カテゴリー「 児童書 」の記事
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これ将来は絶対ピュアフルで刊行されるなという感じの1冊。そんなYA作品。
SKET DANCEとか俺妹とか古典部とか連想した。
倉沢チナツ高校1年、入学早々食中毒で欠席→登校したころには既に出来上がっている人間関係。
いつの間にか「ひとりでいるのが好きな人」扱いされて立派なぼっちが出来上がりました。
昼ご飯をひとり中庭で食べていると優等生風の男子が通り、やたらと気遣い上手のマスノ君という彼は「ぼっちなう」のチナツを非公認サークルのひとり部長1が寄り集まった教室の紹介フライヤーを渡しました。
チナツが行った教室にいたのは全部で3人、チナツをここに誘ったマスノ君(探偵部部長/いけばな雪宝流次期家元) 西園寺さん(第二演劇部) 田尻君(戦士部) あとパソコンから参加の通称スカイプさん(架空生命体という設定)
マスノ君は出歩いては噂を集めて気になった事柄に首を突っ込む。千反田っぽい子なんですよ。
いや西園寺さんと田尻君が俺妹の黒猫を割ったようなキャラでな!
西園寺さんはプライドが高い子で素直じゃない感じで、反りが合わなくて演劇部は退部になる。
田尻君は覇王丸豹牙っていう名前の魔剣の化身設定の邪気眼君。脳内彼女もいます。
「ずっとあたしのターン!」とかちょうわらった。おもしろかったー。
- つまりぼっち部 [↩]
ゲーム「怪人は夢に舞う」が完成。創也と内人はテストプレイに栗井栄太を誘う。
裏表紙が笑いを誘う。そのセンスはどうなのか。
内人の脳内キャラなのにナオコさんがいいキャラになってきた。
今回のゲームは「自分の映らない鏡」を見つけるのが勝利条件なんですが、「何故自分の姿が映らないのか」
の謎の内人の推理が実にクラインの壷でありクリス・クロスだった。
確かにあれもリアルRPGなんだけどな!
そしてなんというアカシックレコード! 11章以降の面白さは個人的にすごくやばかった。
自転車レースのシーンとかもすごく好きだ。童心は大事。
はやみねかおるの作品も全部地続きなんだなあと読書メーターの感想を見て思った。
さすがに
この世界にはソムノスフォビアという病気が存在する。
発病すると異常に眠ることを恐れ、脳炎高熱嘔吐その他様々な症状を起こし遅くても2ヶ月以内に死に至る。
致死率100%のその病は世界をパニックに陥れた。やがて直接唾液の触れ合うキスで感染することが判明し、現在はほとんどの国で唇をあわせるキスは違法行為として禁じられている。
全寮制の学園、純潔を尊ぶリセ・アルピュスではひとりの女生徒の死が波紋を呼んでいる。
彼女の死はあの病によるものだと。織絵が死んだ謎をめぐり美詩は学園を走ることになる。
織絵と美詩の関係がやばい。あの死の真相・ラストシーンはすげえ! と思いました。
美詩は恩田陸「麦の海に沈む果実」の理瀬っぽいよな。色んな意味で。
唇と唇が触れあえば、どんな気持ちになるのか知りたくなる。目を見交わすよりも情熱的で、手を繋ぐよりもきっとぞくぞくして、セックスほど即物的ではない感覚。
(P98)
さりさんから釣り針がなんか垂らされたので……
上巻というか序盤はぶっちゃけそんなにそんなにかなあ? という感じだったんですが下巻で転がり落ちた。
双方に揺れ動きとかすれ違いラブにガラガラガッターンとなった。
もう潮時ですね∩゚∀゚)!!!
雰囲気的にはCノベの系譜ですね。児童書レーベルですがよいものだ。
各種お酒(日本酒ビール焼酎泡盛ワイン)の歴史・作り方(白黒ながら写真付)・酒造りに携わる人にインタビュー。児童書コーナーにあったので内容は簡単な感じで、でも面白いです。
もやしもんみたいな感じだ。
ちなみにもやしもんの発売日は7/6です。
もやしもん 9—TALES OF AGRICULTURE (イブニングKC)
あれ、この絵Pixivで見たことあるぞ!1っていうのが読むきっかけでした。
2140年、人間はついに不死を手に入れた。
ロングプラスという薬を定期的に摂取することで臓器の細胞を活性化させ、死を遠くへ追いやったのだ。
人が死なない現代では新たな命というものが最早不要である。世界は人にある宣言への署名を強いた。
"子どもが欲しければ自分が永遠に生きられる権利を放棄すること"
それでも違法に産まれてくる子どもは後を絶たなかった。
いい国に生まれたとしても子ども達は収容所に集められる。そこでは名前以外なにひとつ自分のものは持てない。「勝手に世界に押しかけてきた許されざる存在には、せっけんの1つでさえも与えなくてよい」というのが基本だ。姓さえも奪われる。統一してサープラス(余計な存在)という姓になる。
懸命に働き、サープラスのうちでももっとも上位の存在アセット(一番使い物になる働き手)になろうとしていたアンナはある日ピーターと会った。サープラス・ピーター。彼はアンナの両親を知っているという。
ピーターはこんなところにいては駄目だという。サープラスはサープラスらしくしていればいいのにというアンナは徐々に変化を遂げていく。
読みながらすごくどきどきした。舞台設定の話が多いけどそういうのは好きだ。たまらない。
読書メーターのコメントを読むと、「話のオチの予想はついていた」が割といて驚く。
「○○が××なのは△△の時点で気がついていた」というのは「数多く読んで話のパターンを蓄積している」みたいな経験の有無の差なんでしょうか。海外作品はほとんど読まないのでその辺はまったく分からないんですよね。
手放しでは喜べない陰りのあるハッピーエンドのおはなしでした。
- しかもブクマに入れてあるぞ! [↩]
子ども向けでふれてみよう日本の古典その2、更級日記。
“文学少女”と美味しい噺をみてたらとても気になったので原典を1当たることにしたのだ。
更級日記は菅原孝標女の回想録で、源氏物語が読みたくって読みたくって色んな人や仏様にお願いしたりするのである。
ただひとり、几帳のかげで、だれにもじゃまをされずに、本が読めるなんて、皇后様になったようで、うれしくてたまりません。昼は、昼じゅう、夜は、目がさめているあいだじゅう、明かりのそばからはなれずに、わたくしは本を読みました。
(P63)
さきののぞみとしては、うんと御身分の高いお方で、お顔といい、お姿といい、あの『源氏物語』のひかるのきみのようなお方が、一度でもいいから、わたくしを愛してくださればいい。
(P96)
少女のときのわたくしは、あこがれや、のぞみに胸をふくらませて、このよにあるはずのないことをあるように思い込んだり、できそうもないことをきっとできると思い込んだりして、くらしていたのでございました。
(P130)
平安時代の本読みも現代の本読みも大してかわんねー。
なお“文学少女”と美味しい噺ですが基本的に「文学少女と神に臨む作家(下)」読了前提のコミカライズです。原作まったくの未読者には向かないどころかネタバレパンチの嵐なのでご注意ください。
ふだんはラノベのコミカライズには手を出さないんですが、原作をなぞった展開などではなく文学少女の今日のおやつ+主に「文学少女で日本・世界の古典を解説するよ」なところがとても気に入ったので買いました。
- 子ども向けで [↩]
男装の姫君と女装の若君の華やかな運命劇!
男は男らしく、女は女らしく。そんな常識にしばられず入れ替わって成人を迎えた異腹の兄妹。宮中にまきおこる様々な悲喜劇は、男女の生き方を現代にも鋭く問う。出版社/著者からの内容紹介
子ども向けでふれてみよう日本の古典その1。
何冊かは小学校の時図書館でマンガになってるやつとか教科書とかで読んだんですが再度読んでみようぜ、という試み。子ども向けにすると詳しい図とか解説とかが注釈として載ってくるので。
この本は基本的にすべて現代文・分かりやすさ重視のためカタカナも一か所登場した。
おそらく底本などでつけられてないのであろう「登場人物の名前」が「この本では仮にこう呼びましょう」と名付けられています。しょんぼり、と思ったのは和歌までがっつり現代語訳されていることですか。
1冊目、とりかえばや物語。
生まれもって男の格好をして育った姫がそのまま男として出仕したり、生まれもって女の子らしく育った女の子が入内したりする話です。出世したり女だけど男ということにして妻を娶ったりその妻ができちゃったり素性がばれたり色々する話です。
この本では夏雲と呼ばれる中将の君がふつうに超きもいと思ったんだけどもこれでも子ども向けということでマイルドになってるんだろうなあ。入内して宣耀伝の内待となったこの本では秋月と呼ばれる女装の若君と東宮の出会い周辺はとてもきゅんとした。
「わたくしは秘密をもつ人間なのです。でも、宮さまをいとしいと思う、しぜんな感情にさからえませんわ……わたくしがおきらい?」
「いいえ、大好きよ。」
「なら、わたくしを信じてくださいませ。あなたさまを、おいとしく思えばこそ、ですから。」(P54)
















