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三浦しをん帯にクマーされたんですがこれは面白かったです。
表紙イラストは種村ありなっち以前の90年代りぼんを思い出す懐かしいあれだけど、中身はふわふわしたものなどなくルチア風だった。
主人公はシュタイン帝国皇帝のエドリックと7番目の妻にと皇后に選ばれた地方伯の娘アイリス。
語り部はふたりが歴史の一部になってから史料上から2人をうかがう350年後ぐらいの人、みたいな感じで。
ディカプリオ主演のタイタニック1を思い出す冒頭である。
結末がまず知らされる→エドリックとアイリスの現在→歴史や側近の手記や手紙上に残る2人の当時、当時より少し未来→2人の現在→歴史に〜→2人の〜の繰り返し。
未来の描写に対してどうしてそうなった(゚д゚)と読み進めるのが楽しかったなあ。
読んでみたい話はルイのその後とヴァイオラかな。
とても面白かった。続編にしろ新作にしろ新しいのが出たらまた読もう。
- の冒頭 [↩]
相棒最強である。もえた。
七聖守護物対策室の面々は招待を受けてヘヴンリーパレス主催の都市再生式典に出席することになった。
ヘヴンリーパレスはたいした災害を受けたことはない富裕層が屋敷を構える場所だが、「落日の礼拝」など大きな災害を受けた地域への支援活動を行う人々への記念式典が年に1回行われる。設立当初から注目を浴びてきた対策室への興味と、利用できるものなのか邪魔になるのかの判断をつけたい周囲の思惑が今回の招待に繋がっている。
幸運を引き寄せるアイリと凶運を引き寄せるハイヅカ、その吉凶は望む望まざるとは関係なくふたりに降り注ぐ。
相棒なんて聞いてませんよとか人間守護物とか冗談じゃないですよとか言ってたのに、一緒にいるのが当たり前になってるあたり非常に微笑ましい。この辺がじっくり読めたのでわたしとても満足。
フォーチュンオブウィッカ2がもたらした副産物としてはストロボの赤を再読したい。プロミネンスバーストと呼ばれるようになる災害のせいで多数の死者を出した都市で、追悼式典が行われる日の話。
でもやっぱりハイヅカの制服は♂ハイプリっすよね。
あと上条さんキャラらしくちゃんと「不運」にも原因があるということで、アイリの過度の幸運もどこかから来てるんでしょう。幸福量保存の法則とかちらっと思い出しました。
小学校4年生の「ぼく1」の街に突然ペンギンが現れた。
ぼくはウチダくんやハマモトさんと一緒にペンギンや歯医者のお姉さんの研究をする。
ペンギンはなんかSF心をくすぐる生き物なのだろうか。不思議生物ペンギン。
ペンギン・サマーとかを思い出す。
そういえば何かのエッセイで「ノートはすごい。いいノートがあればいい小説が書けるような気がする」とかモリミーだったかがasta*でノート愛エッセイを語っていた。「ぼく」もノートを片手に研究内容や知ったことや実験結果をもりもりと書いていた。ノートは強い。
「世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる」
(P205)
「アオヤマ君はスズキ君にも怒らないんだね。」
「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心が大変平和になるんだ」
「ぼく、アオヤマ君はえらいと思うけども……でも、あまりそういうことを考えるのはよくない」(P48)
- アオヤマ君 [↩]
産まれてすぐ「この赤ん坊が16歳になったら我輩の花嫁にする」と悪魔に目をつけられた娘がいた。
悪魔に見つからないように男装して故郷から離れた教会で助祭として過ごしていたコンスタンティンだったが、運命の誕生日に悪魔は現れた。ただし悪魔祓いに力を奪われ猫の姿で。かろうじて地獄行きは免れたもののその手には悪魔との結婚指輪がはめられている。
この指輪を壊すためコンスタンティンは昼間は「男装の助祭」、夜は「伝説の聖女【黒い羊】」の二重生活を送っている。
夏至の祭りとかちょっとケルトっぽいなあと思いつつ、なんだか真夏の夜の夢を読もうぜと言われているような気になる。いきなりむくつけき店主が家族の服を借りたりして女装してて激しく吹く。練り歩きとかちょっと屍鬼の冒頭を思い出す。要するに虫送りだ。
相変わらずコンスタンティンとユリエルと悪魔の3すくみ状態が美味すぎる。
悪魔の猫モード時がマジ猫なのとユリエルがドツボなのが笑える。ユリエルにはそのままもだもだしておいてほしい。
ざくざく血が流れる話はいい! 儀式は燃える。クズ呼ばわりされた鬱憤晴らしに強盗事件を追ったりするのである。
しかし今回はな!
びびるがな。しかしひとつ屋根の下の秘密はもえる。ごはん3杯だ。
コンスタンティンは、ぱりぱりに焼かれた香ばしい皮と、とろける脂身、それにあふれる肉汁が染みこんだパンを十分味わい、飲み下してから、口を開いた。(略)
「……なんで君はそうまでして僕のたまの休暇にケチを付けたいの?」
「つまりその肉を我輩に向かって放り投げることで、そなたは大食の罪を断ち、一つ善行をつむことができるかもしれんだろうが?」(P24)
シュピーツ王国内はまだまだ平和であるが国外では1年前から世界を巻き込んだ戦争が続いている。
中立を貫くシュピーツの王女メリルは戦争をどこか遠くのものだと感じていた。
両親を亡くしたがそれでも明るく伸びやかに育ち、女学院を卒業して王族としても成長段階で今は自分の将来を模索しているところだった。しかしそうしている間にも戦禍と嵐は刻一刻と近づいていた。
シュビーツはスイスかなあと思ったりいやエーデルシュタインだからオーストリアじゃねと思ったりした1いやスイスだよ。
西大陸最北と書かれてたからルッシニアはイギリス? でもなんかおかしいと思ってたらミハイルの名前で分かった。ルッシニアはロシアっぽい気がする……。この方向が正しい気がすると思って読み進める。
ちなみにボレアスはドイツだろうと思ってる。
メインのふたりがとてもいいものですが、フェルディナンドがとてもいいキャラをしていると思います。
わたしは彼のスピンオフがあるならとても読んでみたい。飛行機乗り的にお願いします。
フェルディナンドは所属のあれさえなければピロシキ2と仲良くなれると思う。
さてそのメインふたり。メリルと護衛で幼馴染みのダーツ。いやもう幼馴染みですっていうだけで美味いです。
今回はルチアや薔薇の戴冠と違い、お互い気心知れた中なのですね! 成長して再会ドッキリうめえ!
はじめての舞踏会直前のダーツは可愛い。
「最後くらい唇に口づけたかったが、俺はここで我慢だ。さよなら、メリル。お別れだ」
(P255)
恵介は大学を休学して実家に帰ってきた。体調不良や将来の進路に行き詰ったわけではない。
仕送りなしのため奨学金とバイトを併用してなんとか学費と生活費を捻出していたのだがとうとう経済的に詰まった。
そしてふらりと入った昔懐かしい映画館「銀映館」で破格の時給だった映写技師補助のバイトにつくことになる。
この映画館の映写技師は女性で、映画館から出ることなく映写室を主な寝床して3年間暮らしている。
引きこもりの技師だからといってコミュ不全というわけではない。
ルカはとても魅力的で映画が好きで、映写技師としても優れていて、映写機にフィルムをかける実技指導も行う。ルカの指導はスパルタで、丁寧さと速さを要求し、かけ間違えれば容赦なく後頭部を叩いた。
恵介はバイト面接時に「ルカの過去を詮索してはいけない」などルカに関する不可解な約束に困惑しながら、ゆっくりとルカとの距離を近づけていく。
フィルムを映写機にかけるところの描写が好きです。なんか懐かしい。
今「県庁所在地に映画館がない県」在住なんですが、昔は市内中心部の商店街にいくつも映画館があって家族で映画にいって、しかも入れ替え制じゃなかったので2回とか見てた覚えがあります。今はもう映画館超遠いので年に何回もいきませんが。
レイジは得体の知れない危険な人物だと思ってたんですが、ゆとり乙トルネードみたいな。
でもレイジが一番脳内で音声になりやすかったというか。せめてイケメンに生まれてよかったなみたいな。
しかしことに及ぶと分かっていてルカはなんではじめての日に上下ベージュの下着とかそんな色気がない下着を選んだんだろうか!
闇の中では自分であることを忘れることができた。それでいながら、映画によってほかのお客さんたちと一緒に笑い、驚き、怒り、泣き、感動を共有することができた。闇の中に身を隠しつつ、人とのつながりを感じられたのだ。
予告編と本編をつなぐフィルムの黒味が流れて、スクリーンは黒く染まり、場内が真っ暗になった。
春人は小さくもらす。
「やさしい闇だ」
いい言葉だ。
「そうだな。やさしい闇だ」(P155)
ゲーム「怪人は夢に舞う」が完成。創也と内人はテストプレイに栗井栄太を誘う。
裏表紙が笑いを誘う。そのセンスはどうなのか。
内人の脳内キャラなのにナオコさんがいいキャラになってきた。
今回のゲームは「自分の映らない鏡」を見つけるのが勝利条件なんですが、「何故自分の姿が映らないのか」
の謎の内人の推理が実にクラインの壷でありクリス・クロスだった。
確かにあれもリアルRPGなんだけどな!
そしてなんというアカシックレコード! 11章以降の面白さは個人的にすごくやばかった。
自転車レースのシーンとかもすごく好きだ。童心は大事。
はやみねかおるの作品も全部地続きなんだなあと読書メーターの感想を見て思った。
さすがに
名前探しに夢中だった。
2年4組35人は不良なり秀才なり様々な人間が集まっているけど要するに個性的すぎる人間が隔離されたクラスである。委員長はここにクラス内交換日記をはじめることを宣言する。その交換日記というのが何故か主に異名で記される。ところどころで本名も書かれるけど異名である。誰が誰のことを好きだとか色々書かれる。交換日記の書き手は毎回変わる。
35人もいて好きにやっていて最終的にちゃんと収束しているのがすごいなあと思ったり。
名前当てパズルっぽい要素があるけど「自殺してしまった私たちのクラスメイトの名前を思い出してください」@「冷たい校舎の時は止まる」っぽいのじゃなくて、「初恋素描帖のドミノ割り。名前当てもあるよ」みたいな。
この2年4組表を完成させたときの達成感はすごい。一応埋めたけど三馬鹿2と3がこれでよいかの自信がない。ところで私が好きなのは制裁男とハツラツ娘でな!
登校拒否が3人いるのが懐かしいなあと思った。私が中学校の時はグレて学校に来ない子1名と不登校的に学校に来ない子がペアで各クラス一組はいた。