短編集。
たぶん南太平洋の島が舞台なんだろうけど、今の関心ごとが南米であることもあり1私の中ではコンキスタドール到来のアステカあたりで再生される。紫焔樹の島とか特にねえ。
「紫焔樹の島」と「夜の果樹園」が好きだな。その次が「十字路のピンクの廟」
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短編集。
たぶん南太平洋の島が舞台なんだろうけど、今の関心ごとが南米であることもあり1私の中ではコンキスタドール到来のアステカあたりで再生される。紫焔樹の島とか特にねえ。
「紫焔樹の島」と「夜の果樹園」が好きだな。その次が「十字路のピンクの廟」
「心中」をテーマにした短編集。最初の話がいきなり青木ヶ原樹海で死ぬに死ねかったおっさんの話からはじまるので黒っぽい話が多いのかなと思ったら救いのある話が多かった。
光かと思ったらきみはポラリスだった。救いがある話もあるとはいえ全体的な雰囲気としては薄暗い。光が指すかそのまま沈んでいくかは話次第。
ほかのひとが「心中がテーマの短編集だしました」っていうなら多分「えっ」って思うんだけど、
まあしをんさん文楽好きだしね。文楽と心中は切っても切り離せない存在だからねと普通に納得した。
好きなのは祖母の初盆にやってきた不思議な男の話「初盆の客」
私は子供のときから夜毎に不思議な夢を見る。江戸時代、私は愛する夫とともに暮らしている「君は夜」
丘の上の高校に通う地味派に類する私・亜利沙と派手グループの頭目初音とある先輩の死。その顛末「炎」
SINKも好きだな。この永遠に埋まらない虚感はよい。
なんだか“文学少女”見習いの、初戀。を思い出す。
文芸誌1で電撃文庫やってみましたよていう感じが。
電撃文庫っていう指定なのは表紙が既に漫画調なんですが各章扉もこんな感じです。
なんか電撃のカラーページっぽい。
年がら年中お祭り騒ぎみたいな大学の部活で、神様のメモ帳〈4〉のNEET探偵団2を皆男にした感じ。工学部なので主に18歳?21歳男子ばかりです。ラブコメ要素はなくはないですが、今回は刺身のつまです。
しかし有川浩既刊の中でも類を見ない軽さというか、ハイテンションなんて領域は既に通り越しているというか、阪急電車往路のえっちゃんの彼氏の話がずっと続いているような。
学祭の話が2部構成になっているのがとてもおいしい文化祭すきー。
あのラストのあの見開きは非常にGJであるとおもいます。
(現実の)男子中学生は殺伐としているのに男子高校生になるとお前らカップルかっていうぐらい急にイチャイチャしだしますね。微笑ましいぐらいキャッキャウフフしてますね。あんな感じです。
確かキケンは有川さんの旦那さんの話をベースにしているとかで、ある程度は小説になるように誇張されているとはいえすごい大学生時代を送った人もいるものだなあと。
キケン発売辺りに新井素子さんと対談していたのですが、それがいまネット上でも読めます。
僕・中学生の隼太と歯科医で義父の優ちゃん、時々お母さんの話。
いきなり隼太が優ちゃんに殴られているシーンからはじまる。
優ちゃんは通常時は優しいお父さんなのにキレると手がつけられない人なのだ。お母さんはこのことを知らない。優ちゃんはこのことを話してしまって一刻も早くこの家を出るべきだと思っている。でも隼太はそれを許さなかった。本当なら病院に通うなり出て行くなりするべきなんだろうけど嫌がり「暴力を振るうだけふるって逃げるのは卑怯だよ」と解決方法を模索する。
学校に行ってお母さんが夜働いているスナックへいって喋ったり、優ちゃんと心理学の本を読んでみたり絵本を読んでみたりカルシウムをとる料理をつくって食べてみたりする。時々嵐が起こるけど平穏に日々は続いていく。
闘病生活を頑張る夫婦のように、虐待する側される側が手を取り合って、しかも虐待されてる側がイニシアチブをとって解決方法が模索するのとか非現実的と思うけど最初からそういう雰囲気なんだしアリだ! と思うんだけど最後はどうしてそうなった!感が半端ない。
あの対応は間違ってないとは思う。間違ってはないけどすべてが終わったような流れであの展開はひどくしょんぼり。嫌な言い方だけど、「男同士傷つけ傷つきあいつつ支えあって頑張っていたのに女が首突っ込んで駄目にした」としか思えないんですよ。「お母さんをないがしろにしてた」のは事実ですが「これ最初からずっと父と息子の物語だったのに」って思うので。
児童相談所に通報されるとかお母さんがいる場で優ちゃんがキレるとかそういうのだったらしょうがないと思うんだけど。あのまま何事もなかったかのように幸せになってもよかったのに隼太はまた理不尽な暴力にさらされて終わるなんてあんまりだ。
でも現実はそんなもの? 釈然としません。
短編集。ホラー要素も時々まじるすこしふしぎな物語。
H大学1学生部奨学係にはアルバイトを斡旋する女性職員がいる。
彼女はふらりとあらわれた学生に対して「あなたは行くべきよ。断らないでね」と言いバイトをさせるのだ。
好きなのは「アタエル」。いや読みながら超怖かったんですが1個選べといわれたら多分これを選ぶ。
ただ「犬に餌をやるだけの簡単なお仕事です。ただし噂ではものすごい凶暴犬」なんですが、想像力をかきたてられる類の怖さ。
ふだんは「あなたは行くべきよ」という結城さんが「本当ならあなたは行くべきではない」という。
凍った謎の肉に張り付いた一筋の黒い毛 とか どう見ても内臓 とか。
いやいや下手したら高口殺されるんじゃないかと思った。
そんな初の乾ルカ作品でした。まだデビューしてまだそんなに間がない感じでとりあえず他の本も読んでみる。
台所風呂トイレ共同の共同生活度の高いあるアパートでの話。語り手が1話ごとに変更する短編集。
爽やか! っていう感じとか青春! みたいな方向ではないです。
真綿荘にはそれなりにややこしい事情を抱えた面倒くさい感じのひとたちしか住んでません。
「真綿荘の恋人たち」の結末はどうしてそうなった! っていう感じなんだがそれがよいハッピーエンドなのだろう。逆から辿る私の男っぽい。あと椿と八重子は百合だと思う。
すぐに呼吸が苦しくなるほどに鼻が詰まって、いそいで数枚の紙ナプキンを引き出して顔を覆いながら、自分でもびっくりするほど溢れて止まらないものに揺さぶられて、嗚咽が、吐き気のように込み上げました。
愛されないことを受け入れるのは、いったんあきらめてしまえば、たやすかった。だけど、こんなにも長い間、持ち続けていた悪い夢が色褪せていくなんて、想像もしていなかった。(P237)
ちょっと前の「青春と読書」で嶽本野ばら×宮木あや子対談で気になってたんだけど、この前ふと出会ったので読んだ。現物はもっときれいなピンクなんだけど書影はなんでこんなにくすんだ汚い感じのピンクなのか。
タイトルどおり14歳の2人、片方はロリータ少女仲葦さんと昭和ガキ大将藤森君の遠距離恋愛の、すごく王道で平凡なはなし。
舞台は名古屋です。わたしがはじめて名古屋に降り立ったころの名古屋を思い出してきゅんきゅんしました。生活創庫にあるゴスロリブランドの店とか。スガキヤとか。パッセ8Fの星野書店とかナナちゃんとか。まだゴスロリバイブルはなくてケラだけだったとかジュディマリ・TSUNAMIひゃっふー。
遠距離恋愛をすることにした2人が決めた合う方法とか本当にふつうの14歳らしい必死っぷりなんだよ。
14歳ってなんでもできそうな万能感とどこへも行けない不自由感を併せ持ってる不思議な年だなあと思う。かつて14だった私はどうだったかというとばっかじゃねえのっていう中2っぽい万能感はやっぱりあったなあと思う。
よく、嫉妬や計算があるうちはまだ愛に辿り着いていなくって、その人が存在するということだけで幸せを感じられるなら、それが愛だとか、報われなくとも与えることだけで満足、無償の域に達した時愛の本質が解るだとかいうけれど、本当にそうなのかなぁと疑問に感じます。10代で本当の恋愛なぞ出来るものか、ましてや中学生で恋だなんて、かりそめあったとしてもそれは恋に似たあどけない稚拙なものだと往々にしていわれるけれど、ならば一体、何処からをちゃんとした恋愛としていいのか。私にはその境界が観えません。
(P78)
街でも公衆電話自体を見掛けなくなりましたが、通話時間が残り少なくなると鳴るブーという無情な音、仕方なく10円を追加するとガシャンと落ちるコインの音は切なくて、時々、まだ夢に出てきます。
(P132)
読む順番間違えた。これが全四冊のうちの最終巻で、書下ろしは高等部への受験とかそんな感じの。
でもおそろしく記憶ははっきりしていた。10代の記憶って凄い。
収録されているのは「お嬢さまと無礼者」「お嬢さま大戦」そして書き下ろし「受験戦争と平和」
あとがきで本編では明かされなかった裏設定・裏話が公開されていました。
世間ではライトノベル作家が一般小説のジャンルに移行することはステップアップとみなされるようですが、実は私はライトノベル界を卒業したのではなく、放逐されたのです。私がライトノベルを棄てたのではなく、ライトノベルが私を棄てたのです。
よって今回のお嬢さまシリーズ復刊で、私は非常に救われた気持ちになり、また、新作短編4本を執筆するチャンスをいただいたことは、ささやかな再チャレンジであり、リベンジでもありました。(あとがき P360)
これが印象に残る。
書影では黒っぽくなっているところが金色できらきらします。
短編です。ぞわっとする感じのホラーです。びびりがうっかり夜に読むとあばばばばばばばとなります1
どれも怖いんですが大工の話「俺と彼らと彼女たち」でちょっと救われた気がした。こわい。
でも好きなのはびびった2話「私は風の音に耳を澄ます」「俺と彼らと彼女たち」「奴らは夜に這ってくる」
「夜を這うもの」でニャル子をおもいだす。
ちょっと前にルルル文庫の新人作品に悪役令嬢ヴィクトリアという作品がありました。
買おうかなーとぺらっとしてみたところ最初の5ページ読んでみたらびっくりするほどお嬢さまシリーズ。
そらもう記憶の水底から高笑いしながら舞い上がってくる麗花お嬢さま。懐かしくなって10年ぶりぐらいに再読しました。今はなき学研レモン文庫で出た森奈津子デビュー作品でその新装版です。ありがとうエンターブレイン。
1冊で3巻分が収録されています。どんな感じの話かというと私立花園学園中等部が舞台で。
あたくしの名前は、綾小路麗花。
人はあたくしを「お嬢さま」と呼ぶ。
なぜなら、あたくしのトレードマークはたてロールの髪型にピンクのリボン。
そして身にまとうは、フリルぴらぴら、レースひらひらのお嬢様ワンピース。(お嬢さま帝国 P285)
こういう女の子が主人公です。「ツンデレ」ということばがない時代のツンデレです。
子どもの時に読んだバレエ漫画のいじわるお嬢さまに感銘を受けて悪役お嬢さまを目指した中学3年生です。笑う時は当然「ホーホホホホホ」とかって笑います。
わたし麗花お嬢さまが可愛いと思ったことが一番「俺も年取るわけだぜ……」というぐらいの衝撃。
「眼鏡を外したら美人」のメイド(というか侍女)系女子。学園のアイドル的イケメン。変人系1のイケメン。
「眼鏡を外したら可愛い系。女装超似合う。ラノベキャラでいうと生徒会シリーズの中目黒」の男子。
91年作品である。時代先取りしすぎた。
お杉さま最強です。この本ではまだ出てないけど「3歩下がって師の尻なでる」は私の中で燦然と輝く名言。「ぼくのことはイクラちゃんとお呼びください!」も死ぬかと思ったけど
「だ、だれだっ! さっさと出てこいっ!」
「愛らしく戦いたい! 『サザエさん』がつづくかぎり! 千年幼児イクラちゃんだ!」(P372)
殺されるかと思った。どんだけイクラちゃん好きやねん。
時代を感じるぜええと思ったのは「トレンディ」とか「モーションをかける」「スケ番」「ぶりっ子」という単語ですね。公衆電話もポケベルもまだ生きています。
書き下ろしも一編収録されています。めっちゃおもろかった。
手持ちの新装版は2冊ですが友達に文庫版も借りているのでごりごり読みます。
やっぱり、たまには大切に思っていることを態度に示してあげようかしら。
だって……本当に大切にしてあげたいんですもの。
「大切にしなくちゃいけない」とか「大切にしたほうがいい」とかいう理由じゃなくて、ただ、あたくし、拓人のこと「大切にしてあげたい」って思っているだけ。
それが理由よ。
ふんっ。
誰にも文句はいわせなくってよ。(P258)