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薔薇の戴冠 クラシカルロマン (ルルル文庫)

舞台となるのは前作「ルチア」の舞台だったティエランカ王国の北側に位置するヴィクトワール王国。
時代設定はルチアよりちょっとだけ前。すごくよかった。

カメリアパルクのバシュレ子爵家で育ったエティ(エタンセル)は子爵家の慈善事業のひとつである薔薇摘みをしていた。慈善事業とはいえエティは子爵家の伝手を使い販売ルートを作り収益を大幅にあげかつ安定させ、将来はこの人と結婚するのであろうという人もいた。ある日エティのもとに王室補佐官だと名乗るギーが現れた。そこで初めてエティは自分が次期王位継承者であることを知らされるのだった。

相変わらず硬派な雰囲気です。
エティはルチアに比べれば明るい系の子ですが、それでも少女小説の主人公とは一線を画する感じの人。
ほかではあんまり読めない感じの主人公はとても好きなのでそのままでいてほしい。
恋愛成分は前よりは多いけどそれでも政治方面が成分的には多いです。

ヴィクトワールってフランス語圏なんかなとかおもった。レーヌがでてきたので呪われし宝石がびしっとでてきた。レッジーヌとかでてきたのでイタリア? いやあれはレジーナだった(沈んだ歌姫)とかおもった。

ていうかメリュジーヌ夫人もグルなことにとても驚いた。
そしてエピローグで時間がぎゅんと流れてエティがイロンデルの母だったので死ぬほど驚いた。エピローグ読んでる気分だったので、次のページはもうあとがきやろうと思ったらエピローグだったのでびびった。
次はどうなるんだろう……楽しみだなあ。

夏の階段 (ピュアフル文庫)

夏休み?2学期(人によっては中学の卒業式以降)の高校生連作短編。
「マイナークラブハウスへようこそ」と「初恋素描帖」を混ぜて文学少女の千愛とエリ組のバロ子を追加投入して煮込んだのちヤンデレ成分を抜いたみたいな。ハチクロみたいな片想いスパイラルが発生したりしていた。
恋の話が含まれるけどそれが叶ったり崩れたりするまでの話ではないです。すごい本を読んだ気がした。

視点が変わってそれまでの脇役が主役になる。視点変更による雰囲気とか印象の違いようがすごい。
好きなのは雨の屋上・月の望潮。遠藤さんすごく好きだ。

あとがきがすごかった。小説の中では今まであんまり読んだことがない感じ。
すごくはじけてる。方向的に近いのは種村ありなっちの柱コメントではないだろうか……

また同じ日常がはじまるのだな、と諦念を覚える。疎ましいような安堵するような、甘い樹液みたいな日常。
いったんその粘性にからまるとなかなか抜け出せず、心も麻痺して、だけど時々腹がゴロゴロするような、しかし同じ場所にはとどまっていられない。ゆるくて厳しい高校生活。

(P86?P87)

あの頃の貴輿ちゃんは、大学のサークルの先輩に片思いをしているとかで、恋の相手は生身の男性だったはずなのに、今ではすっかりBL好きの腐女子です。この1年半のあいだにいったいどんな心境の変化があったのか、気になりますが、訊けません。

(P169)

善き人は、すべてを愛し、恋なんてしないと思っていたからです。恋こそ、不平等で不合理な感情の始まりだと思うからです。

(P189?190)

どうにかして性格を変えたいと思っていましたが、おそらくわたしはわたしのようにしか生きられないのです。だとしたら変えることではなく、気をつけることで、精一杯わたしらしく生きてみたほうがいいのかもしれません。
少々嫌われたって、命がとられることはないのです。誤解なら誤解をとけばいいのです。怖がることはありません、毒草だって毒虫だって、何かの役に立っているのです。

(P193)

最近読んだ胸キュンなマンガの特集。

となりの怪物くん

となりの怪物くん 1 (デザートコミックス)となりの怪物くん 2 (デザートコミックス)

雑誌の表紙がなんとなくこれで気になる→立ち読みする→既刊ゲット!
(ちょうど2巻が出たばっかりだったようです

となりの席のよしみで水谷雫は吉田春の家にプリントを届けに行くことになった。
春は入学初日に流血事件を起こしてそのまま停学になっていたのだ。
なんやかんやで春に友達認定され告白もされた雫は変なやつめ!と思いつつも……というはじまり。
無自覚カップルとかそういう方向ではない(と思う……)
(とっとと告白しちゃえよとかそういう段階は過ぎているので)
「自分の成績にしか興味のない女の子」が「純粋だけど人との距離をはかり損ねてるケモノっぽい男の子」に好かれて、お互い意識しまくったり恋心に目覚めたり世界を変えられたり一足飛びの行動をしたり友達が出来たりするそういう話。
今2巻まででてます。

LOVE SO LIFE

LOVE SO LIFE 1 (花とゆめCOMICS)

双子の幼児ってもえのかたまりですよね……(ロリコン的な意味ではなく
児童福祉施設で暮らす中村詩春は保育士を目指して施設に併設されている保育所でバイトをしている。
保育所に通っている葵と茜(双子・男女・2歳)のベビーシッターを頼まれて若手人気アナ松永政二の家に通うようになる。詩春は最初政二が双子の親だと思ったが、実際は「兄の子」だった。双子の父は妻に先立たれたショックで双子を置いて失踪する。代わりに双子の叔父である松永が育てているのだがなんせアナウンサーは多忙なのであった。

恋愛方面はなくはないですが、メインは家族です。血の繋がりはなくとも家族がメインです。
大事なことなので2回(ry
擬似家族おいしいです。

今は1冊だけ。

白磁

白磁 1 (花とゆめCOMICS)

雰囲気とほのめかしのエロ最強。
直接的な描写はまるでないですが、どこまでも深読みできるえろい雰囲気がすごいです。モノローグ多め。
天才と呼ばれる若き画家・明春と女子高生で明春のモデルをすることになった生花、明春の友人で画商の高志が主な登場人物です。

ちなみに「明るい」「コメディ」とかの単語とはまるで無縁です。
薄暗いとかぎりぎり病んでないとか、そんな方向。すごい引きなので続刊がとても待たれるところ。

今は1冊だけ。

キスよりも早く 1 (花とゆめCOMICS)

ちなみにキス未満の仲でありながらすごくえろいのがこれだ……
超甘い。糖度超高い。超ラブコメ。図書館戦争方面のだだ甘ラブコメが好きな人は多分好きだと思うんだ。

今5巻まで出てる。

レンタルマギカ  滅びし竜と魔法使い (角川スニーカー文庫)

第2部完。そしてアディのターン(だとおもう)
アディはかっこいい。しかし挿絵的にはここ数冊随分とアディの目つきが鋭くなっている。
影崎が前線に立っているところ初めて見た気がするよ。猫屋敷の出番も割とあった。によっとした。

「当たり前の日常に。魔法使いなんて関係ない、光の下にお戻りなさい」
すう、と手を振った。
ちょうどフィンの足元まで森の陰で暗く覆われており、夜の直前の透明な光がいつきの影を長く淡く伸ばしている。
夕暮れと、夜との境界線。
その光景がひどく象徴的ではあった。

(P271)

光炎のウィザード  運命は千変万化 (角川ビーンズ文庫)

クライマックス目前。
ネタバレ対策のため続きを読むに放り込んでおく。

封印の女王  恋の翼は白銀のきらめき (角川ビーンズ文庫)

国のためアダリア女王として頑張ることにしたリーゼロッテ。
平民の暮らしを知るためお忍びで町に下りたり嘆願書や報告書に片っ端から目を通したり魔法の勉強をしたりしている。町に下りたときに「アダリア東部の街が魔獣によって滅びる」という噂が流れていることを知る。

1巻がもろに「続きは2巻でね!」という終わり方だったので2巻も読んでみた。
1巻での謎の「封印のしるしが何故半分なのか」はこの巻で説明されてました。1巻より面白くなってる。

リーゼロッテは女王ではなく姫のほうがよかったんではないかなあと思った。
たとえば兄姉がいて「国を統べる人」「国を守る人(封印の意味で」で分業とか。
作品で例えるなら「花に降る千の翼」のタリアポジション。
女王死んだら文字通り国も滅びるのに自ら危険なところに行かなくても、と思うのだ。
女の子としてのリーゼロッテはすごく可愛いと思うけど、女王としてのリーゼロッテは1巻が嘘みたいに自分の意見を通したい子だと思ったのだ。主人公なだけにすごく気になる。のちのちに成長っぷりを際立たせるためにあえて今は幼く設定しているのかな。

悪魔のソネット  豪華客船は悪魔と一緒 (角川ビーンズ文庫 56-11)

ある日ジャスティンの元に校長会の面々が唐突にやってきた。目的は臨時校長会だったが「女が学校運営などけしからん。この学校は閉鎖するか否か決議をとろうではないか」という感じで危うく閉鎖になりかける。
決議は合同研修に持ち越されることになったが、その合同研修というのは各地の学校から成績優秀な生徒を数名招待して行う遊びの旅行のようなもの……だが事前に総合試験があり事実上国で一番の学校を決める学力体力が問われる総合試験だ。優秀な成績を収めなければシェルズバーン・カレッジは閉鎖になる? という話。

巻を増すごとに面白くなってるなあという印象。ルーナエはいいツンデレ。
あと漫才的なものとか恋愛成分もどーんと増量されてたとおもいます。校長会のちょっと前が第1のときめきだね! レクスが人間くさくなりつつあるけどそれは果たしていいことなのかーという。
「青少年の健全な育成に問題があるかもしれない顔面破壊兵器」とか「残念な料理の腕前」だったりレクスはなかなか散々にいわれてるな。ちゃんと見せ場もあるけどな。

複雑怪奇な下着ってどうなんだろうと思いつつ、軽い舞踏会用です!ということで納得することにした。

グレンゴーは名前から察するとグラスゴーかなと思った。
鳥取に似ているといわれたり「あんなところに何しに行くの何もないところよ?」とか他の本でちょくちょく見かける地名(なので1回るるぶ的なものを見た)(前者は桜庭一樹と後者は恩田陸の紀行文かなあ……)

「お前は何か勘違いしていますね。念のため言っておきますが、僕はお前への好意からこんなことを申し出ているわけではありませんからね!? ただの……そう、ただの気まぐれです。それに、魔法など使わなくとも、僕の美貌と頭脳さえあれば人間などいちころですから!」

(P198)

身代わり伯爵の失恋 (角川ビーンズ文庫)

シアラン編はまだもうちょっと続く。
リヒャルトが(いろんな意味で)「言ったーーー!!!!」って感じでした。転がる。王道って素晴らしい。
ミレーユの洗脳されぶりはすごい。
この開き直りはNGライフの最終話を思い出すようである。読んでる最中何回もアーッ⊂´⌒つ*。Д。)つってなった。

タイトルからヴィルフリート玉砕なんだと思ってたんですがそっちかーーー!と思いました。

ペンギン・サマー (一迅社文庫)

多分1回目より2回目のほうが楽しいんだろうなあと思う1冊完結のとある夏の話。

白首山という500メートル級の山を中心に持つ白首市のもっとも有名な伝承はクビナシ様の伝説だ。
幼馴染みのあかりに付き合わされてクビナシ様を探すことになった隆司だが、というはじまり。

相当詳しい町の伝承(本からの引用という形式)が気に入った。その間話止まってるしこのぐらいのページで収まってるからいいんだと思うけど、もうちょっと詳しく読みたいと思った。

ペンギン様がいい。ペンギンは正義。

これはああ繋がるんかとか、多分再読がとても楽しい本だと思う。

天涯のパシュルーナ (1) (ウィングス文庫)

四方を山に囲まれたパシュクルム王国では14歳になったら神殿の巫女から神託で仕事と生涯が決まる。
そんな理とは無縁にトゥラルクは山賊の養い子として育ち頭目であった義父の死後、新しい頭目に担ぎ上げられた。

王道っぽい。とても王道っぽい話。
ヒルクイットの頭の「 ←これがどっかにつっかえたりしないのか……と妙に現実っぽい疑問を抱いた。
68ページのあたりが好きだ。というか腹に一物美形ってわたしのもえるてんぷれじゃないのか。
続編が楽しみです。そのときにはイーシャとヴァイラの出番を多めでお願いします、と希望を述べてみた。

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