シスター・ブラックシープII  林檎と堕天使 (角川ビーンズ文庫)

産まれてすぐ「この赤ん坊が16歳になったら我輩の花嫁にする」と悪魔に目をつけられた娘がいた。
悪魔に見つからないように男装して故郷から離れた教会で助祭として過ごしていたコンスタンティンだったが、運命の誕生日に悪魔は現れた。ただし悪魔祓いに力を奪われ猫の姿で。かろうじて地獄行きは免れたもののその手には悪魔との結婚指輪がはめられている。
この指輪を壊すためコンスタンティンは昼間は「男装の助祭」、夜は「伝説の聖女【黒い羊】」の二重生活を送っている。

夏至の祭りとかちょっとケルトっぽいなあと思いつつ、なんだか真夏の夜の夢を読もうぜと言われているような気になる。いきなりむくつけき店主が家族の服を借りたりして女装してて激しく吹く。練り歩きとかちょっと屍鬼の冒頭を思い出す。要するに虫送りだ。

相変わらずコンスタンティンとユリエルと悪魔の3すくみ状態が美味すぎる。
悪魔の猫モード時がマジ猫なのとユリエルがドツボなのが笑える。ユリエルにはそのままもだもだしておいてほしい。
ざくざく血が流れる話はいい! 儀式は燃える。クズ呼ばわりされた鬱憤晴らしに強盗事件を追ったりするのである。

しかし今回はな!

びびるがな。しかしひとつ屋根の下の秘密はもえる。ごはん3杯だ。

コンスタンティンは、ぱりぱりに焼かれた香ばしい皮と、とろける脂身、それにあふれる肉汁が染みこんだパンを十分味わい、飲み下してから、口を開いた。(略)
「……なんで君はそうまでして僕のたまの休暇にケチを付けたいの?」
「つまりその肉を我輩に向かって放り投げることで、そなたは大食の罪を断ち、一つ善行をつむことができるかもしれんだろうが?」

(P24)