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ぽろぽろドール

誘惑に負けて図書館で借りてしまいました。
借りて10日間ぐらいは表紙で満足してた。

えろい。えろいっつーか淫靡。
人形に魅せられた狂気と紙一重だったり、人形が救いとか手助けとかの人たちの短編。
「手のひらの中のやわらかな星」とかに出てきた「lico」なんですがこれブライスかなあ?
ニュースの特集でやってた「大人のための着せ替え人形」でしか知らなくて、今公式見てる。

licoの特徴

なにしろこの人形はせいぜい5頭身しかない。かなりデフォルメされた体型をしているし、目もやたらと大きい。リカちゃんやバービーと身長は変わらないが、頭がとても重そうだ。マンガの中から出てきたようなつくりになっている。手足はばかみたいに細く、とても自分の力で立てそうにない。(48p)

「手のひらのやわらかな星」の咲子はそのまま冬馬と友達になることはなかったと思いたい。冬馬踏み台にして別方向に歩き出してたらいいなあと思う。友達ではなかったけどきっかけとなった人ポジションでひとつ。

「めざめる五月」よりも「ぽろぽろドール」のほうがえろいのは上だと思う。22?23ページの辺り。
つか「めざめる五月」はどことなく加納朋子/コッペリアだ……

「サナギのままで」は製糸工場・女工とかから産業革命?野麦峠?大正時代?とか思ってて戦争は第一次か日露かその辺と思ったけど英霊とかは何か第二次っぽい雰囲気。
豊島ミホでこんな時代がかった話はちょっと新鮮だと思った。

「きみのいない夜には」は一番予想外の展開をし、予想外の終わり方をした。
これが狂気度一番高いかなあ? でもこれが一番好きだ。

「僕が人形と眠るまで」はタイトル見た時点でラストは死亡エンドかなと思った。ラストはどっちなんだろう。世界が好きだったとか過去形で、走馬灯っぽいし、

これ読んだらコッペリア再読したくなった。同じく人形に恋をした人の話。

コッペリア (講談社文庫)

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「人形」がメインになってる小説なんかあるかなあとか思ったら妙にRoman漫画版が読みたくなったのでUJ公式へ(注意:音楽が鳴ります)
さあ往っておいでとえいえんの冬に抱かれて眠る私の子だけでやばい。
音楽つきだったら多分死んでる……

書店繁盛記

去年どこかの新聞でインタビュー記事を見かけたので借りてきてみた。
ジュンク堂で働く人の、書店現場からの声。
「若い書店員へ」のところは読んだ覚えがあるんだけどどこで見たんだろう。
ポプラビーチでは読んでないし、この本を立ち読みしたという覚えもない。
となるとどこかの新聞系で引用されてたか、ぐらいなんですが。

私の「本」整理術

この手の本はついつい手に取ってしまう。そんなものあるはずがないのに!
1人4ページ、49人の本との戦いぶりを披露している。
結構古い本で(94年製)書いている人はほぼ知らない人ばかりだ。終戦後とか定年とか研修室とかが割と出てくるので大分高年齢の人だったり大学の先生が多そうだ。

音楽を紹介するという仕事柄、資料を山のようにあります。毎日キノコのように床から生え育ってくる感じです。それをあっちに動かしたり、こっちに下ろしたり、資料の養育係というか、お仕えして暮らしている感じです。効率よくお仕えするためには、ずぼらを返上して自称「整理の鬼」と化さざるをえません (P128)

「本好きの人生は蝸牛と一緒だ。本を抱えて重みにつぶされ動けなくなる」と父が言った。本は魔物。業である。 (P163)

ハンプティ・ダンプティは塀の中 (ミステリ・フロンティア)

「日常の謎」ただし学校の日常ではなく、会社の日常ではなく、留置所の日常。
連作短編なのですが2話と4話が好きだな。ついで1話。
登場人物の名前が何故か皆カタカナなので(日本人ですが)それが読みにくかったかな。
面白かったけど好みからはちょっと外れる感じ。

片耳うさぎ

配達赤ずきんの人の別シリーズ。
題材は凄い好みなんですがあんまり楽しめなかった。

関東北部。とある村。
小学生の奈津は親の会社が倒産して父方の実家に身を寄せることになった。
父の実家は資産家で、近隣の子どもからはお化け屋敷と言われるほどのでかい家。

父は職探しのため家に寄り付かない。母は手術の付き添いのため週末まで帰らない。
今週は大きな家でただ1人。(味方は、という意味で。同居人はたくさん)
色々あって中学生のさゆり(蔵波屋敷に興味津々)が泊まりに来ることになった。

屋敷探検ツアーである最初80ページぐらいはわくわくしたんですが(隠し階段!屋根裏!屋敷見取り図!)それ以降は全く引っかかるところがなく、ここいい!というシーンもなく終わってしまった。

エバーグリーン

豊島ミホという人は「青春挫折した人の話」だとか「どこにでもいる普通の人の青春話」がめちゃくちゃうまい。エバーグリーンは今まで読んだどれよりも青すぎて(檸檬のころよりも!)死にそうになった。でもこれ好きだー

雪深い田舎の中学校の2人。
俺は他とは違うんだぜとミュージシャンになることを夢見るシン
違うどこかに行きたいけどそんなもの脳内以外のどこにもないという漫画家になりたいアヤコ
いろんな意味で清く正しい中学生の2人は卒業式の帰りに「10年後、またこのあぜ道で会おう」と約束する。

というリアル思春期がぎゅっと詰まったような濃い60ページ少々で始まる。
メインはそれから「約束の日」が近づく9年10ヵ月後の話だ。
片方は夢をかなえた。約束の日を待ち望んでいる。
片方は何者にもなれず、もがきながら日々を過ごす。

とにかく直球で青春の話。とてもきらきらした話。

しかし

視界をシャットアウトして、耳を澄ます。とりあえず自分の脈の音が聞こえる。その背後に、教室じゅうを満たすどうってことない会話の山。でも俺は、ラジオのチューニングのように、その会話の山から情報を拾おうとしている。
「アヤー」
女子の声でその名前が呼ばれる度、俺はうっかり顔を上げてしまいそうになった。肩に力を入れてそれを抑え、ただ聞き取るのに専念する。
「ねー、アヤはやっぱりロック×セリス派だよねー」

(P13)

そこまで生々しく中学生でなくてもいいと思います
私はロック×ティナ派です(゚д゚)ここ読んでてうっかり禁断の10代の扉が開くところであった。

ランドセルしょって。

「小学校の時のあるある」1ページネタが延々と載っている本で、絵本っぽいので買ってなかった本が図書館であったので。

私が通っていた小学校はこの辺りでは一番大きな小学校だったので(1学年150人程度)遊び文化は多彩だった。セーブの概念のあるケイドロがあったり、おはじきの代わりに消しゴムを使ってどんどんルールが複雑化したり、後から考えたらえぐいなっていう遊びがまかり通ってたり。

6年生の時はキーボードがうちのクラスだけ何でかあったので休み時間にDQマーチとか弾く女の子いたなあ。

複雑化:他の消しゴムを弾いて机から落としたほうが勝ち(最初)
→消しゴム巨大化(300円の合格とか根性とか書いてあるやつ)→消しゴム改造(よく滑るように押しピン埋め込んだり)→大人数対応のため普通の机から給食用の大きい机に→攻撃のターンと防御のターンができる

そんな我が小学校の3大悪は万引き・ケンカ・用事ないのに校区外に出ることでした。
多分あの時は「校区外」じゃなくて「コークガイ」だった。

インシテミル

モッテカレター
凄いどきどきしたぜ……面白かった……
「とりあえず館に人を放り込んでみます」とかどっかで見た覚えがあったのでインシテミル=inしてみると思ったら英題:THE INCITE MILL
incite:刺激[扇動,激励]する
mill: 製粉場; 製粉機, 粉砕器; ひき臼(うす); 製造工場;

私はミステリ好きではあるけど、推理する側ではなく(こいつ怪しい?とかはあるけど)古い作品・海外作品はほとんど読んでいない。新本格以降がメインだけどそれでも「おお、ミステリミステリしてる」と思うには十分すぎるほどのはじまりだった。
というか最初のあの見取り図に魂を刈り取られて、いやいやまだ買っても読めないと戻したのに次の日買いに行く。そして次の日読了。

インディアン人形にうおおと思う。1人ずつ消えていくのかと思った。

最初の夜の、読んでいる側までそこにいるような緊張感と監獄のちょっとないぐらいの(監獄なのに!)まったり感の落差が凄い。
444ページのナイフとかなんとかはなんだろう。誰を殺しに行くんだ?

内容的に感想が書きにくいな。

桜庭一樹読書日記—少年になり、本を買うのだ。

合間合間の時間にちょろちょろ2回目。今回は「読んでみたい本をリストアップ」しつつもりもり。

ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)

なんだこれは!!!!と叫ぶぐらい素晴らしい。
読んでる間中、心が10歳だった。新刊のはずなのに超懐かしい。これがノスタルジーというやつか!とか思った。それぐらい私がリアル小学生の時にがつがつ読みふけった本と雰囲気が似ている。
方言を脳内で訳して、これって北九州でも通じるのかなあと思いつつ(「ようけ」は私もよく使う)
ギザ10て今流通してるのかな。

もう終わったなと思ったらもうひとつ現実でひっくり返るようなことがあったのでびびった。さすがだ。

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