カテゴリー「 読了 」の記事

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蒼井葉留の正しい日本語 (ファンタジア文庫)

竹岡葉月新作。
物心ついたときから親の仕事から国外を転々としていたが、ある日縁はリーマン一家が残していったドラゴンボール全巻を読破したことでオタク的な才能が開花。クソ高い輸入の漫画をプレゼントのたびに拝み倒しオタク鉱脈を掘り起こし、見る読む専門にも飽き足らず夢はラノベ作家だと志した所で母の再度の国外転勤。ジャンプさえろくに買えない場所にふたたび行くのは縁は母と徹底抗戦した。そして母が通った元お嬢様の進学先、現共学校へ合格しで寮生活をするならばという条件を渡され見事にオタク的な自由を勝ち取った。

日本語大好き蒼井葉留がイラスト:タケオカミホさんということもあり文学少女かなあと思ったりもしたんですが、葉留は遠子先輩と言うよりは古典部1の千反田える。ワナビ少年と本好き少女のひとつの屋根のしたラブコメかと思ったら割と重かったりするので竹岡さんだわーと転がる。好き。高校生甘酸っぱい

  1. 米澤穂信 []

盲目的な恋と友情

辻村深月がほむらちゃんを書くとこうなるのかなって思いました。
女3人、恋と友情の話で年代的には大学生〜社会人なりたてぐらい。
最初は結婚式のシーンから始まるから本日は大安なりみたいな方向かなあと思ったらめっちゃ黒かった。いつもの黒さだった。
蘭花と留利絵、それから2人の共通の友人美波。個人的に蘭花の苗字が一瀬(いちのせ)って出た時に一ノ瀬wwwwwwwwwwwwwww蘭花wwwwwwwwww ッてなったんですがまあそれはさておき。

蘭花の話、ろくでもない指揮者に引っかかった話なんですが重い!!!!! ってなりつつも読めたんですけど留利絵がさー読んでて何回もああああってなって逃げるいつもの辻村深月のあれで。あかんわあ。読んだ後もう1回蘭花の話の留利絵周りを読んでああああってなった。どこまでいっても一方通行だなあ。沼地に沈む恋愛と行き過ぎた友情(あくまでも恋愛にはなりえない)。あと選ばれた優越感とか拒絶される屈辱とか。重い。痛い。
まどマギではないのにこんなにも君の銀の庭がしっくりくる話もなかなかないわ……

政と源

荒川と隅田川に挟まれたある町を舞台にしたジジイ2人と弟子とその彼女の話。
元コバルト連載作品の短編集。で、読み始めた当初は三浦しをんが「3匹のおっさん」を書いたみたいな話だなーって思ったんだけどびっくりするほど三浦しをんだったわー。
国政と源二郎は幼馴染だ。国政は妻から別居されて一人暮らしをしている元銀行員の73歳。源二郎はつまみ簪を作っている現役の職人で徹平という元ヤンの弟子がいる。

73歳にもなって葬式に出ることも多くなった。自分が死んだらどうなるのだろうか、孤独死するかもしれないとおもっていて、暴風雨の朝にぎっくり腰になってうっかり死ぬかもしれないと弱気になった矢先に源二郎が虫の知らせだと様子を見に来ててかっけーーーヾ(:3ノシヾ)ノシ((└(:3」┌)┘))って大変転がった。
かと思えば源二郎と寄り添う花枝の話がもう本当にきれいできれいで死ぬ。169ページに詰まった壮絶にきれいな1ページな。
チャーシューヾ(:3ノシヾ)ノシ((└(:3」┌)┘))73歳同士の分かり合ってる感すごいもえる。

源次郎はずっと、愛せる相手を求めていた。町内の顔見知りや、幼なじみの国政では、決して埋められないものを心に抱えて。
花枝と結婚して、源二郎はようやく安らげたのだろう。でも、いまは?
いまは、一人だ。心底から家族を欲していた源二郎も、なにかを激烈に欲することを知らぬまま家族を得た国政も。

(P242〜P243)

ランチのアッコちゃん

あまからカルテットを想定してたらあれよりはるかにライトだった。
三智子はひょんなことからアッコ女史こと黒川部長にお弁当を作りその代わりに黒川部長行きつけのランチを食べに外に行くという。短編で、全部アッコ女史と三智子の話かといえばそうでもなく共通して「寄り添う話」ではあるんだけど、ポトフの話をずっと読みたかった。
ゆとりのビアガーデンはタイトルで「ゆったりしたビアガーデンでの一幕」とおもいきやゆとりってそっちのゆとりなの!?ってなった。

斯くして歌姫はかたる (ビーズログ文庫)

読んだ後は黄昏色の詠使いみたいだって思ったけどビズログだったら花狩りのロゼがあるんじゃねーの。

歌で自然を操り魔物から人々を守る楽師(カンタンテ)の中でも誉れ高い「歌姫」「次期最高司祭(プティ・エトワール)」と称号を持つエルネスティーヌは、事件に巻き込まれ収束するまで楽師養成の聖フィディール楽院に身を隠すことになった。

目立たないようにとは言われている。しかしプティエトワールとしての生活と才能と、事件の後遺症として残された非常に音痴な歌声で、入学試験でやたらと注目を集めかつ優秀な成績を収めてしまい有名になってしまっている。そんなテーマソング:アゲハ蝶1

身分を隠しての学園生活、突然の魔物の襲撃、そりの合わない堅物優等生
そんな感じです。ビズログです。

  1. ポルノグラフィティ []

池魚の殃 鬼籍通覧 (講談社ノベルス)

鬼籍通覧5年ぶりの新刊。何か随分と様変わりしてしました……。
でも中身は一緒です。解剖して飯食う人々があって謎があって、解決します。
今回は「ミステリだと思ったらホラーだったよ!?」展開ではありません。
鬼籍通覧は壺中の天が最強にこわくておもしろいって思うんだけどあれはホラーだもんな。

いきなり崇が拉致られて真っ暗な空間で目を覚ますと言うシーンからはじまるのでなんだこれはと思う暗闇劇。最初から割と医学用語がぽぽぽぽーんだった。たんこぶって言わないで皮下血腫っていうみたいな。かと思えばアスピルが出てきたりする。まあ分からなかったら分からないでなんとかなるものだと思います。

相変わらず筧君がいいやつです。大型犬です。

解剖シーンは軽いノリで胴体から下ないよみたいなあるんですけど、あーこの唐突に大変なご遺体出てくる感じ懐かしいって思った。次はいつ読めるかなーーー。

デュラララ!!SH (電撃文庫)

デュラ第1部完の少しだけ未来。
来良学園も新入生を迎えた。その中には秋田から上京した三頭池八尋もいた。恐怖に敏感で臆病だった少年は、降りかかる敵意を退けるために目を狙うことも顔面を蹴り続けることも抵抗はなかった。自己防衛のための鍛錬もかかさなかった。化物と呼ばれ育った少年は池袋の数々の都市伝説の話を耳にして憧れ進学を決意する。

首無しライダーに憧れたものは皆失踪するという事件が池袋で頻発していた。

八尋が個人的に雨霧八雲と同じ箱に入ったよ! 実際シズちゃんと喧嘩して初めて負けたわ俺なんか普通だわって言ってたかと思ったらシズちゃんからダウンとかいろいろ奪ってんよ。YABEEE。第1部キャラは「リンクされた別作品のキャラクター」程度の影を落とす程度かと思ったら割とがっつり出てくるのな。シズちゃんの昔は探偵になりたいと思っていたのかわいさよ。幽と探偵ごっこでもしたのかと思った。
あとセルティ可愛い(定型文)
世代交代感はあるけど正しくシリーズ1巻だなあと思いました。

狩兎町ハロウィンナイト 陽気な吸血鬼と機械仕掛けの怪物 (ビーズログ文庫)

博多豚骨ラーメンズと2賞同時受賞したやつ。
ビズログだけど恋愛ものじゃない。そもそもメインに女子不在で、かといってニアホモ枠じゃなくて、アドベンチャー枠1
だいたいサブタイトルで説明している系なんですが、吸血鬼に狙われた少年陽太と自称ダークヒーローの陽気な吸血鬼(よいやつ)
博多豚骨ラーメンズと比較すると視点は固定されていて、こっちのほうがライト。
殺人あり、命も狙われる、でも吸血鬼のブラッドさんのキャラもあってか暗くはない。
でも面白いのはどっち? って聞かれたら私は博多豚骨ラーメンズのほうがいいよって言う気がする。この辺は純粋に好みの問題だな。どっちも現代が舞台で、ちょっとありえない要素が入ってる2

  1. そんなのない []
  2. 殺人鬼とか吸血鬼とか []

カーマリー地方教会特務課の事件簿 (1) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

ふるーーーい、しかしとても有名だったオンライン小説が書籍化されて戻ってきました。
ソードアートオンラインがオンライン小説だった頃と同じ時代を生きていたはずです。

レストラニクス聖教国神教会騎士団の若き騎士ジークフリート、あみだくじに負けて東方教区随一の殉職率を誇るカーマリーへ異動を言い渡される。カーマリーは不死の魔物・悪魔がやたらと発生しやすい土地で、死体がふらふら出歩いていたとしても驚かないような土地だ。

なんか耽美ーな表紙ですが性別は特に選びません。というかぽにきゃんブックス自体がよくわからないレーベルなのでとりあえず置いていた場所から判断して少年向けカテゴリに放り込みますが、どうなのか? とりあえずさっき引き合いに出したSAOですが、こっちは宗教周りの設定が割とがっつりあります。最初は割とコメディですが、ページ開いた時の字面がみっちりしてて黒いのと「殉職率No1」を誇るカーマリーを舞台にしてますのでヘビーな展開も含まれます。まあでもグロくはないので大丈夫です。

昔読んだよ好きだったよという人は記憶を思い起こしながら読むとよいかと思われます。

カーマリー地方教会特務課の事件簿 (2) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

続刊は5月3日発売1

  1. 祝日なので前倒しだな! []

本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫)

宮木あや子目当てで買ったら中田永一1がいたよ!
本がテーマのアンソロジーです。本といっても登場人物は作家とか創作とかそういう方向が多い。

中田永一「メアリー・スーを殺して」は2次創作小説を書いてるときだけは幸せだというもっさい女子が「小説は上手いけどメアリー・スーがいるのがいただけない」と言われて自分の中の中2心を滅するためにリアリティを身に付けよう小説のキャラがするようなこと(料理の描写のために料理教室に通う、コンタクトをしてみる、作中の人物が艶やかな髪をしているから自分もそうなるように手入れを学んでやってみる)やってみようそしてそれらを維持しよう、という。
これ昨日タイムラインで見た、と思いながら読んだ2

宮木あや子「校閲ガール」はこれ柚木麻子のやつでみたーーーってちょっとおもった。
ファッション雑誌の編集部に行きたかったが配属されたのは校閲さん。
せめて希望の場所にいけるように今の仕事をまっとうしようとする。

初見だけどっていう作家では沢木まひろと朱野帰子が面白かった。

  1. =乙一 []
  2. 好きなキャラのためにダイエットして見違えるようになった、という番組をやっていたようだった []
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