カテゴリー「 読了 」の記事

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はつこい (集英社文庫)

表紙が制服でタイトルが「はつこい」でも登場人物は20代後半です。
一言で感想を書くと「恋愛ってホラー」

地方・老舗和菓子屋の一人娘の亜季子は進学塾の事務職員として勤務中である。
遠距離恋愛中の恋人が東京での生活を引き払ってこちらに戻ってくると心を躍らせている。
いずれ結婚するつもりで新居にする予定のマンションも買ってしまった。

これほどまでに「STAR DUST」1が似合う本って早々ない。
どう見ても「左手には花束 右手には約束を」としか思えないシーンがあってどきどきした。
亜季子はなんかこう、病気としか思えないぐらい不安になる要素しか持ってない。のちのち狂気に育っている。
というか遥生とは本当に恋人同士だったのか。個人的には亜季子の思いはどうあれ合意はなかったと思う。
「遠距離恋愛中の恋人」だと思っていたのは亜季子だけで遥生的には最初から「友達の中では一番好きな女の子」なんじゃないのかとか思っていた。
「重たい女」では足りないなにかがあるしヤンデレならそもそも遥生は生きていない。
かといって行動に尋常ならざる点が多々見受けられすぎなのである。
いきなり幻想描写(睦子刺殺とかラストシーンとか)が入ったのでびっくりした。

日曜日のアイスが溶けるまでみたいだ、とちょっと思った。

  1. SoundHorizon []

はなうたう−淵国五皇子伝− (一迅社文庫 アイリス こ 3-3)

中華系ファンタジー2巻。
5人の皇子にかけられた呪いを解いてほしいと淵国へやってきたカナンがようやくひとりめの呪いを解いたその後。

今巻は皇子の親組がちらりと登場してきますが、わたしはもしかしたら親組相当好きかもしれないと思った2巻。
なんかさよならピアノソナタのときのような既視感1
金花の残したことばの「わたしにも恋をすることができたんだわ」のところが異様にときめきです。
前皇帝のことをうたった歌含めて歌全般はときめきポイントです。

あと「車椅子を押す郷」が衝撃過ぎる。あれ2足歩行だったのか4足じゃなかったのか。
つまりこうか!

あなたをずっとずっとあいしてる (絵本の時間)

二足歩行だ。

さりげなく善が黒かった。しかしパフュームの部屋での善は思春期をこじらせている。
黒いといえば暗ですが、パンダはよくないと思います。パンダでのラフ絵がへいじつやで公開されたりしてますが、パンダよくないよ!(大事なことでもないけど2回いった)
(今夜桜四重奏の頭だけパンダのあれを思い出した)
あと暗は出たてのころはルパート様と同類のかおりがするとおもった。

P127とか超家族だった。いや今回のメインは律ですが、りっちゃんは愛という字を分解したあたりから愛い子である。

  1. あれも全巻通して一番好きなのは哲朗次点エビチリの親世代である []

木暮荘物語

築ウン十年、全六世帯、安普請極まりない安アパートに住む人々の短編集。
3年前に消えた恋人・晃生のことを気にしながらも並木を受け入れた繭の元に晃生が戻ってきた。どろどろ感とはあまり縁のない奇妙な3人での生活「シンプリー・ヘヴン」
繭視点では「美容師」設定のニジコの物語「嘘の味」
「喫茶さえき」の若夫婦の最初けだもの→草食へ→そして怪しい行動「黒い飲み物」
死が間近に迫っているにも関わらず性的に盛んな友人の姿を見てワシも一発……と思い出した「心身」
奇妙な柱の出っ張りとトリマー「柱の実り」
間男なう「穴」
穴の続き・よその赤ん坊を世話することになった「ピース」

好きなのは「柱の実り」と「穴」である。出張先ってどう見てもお勤めである。実刑である。高齢者専門は実在するんだろうか。世の中にはすごい産業もあったもんだ。

海が愛したボニー・ブランシェ -聖女が眠る悪の楽園- (B’s‐LOG文庫)

ボニパンまじボニパン。冒頭からかぼちゃである1
コスタバを離れメレアグリナ号は海賊島トルーガへ向かうことにした。トルーガは"先々代ロランの乙女"今は亡きボニーの祖母ルシアが眠っている。シャボンティ諸島編を思いだす。

序盤の新キャラが実に全裸である。
時計王2の読了感もあって自分の中では「最近のビズログは全裸に対して寛容」という感じ。
ルーアはははは馬鹿だなあという点でとても気に入った。
最後の新キャラは明らかに名前の前に「サー」をつけないといけない類である。

個人的に衝撃的だったのはバスカーの退場である。ちょーしょんぼり。

  1. 実に色気のないぱんちらである。 []
  2. 時計王と魔法のドレス。全裸にされたりお風呂に乱入されたりエロさはないものの皮膚接触の多い肌色な話だった []

子守り魔王と姫騎士団長 -神々の祝宴- (B’s‐LOG文庫)

子守り魔王最終巻。ちょうおもしろかった。
弟が周囲に超迷惑をかけつつ自分もぼろぼろになって、兄が尻拭いをしたり走ったりやっぱりぼろぼろになったりという3巻ですね分かります。「『太陽争い』ってなんぞや」にえらいときめいた。やべー。神話はロマン。
《翡翠を纏う貴婦人》が超美形だった。深いスリット! 深いスリット! ほんの二千発!
あと王妃がようやくデレた!

副長の頭を撫でる前振りとか落としどころが「拙者不器用ですから……」感があった。このひとかわいいなあ。
祝・結婚とか思えば一点トラロックをおとすべく狩場に早変わりとかちょうわらった。焼☆鳥!

最後の台詞のあと、脳内では暗転→エンドロールへという感じだったな。とても劇場版。

「肉切り包丁で戦う肉屋の娘」の話が気になった。それミンチミンチミンチ!の系譜だよなあ……。

毒吐姫と星の石 (電撃文庫)

国に捨てられ世界を呪った姫君と、夜の王に祝福され異形の手足を持つ王子の恋のおとぎばなし。
デビュー作ミミズクと夜の王の続編。

占の国ヴィオン。
エルザが生まれた時「彼女の誕生は凶兆である」という天啓に従い産まれてすぐ下町に捨てられることになった。
10数年経ったある日ヴィオンに再び凶兆のしるしが現れ、エルザは下町から罪人を捕らえるようにして連れ戻され再び天啓に従い今度は「ヴィオンの姫君」として聖騎士を擁するレッドアークに嫁がされることになった。
レッドアークの王子クローディアスは、夜の王に祝福された不気味な肌の色とあざやかに彫られた文様の隠すことなくエルザを出迎えた。

エルザをつれまわすオリエッタちょーつよい。オリエッタちょーかっこいい。
オリエッタのために「鳥篭の姫と聖剣の騎士」が掲載されてる電撃文庫マガジンを買おうと思います。
クローディアスとオルデルタの対面、あとエルザの乱入のシーンが好きだ。

著者近影を見てこうぎょくさんとべにたまさんは同一なんだなあとしみじみ思う。ひじつざいこうぎょくさん。

「呪ってやる。呪ってやる呪ってやる呪ってやる! 魂のすべてをもって呪ってやる! この毒吐きの名にかけて!! 星よ落ちろ、光よ消えろ、命よ絶えろ!! 占い狂いのこの国は、業火に焼かれて生きた地獄に成り果てればいい!!」

(P13)

クロノ×セクス×コンプレックス〈3〉 (電撃文庫)

小町はどうにも俺妹の麻奈実っぽい。おばあちゃん女子。「家」っぽい子だなあ。
今回はついに朔太郎とミムラがエンカウント。ミムラが随分とぶっ飛んでいる女子であった。
アシュトンを黒っぽくするとミムラになるのか。

ミムラ×三村も美味しいですが9時間前のオリンピアと9時間後のオリンピアの戦いも素敵です。
「あなただって9時間前に踏み台にしたんでしょ」のあたりはなんかこう、既視感を感じたんだけどこれはあれだ。
実写版タイム・リープの「明日あなたがそう言ったのよ」的なものだ。

タイムトラベルロマンスがごりごりあとがきであげられていたけど、前に出たアンソロジーでは不思議の扉 時をかける恋 (角川文庫)が面白かったな。

いやしかし小町関連まじ過酷。

お家賃ですけど

個人的なmixi日記を再構成しネット上で連載、さらに加筆を加えて書籍化の流れ。
まだ男だった時から海外で手術して少しあとまでで、時期的には平成14年春から平成19年春まで。
牛込の加寿子荘での日々。この加寿子荘というのがすごい。風呂なし(部屋によってはあり)玄関・ポスト共同。
住所表記は「2階奥」
はじめて能町さんのイラストなし1な本を読みましたがこれはいいなあと。

  1. というかnot漫画 []

“菜々子さん”の戯曲  小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)

スクールカーストな1巻とうってかわって高校生編は青春ミステリの様相。
高校に入学した宮本剛太はある出来事で"菜々子先輩"と出会い、そのまま菜々子先輩所属の映画研究部に入部する。雰囲気は米澤穂信の「古典部シリーズ」に小佐内さん1が混ざっている。みたいな。
映研つながりで愚者のエンドロールを思い出すなどした。
「シー・ムーヴス・シー」はまじ「心当たりのあるものは」っぽい。そして若草ひかるがりせちー2で再生された。
「菜々子さんの陰謀」は絶賛続投中ですが、年相応な可愛げもある女の子になっていました。

  1. 小市民シリーズ []
  2. P4の登場人物。アイドル休業して田舎の祖母宅へ []

氷雪王の求婚 〜春にとけゆくものの名は〜 (コバルト文庫)

三浦しをん帯にクマーされたんですがこれは面白かったです。
表紙イラストは種村ありなっち以前の90年代りぼんを思い出す懐かしいあれだけど、中身はふわふわしたものなどなくルチア風だった。

主人公はシュタイン帝国皇帝のエドリックと7番目の妻にと皇后に選ばれた地方伯の娘アイリス。
語り部はふたりが歴史の一部になってから史料上から2人をうかがう350年後ぐらいの人、みたいな感じで。
ディカプリオ主演のタイタニック1を思い出す冒頭である。
結末がまず知らされる→エドリックとアイリスの現在→歴史や側近の手記や手紙上に残る2人の当時、当時より少し未来→2人の現在→歴史に〜→2人の〜の繰り返し。
未来の描写に対してどうしてそうなった(゚д゚)と読み進めるのが楽しかったなあ。

読んでみたい話はルイのその後とヴァイオラかな。
とても面白かった。続編にしろ新作にしろ新しいのが出たらまた読もう。

  1. の冒頭 []
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