カテゴリー「 一般文庫 」の記事

219件の投稿

両親との縁が薄かった女子高生が異世界転生した。織物に魔力を宿す国の王となるべくチルは迎えられた。
初めて読むのになんか懐かしかった。わたしは17歳の冬に初めて図南の翼(小野不由美)を読んだ時のことを思い出した。といっても似てるわけではない。チルは珠晶ほど強い女ではないし幼くもない。チルは一度は生きることもあきらめている。それでも異世界で生きた。
でも運命なんだよなーーーー。

「死なずに生き延びられたのならば、お前は十分に力を尽くしたということだ。お前は戦士だった。小さいながらも、誇りをもって生きたということだ」

(P125)

ここのシーンすごく好きなんだよな。マニージェがどえらい肯定ペンギンだ。
いいファンタジーです。最近は現代ものばっかり読んでいたので心があらわれる。わたしは長らく異世界ファンタジーを読んで育ってきたのだ。

辻村七子作品ガチ勢の方が読むかもしれないエントリで残すのは大変恐縮なんですけど、わたしが好んで読んでいた頃とはたぶん結構別物だと感じてるんですよ。みのるが登場してからは割とそれは顕著だと思ってて。
序盤の頃は普通に連作短編であの頃たくさんあった仕事系ライトミステリ、ちょっとBL的な要素ありって感じだったと思うんだよなあ。今は割とミステリ要素なくて人間の営みとか成長とかが描かれる感じがする。
体感ちょーシリーズのちょー新世界より以降を読んでる感じ。正義の大学時代の友達とかいろいろでてきてて、みのる視点では「リチャードと正義は顔が広い」と思っていても、あと15年ぐらいしたらみのるも真凛と良太に対してそう思われるかもしれんみたいな。
リチャードと正義の関係は、多様性? それ使うかと思われそうだけども「世の中には人生を共にしたいと思える人は異性かもしれないし同性かもしれないし次元がいっこ下かもしれない」みたいな感じ。きのう何食べた? のケンジとシロさんは同性パートナーだけど「BL」って感じではないし、あの感じ。でもあのふたりよりは湿度は高いと思う。

でもジェフリーとヨアキムの関係はどんな感じだったかなあと思いながら読んだ。9割忘れている。
でもいつぞやのあとがきで野梨原花南さんが「角のタバコ屋のおばあちゃんも燃えるような恋があったかもしれないんだよ」みたいななにかなかったっけ。「今はこんな感じだけど昔はいろいろあったふたり」みたいな感じで読んでた。
たぶんずっと好きでずっとこの関係性が好きな人はたまらんわまじでって感じなんだろうなと思う。

タイトルと表紙で全部説明してる系なんですけど、チャイニーズスープとフジリュー封神を混ぜて夕鷺かのうが出力した感じです。暗黒童話的メシウマ小説と裏表紙にありますが、メシウマ……メシウマ……? とはなります。
メシウマがどのぐらいの世代まで認知されている単語かはわかりませんが、メシウマとは「人の不幸で今日もメシがうまい」というネットスラングです。
不幸な成分を書いておくと「タイタニックを契機に水中考古学に魅せられて院に進んだが、研究成果を根こそぎ奪われて研究職への道を絶たれて今は労働条件が限りなく黒の生命保険会社で働いている」女性、「地方から上京、大学デビューをしたが悪い男に引っかかって風俗に沈められた」女性、「ガチ恋粘着獣にいそうなパラサイトシングル1、同担に危害を加える系同担拒否勢」女性。
胸糞悪い系とグロは文字でも読めない人にはちょっとおすすめできない。でも夕鷺さんのビーズログ作品じゃないやつを読んだことがある人ならセーフだと思う。ほっこりごはんものではないのでそこだけは注意してほしい。

確かこの本の発売前に表紙を見て「どう見てもチャイニーズスープやん」と言ってた覚えがあって、だからこそ1話を読んであれって思ったんだよな。あーーそうそうこれこれこの味って思った。

  1. この単語もどのぐらい伝わるんだろう。令和の世だと子供部屋なんちゃらと言われる人で、実家におんぶにだっこされて生きている人たちのことである。 []

栗きんとん事件出たん13年前なん????
この巻は小鳩くんと小佐内さんは別行動である。新聞部が追う連続放火事件。小鳩くんは目の前の謎を解いてしまう。例えば満員のバスの中で停車ボタンが押されたが、誰も下りなかった。間違えて押したのだろう。押したのはおそらくこのふたりのどっちかだ。押したのはどっちか。小鳩くんパートにはそういうのも含まれている。
「あはっ」はよかったし小佐内さんは出番自体はものすごく多い、というわけではないがTRICKとかでいる「思わせぶりなことを言っていく割と重要人物(悪役寄り)」ポジションだった。

PR誌astaに掲載されていた「思い出に残るあの店」を語るエッセイ。お店情報もあり文字で読むワカコ酒みたいな本だ。

アンソロジー形式で寄稿(といえばいいのか参加といえばいいのか)されているのは三浦しをん、西加奈子、森見登美彦、宇垣美里、山田ルイ53世、はるな檸檬、バービー、塩谷舞といろんな分野で活躍されている方々だ。

髭男爵の片割れ、山田ルイ53世さんがあの芸風で実は人見知りで「個人を認識された瞬間に店から足が遠のく」タイプなのは意外で、親近感が湧いた。

内容はランチ・ディナー・スイーツ。お店はほぼ都内だが、若干九州が含まれている。
◎作家一覧(掲載順) 三浦しをん、西加奈子、中江有里、美村里江、宇垣美里、清水由美、山田ルイ53世、塩谷舞、稲垣えみ子、道尾秀介、ジェーン・スー、岡崎琢磨、バービー、朝井リョウ、瀬尾まいこ、佐藤雫、清水ミチコ、あさのますみ、畠中恵、はるな檸檬、小川糸、久住昌之、川内有緒、澤村伊智、朱野帰子、最相葉月、藤岡陽子、森見登美彦

書影が出ない……。頑張れAmazon

結婚に至る道の1冊(最後まで読んでも結婚式ではない)。
今回地味に面白かったのは男女間の意識の齟齬的なあれ。絶妙にかみ合ってない(そして別にそれをあえて確認したりしていない)のが面白かったです。淡々とした描写にまあまあの頻度で混ざってるのが面白い。思えばこのシリーズも11冊か。結婚とともに終わるんだろうか。結婚生活も描かれるんだろうか。どうせなら太陽がお父さんしているところまで読んでみたい。

宮田陽彩は大学へ通う傍ら週6でコンビニでバイトをする。月20万ぐらい稼いで手取りは16万ほどになり、うち8万は家に入れている。残りは学費に消える。奨学金も借りているがそれはあくまで保険で一切手を付けず卒業と同時に一括返済するつもりだ。
大卒の資格の元就職する。それが大学に入学した目的だ。宮田はの母と2人で暮らしている。高卒で働けという母を説得して何とか大学へ通うことができた。家に入れる8万も自分支払いの学費も奨学金も家から近い大学に通うこと親の意向だ。

同じバイトの江永(女)と堀口(男)、同じ授業を取っている木村(女)が主な登場人物だ。宮田は家を出て江永の家に転がり込むことになる。友達のいない宮田は江永に関するうわさ(いわく、父親が殺人犯)を知らず、木村から聞いてそのことを本人に尋ねたりした。

「幸福」「普通」「よくいる」とはお世辞にも言えない境遇の宮田と江永の話は時々つらく、2人が出会えてよかったと思う。何らかの理由で離れることがあってもずっと仲良くしてほしい。
ちなみに本作はそんなにべたべたはしてない女同士の友情や関係性の物語で、一線は超えない。人間関係はとても狭いし、貧困や孤独や苦悩やシビアな現実の話でもある。

ちなみにこの物語は東京オリンピックが迫る2020年よりちょっと前の世界が舞台だ。
外食産業とイベント会社が家業だという堀口の、ほんの数年後の未来はどうなっているのだろうと読みながら背筋がぞわぞわした。

PAGE TOP