがきが送られてくるから元気ではあるようだ。

話が割と多方面に行くので、さっぱりしている。「忘れている過去」とかどす黒い過去が出てくるんじゃないかと思ったけど、そういうのはなかった。真ん中の兄と亜実はただしく兄妹だなあと思った。子供の時とはいえ妹可愛いっていってる。

「夜目遠目傘のうち」という言い回しはとてもロマンだなあとおもった。和ロマン。

シスター・ブラックシープ 悪魔とロザリオ (角川ビーンズ文庫)

吾輩は猫である。いや猫になってしまった。名前はまだない。
赤毛緑眼白い肌の赤子を妻にすると決め16年待った。その間に司祭と戦い魔力を奪われ、我輩は地上の生き物に成り下がったが我が妻を迎えにいった。かの女は男装し教会で助祭などをしていたが関係ない。その左手の薬指には既に我輩との結婚指輪がはまっているのだから。おいやめろ聖水に沈めるな(ry

悪魔から逃げるためコンスタンスはコンスタンティンと名前を変え男として育てられた。養父の司祭亡き今、助祭コンスタンティンが女であることを知るものはいない。しかし悪魔は現れた。
悪魔との結婚を破棄するべく100年前の伝説の聖女【黒い羊】へと姿を変えた。破棄するにはひたすら善行を積む必要があり、治安の悪いこの街では悪事には事欠かない。伝説の聖女の名前を借りて大暴れできて感謝されて目的も達成できる。すばらしい。
時を同じくしてコンスタンティンの教会へ司祭ユリエルが派遣されてきた。真面目で純情な善人に見える彼は悪魔の魔力を奪った司祭である。

なにこれ超すごい。超燃える。というのが短い感想です。
「殺伐とした関係」はとても好きです。「ひとつ屋根の下の秘密」とか超好きです。
なんですかこのバトル成分は! けしからんもっとやれ(*゚∀゚)=3!
いやあまりの殺伐成分1に満面の笑みを浮かべながら読んでしまったよ。なにこれ燃える。

序盤の「そなたの夫だ」のところ、これなんていうタキシード仮面wwwwwとおもったのは秘密だ。
P254の最初のあれのあたりでうっかりデュラララの波江とか美香を連想する。つまりこれはセルティポジションであるコンスタンティンをめぐる司祭と悪魔の物語なのだ!!
前も書いたけどどことなく少年向けスメルがするビーンズ作品が地味に増えてるような気がしますよ。いいぞもっとやれ。

あとあれだな! エリカとコンスタンティンは実態は百合なのにおいしいな! エリカツンデレだな!

これは食事用ですとかミサ用ですとか「変な人だなあ(*´∀`)」と思うエピソードがあってその裏側になんつーものが! 
? やべえ / ? 超好き /

いい時代になったものだ。

  1. ビーンズ的に。 []
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