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ヤエトは「過去を視る力」をもつ帝国の史官(歴史の編纂が本来の仕事だが初期としての技能を求められることが多い)で、36歳になってようやく働きすぎは嫌われると知ったところ。禄分は仕事をするけどそれ以上はしたくない。できれば隠居のようにして暮らしたい、が北嶺の民に頭を悩まされ新たに赴任した皇女の副官に任命され病弱な体をおして中間管理職がんばる。
こう書くとすごくコメディ寄りの話のようですが世界観重視系の硬めのファンタジーです。
序章と1章が繋がってないのが最初分からなくて、これは未来にこうなるよって言う話なのか過去こうだった人がこうなったよっていう話なのか!とおもってた。
なので最初はよく分からない話でしたが加速的に超面白くなりました。下巻のほうが好きでして!
ヤエト皇女以外にひとりえらぶならジェイサルドが好きで!
「そなたは、わたしを信じておらぬ。それでも、わたしはそなたを裏切らぬ。すくなくともこのことでだけは、絶対に」
(上巻 P202)
「隠居の愉しみなど、若い者に昔のことを話して聞かせるくらいですからね。正統派隠居としてはこれを逃すわけには参りません」
「……正統派名のるには、若過ぎやしませんか。実年齢でもですが、見た目も」
「見目より心です。心構えが、隠居なのです。正統派が駄目なら、本格派隠居でも結構です」(下巻 P48)
短編集の最終巻は連作形式。
カンパニーから斡旋を受けて、吸血鬼の女性「月匠ゴーバン」の血統に連なるエリーゼ・フォルクマイセルがミミコの元へやってきた。同じ頃、造園師カール・マイヤー氏の吸血による死亡が確認された。犯人と思われる人物の目撃証言はどう見てもエリーゼを指していた。
こっちがシリアス寄りだったのでCHRONICLEはすごくコミカルでした。怒れるアリス・涙目の男衆。
あと冒頭のカーサがヴィクトリカだ!とか思った。退屈で死にそうだとかいってるだけなのに。
私の関心はメーテル帽よりそっちのほうだった。
もう大丈夫。自分がいなくなったあとも、月は輝き続けるだろう。
(P250)
「ならばどうせよと!? 私は悟りました! 始祖とはやはり、神霊にも喩え得るべき恐るべき存在なのです。我が君は偉大な方ですが、いまは怒りのあまり荒御霊と化しておられるのです。ならばせめて我が身を捧げ、荒ぶる御心をお鎮め奉るのみ! 畏み畏み、アーメン、アッラー、南無阿弥陀仏!」
(P301?P302)
大崎梢「書店日常の謎ミステリ」の新しい主役は小さな出版社の新人営業井辻くんでした。
配達赤ずきんよりこっちのほうが書店密着な気がする……とかおもった。
カバー折り返し部分の「井辻くんが編集部には行きたくないわけ」は1話であっさり明かされるのでそこはメインではないです。
平台がおまちかね
5年前に出版した翻訳作品が小さな本屋で良く売れている。
品切れになってもおそらく重版がかかることはないぐらいの売り上げしかないその本が何故そんなにプッシュされているのか。井辻が営業に行くと手作りイベント台を作成した店長に冷たくあしらわれたのは何故か
マドンナの憂鬱な朝
複数の出版社営業マンのマドンナ書店員が消沈して棚を作りかえるといったのは何故か
贈呈式で会いましょう
宝力宝賞でデビューする新人にあてて井辻が受け取った老人からの伝言の真意とは
絵本の神さま
東北地方に出張営業する井辻のもとにあらわれた「潰れた書店とその前に立ち尽くす男」の謎とは
ときめきのポップスター
営業マンと書店が共催することになった「ポップスターコンテスト」で平台の上を動きまわる本の謎。誰が何のために動かしているのか
収録作品の一行内容を(平台がおまちかねだけ複数行だけど)
一番好きなのはときめきのポップスター。
文庫を出している出版社営業マン限定、自社本から1冊、他社本から1冊選んでポップを書いて売り上げを競う。競うのは他社文庫本のほうで自社本のほうは参加の駄賃のようなもの。埋もれた本に重点が置かれるので「放っておいても売れる作品」にはペナルティがつく。
みんなが忘れているような本を紹介し、本屋に活気を与え、すぐれた販促効果を出し売り上げに貢献する。その度合いがもっとも高かった営業マンをチャンピオンとし、その栄誉をたたえ翌月一ヶ月間はチャンピオン所属出版社が平台を埋め尽くす。そんなコンテストに井辻君とゆかいな仲間たちは参加することになった。
ポップコンテストに登場するのは実在の本です。ポップの内容も読めます。読みたい本が増えました。ワーオ。
「ひつじくん」と呼ばれいちいち毎回「井辻ですけど」っていってるところにときめいた。
とりあえず「死の蔵書」「幻の特装本」が気になってしょうがないのです。
「おお、いいところに来た。みっちゃん、今度この本の続編が出るんだよ」
「えー、また泣かす気? 女に泣かされ、本に泣かされ、干からびそうだ」
「泣かすよりいい。うんと泣かされなさい」(P50)
今を遡ること云年前、まだ学生だった頃にはやきさんが探してるっていうから運タロか真タロかをブクオフでげっと→どんと送りつけた思い出。それがおそらくファーストコンタクトだったのですが読まずに育ち、ついったーの運タロ部を見つつ、春なせいか最近はそんなエサで俺様がクマー!率が上がってきました。うっかり図書館で検索したら真タロが微妙に蔵書されていることに気付き、県立は運タロ真タロティーパーティがごそっと揃っているのでした。(で先日チャリ超こいで借りてきました。
新聞部のライコは部活の先輩(引退済)の片桐先輩の提案で、立ち入り禁止地域の資料館の捜索をすることになる。その最中に入り込んだ真っ暗な隠し部屋でライコは紙のようなものを破ってしまった。それが<魔法使い>を封印していたもの。ライコの元にはタロットカードが舞い込み不思議な出来事に巻き込まれることになった。
1冊目は確かにちょっと古い少女小説です。
きゃーきゃーいってるしハートマークと太字が飛んでるし改行も多めでした。
松田聖子とか出てたので時代だなーとおもうなど。虫がわさわさしてたり<恋人たち>がでたところで1巻終了。続きが気になったのでがさがさと借りてきました。
黎明の使者団海を行く。
客船<海の泡>号に乗り込んだシーカ一行はシーカの元婚約者に遭遇する!
船員とか客とかがばたばたする!
今回は使者団より船員乗組員のキャラが濃かったな、とかおもうなど。
「万が一なしくずしに解散にでもなったら、あのケチな<ミトラーダ>がのこりの分をすなおに払ってくれると思ってるんですか? 甘いです! メープルシロップよりも甘いです! お金が惜しくてこんなことを言ってるわけじゃありませんよ、ぼくはいち会計のプライドにかけて! このままうやむやにされるのはどうしてもガマンがならないのですっ!」
(P114)
「あのひとはばかで、秘密主義で、ひとを怒らせる天才です。そして他人の尻を触りまくる変態だ」
正確には、シーカが執着しているのはハルセイデスの尻であるが。
「それでもこいつらには慕われているんです。その意味を考えてみていただきたい」(P192)
イギリススキーなのでとてもおいしかったです。
(国としてのイギリスが好きなのではなく魔術サイドでイギリス方面の登場人物がすきなのである。
イギリスへ向かう当麻とインデックス(あとスフィンクス)。超早い飛行機は回避してエジンバラ行きの飛行機に乗ったはいいもののハイジャックに遭遇(前半)イギリス内乱に巻き込まれる(後半)以下続く!
退場したかと思ったキャラがすごく出ていた。
ちらっとだけで姫神小萌先生スティル
ストーリーに絡んで来るレベルでオリアナアニェーゼローラ戦う神裂10万3千冊のインデックス
しかし神裂はすごくヤムチャポジションでした……
「距離は二〇〇〇メートル前後。速度は時速五〇キロ。方角を鑑みるに、どうやら山を迂回するため、ドーバーを経由してカンタベリーを目指しているようです」
(P341)
ありえんところでめっちゃ笑った。
「Britania暦627年『Canterburyの戦い』 Persifal騎士団長率いる第四騎士団,Doverより上陸した帝国軍第一陣を迎え討ち Canterbury平原にて開戦」がすごくよぎったのだ。
続き早く出るといいな。
本日、サービスデーのあらすじ印象がとても強かったので連作短編と思ってました。
ちなみに事前に想像していたあらすじというのは「『今日は神さまから与えられたあなたの人生で最良の1日です。』そう言われてぼくは(わたしは)その日の過ごし方を模索する×大体4人か5人分の話」というものだった。
実際は独立している、ちょっといい話系(明日からまた頑張るぞ!的な)の短編集。5作入ってる。
サービスデーは「サービスデー管理課 次席主任 第2級天使 ガブリエル」という響きがとてもツボだった。禁書を読んだ後にこれを読んだので……
びっくりしたのは「あおぞら怪談」でした。
何がびっくりしたって「妖怪アパートトリビュート るり子の話」なんかこれは?っていうぐらい似ていたのだ。
友人日下部が借りてるおんぼろアパート(月1万。広くて駅前のアパートから歩いて10分だった)には幽霊が出るという話を聞き、僕はそのアパートに行き不思議なものを見た。
手だけの幽霊だ。マニキュアもしている。日下部は手に普通に話しかけている。手はるり子と言うそうだ。(名前については筆談で聞いたそうだ。名前以外に本人に繋がるものをは教えてもらえなかったが味付けから察するに北方の人間のようだ)最初はびっくりしたが炊事掃除洗濯(主にアイロン)など家事をしてもらえるので、日下部は誰かに話すこともなく逃げ出すことも当然テレビ局に電話することもなく一緒に暮らしている。
コミカルな話だった。
東京しあわせクラブは収録作の中では唯一のダーク系。というか悪趣味系?
とりあえずそんな初朱川湊人。いまわくらば日記を積んでいるので早めに読みたい(気概だけは!
それから日下部さんと手首の奇妙な生活が始まった。
毎日掃除してもらえるのは当然として、たとえば適当な野菜や肉を買って冷蔵庫に入れておき、わざと一時間ほど外出すると、きちんと料理されてテーブルの上に並べられるようになった。比較的濃い目の味付けなので、どうやら手首の持ち主は北国の出身ではないかと思える。(P208)