カテゴリー「 ライトノベル 」の記事

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ショコラの錬金術師 (コバルト文庫)

負け知らずだったイルゼがはじめて「自分より上」に出会ったのは13歳の時、錬金術師の養成機関の入学試験の時だった。相手は自分より年下のちいさな少女アニカで、イルゼは入学式のスピーチを聞いて悔しさから入学式のあとアニカに宣戦布告した。それを聞いたアニカは嬉しそうに笑った。
「万年次席のイルゼ」が揺るがないまま4年が過ぎ、学年末試験を終えた日アニカは退学届けを出して東の町ケルルへ消えた。ケルルでは非常に高価なぜいたく品であるチョコレートを安価に売るトロイメリッシュという店がある。アニカは錬金術師からチョコレート職人へと乗り換えその店に弟子入りしたらしい。イルゼはアカデミーの教官から脅されるようにしてアニカを連れ戻す旅行に出た。

帯には「甘々ラブラブ」って書いてあるんですが、恋愛に傾いてる話ではありません1専門バカとハリネズミ(※両方女の子)が衝突してみたり今まで知らなかったことを知らされたりちょっと上を向いてみたりする女の子の友情の物語だと思います。可愛らしい物語です。女の子可愛いです! 持てる者の孤独! 多少のラブハプニングはあるんですが、まあそれはあんまり多くないので。とりあえずイルゼのシスコン兄は早く登場するべきだと思います!

チョコレート職人の物語ですが、チョコレートを作っているシーンはそれなりに少なく、錬金術的なシーンが多いわけでもないので、そういうのが読みたいひとはショコラティエの勲章を読めばいいんじゃないかな!

「ねえ。不安になったりしたこととか……ないの?」
イルゼは頬の火照りをごまかすようにして呟いた。
「何が?」
「自分の目指す場所に行けるかどうか。この先チョコレート職人としてやっていけるのか」

(P109)
  1. むしろなんでこれなのか…… []

姫さま、恋愛禁止です! -花婿はお馬の王子- (B's-LOG文庫)

トゥループ国の姫アリーは「この娘の結婚は祖国を繁栄に導く。しかし恋に落ちた相手と結ばれたら死んでしまう」という託宣を受けた。それからというもの、アリーが恋に落ちないように厳重に見守られ、恋を知らずに育ち16歳になってついに結婚を迫られる年齢になった。
目の前には典礼局が選んだ絵姿が置かれている。いずれも「愛のない結婚」に同意した者である。
その中でひとつ、馬面をした絵姿があった。首から上がどう見ても馬。クレール国の第4王子リオハルトは呪いのせいで今のような姿になっているらしい。誰かと結婚しなければいけないのなら、馬の姿なら愛せないだろうとアリーはリオハルトを選んだがどっこい、アリーは式当日に出会ったリオハルトに恋に落ちてしまった。
愛せないだろうと思ってた馬なのに、恋に落ちて結ばれたら死ぬよと散々言われてきたのに。

結局のところ、結婚式が終わってもアリーは生きていた。馬だったリオハルトは呪いが解けていた。

というところからはじまるバカップルの物語。もしくはあとがきによるところの「読むとニヤニヤしてしまうお話」。
だいたいあってる! あとがき漫画とラフを見てあれっと思って帯めくったら馬がいてしぬほどわろた。
まあSはMにご奉仕する生き物だってだれかがいってたからつりあってると思う。
25歳だけど「じい」のイケメン僧侶ラディムがもギップリャーギップリャー1でよいです。

いつ死ぬんだかいまいち分からない姫と元馬の王子はお互い惹かれあって、とりあえず手をつなぐ以上のことはせず、そもそも接近してたらラディムが邪魔しにくるんですが、おかまいなくいちゃついているのである。まあ「死の託宣」以外にも問題はあるんだけどいちゃいちゃしているのである。

とにかく「バッカwwwwwwwwww」ってキャーキャー読むのがただしいと思います。
いちゃいちゃしてるんだけど、恋愛特化! じゃなくてかなり笑えるラブコメです。
作品で例えるなら有川浩作品じゃなくて竹宮ゆゆこ作品。キャラで例えるなら死神姫のカシュヴァーン様アリシア破廉恥レーダートレイスみたいな。
あと27ページのイラストはめちゃイケを思い出してすごくシュールだと思います。

「あああああっ! コラーーーーーーーーーーっ!!」
お砂糖の焦げるような甘ったるい雰囲気を感じたのか、顔を上げたラディムが跳ね起きる。
教育係に絶叫され、アリーは驚いて夫の首にしがみついた。それがラディムをさらに逆上させたのだろう。わりと美形の僧侶は両手で髪を掴むと、天も裂けよばかりに吼えた。
「だから! あんたがたは仲良くしちゃいけないんだっつっとろうぐあああっ!!」
(略)
ふてくされた子どものような声を出しながらも、リオハルトがアリーを立ち上がらせた。それでもしつこく手をつないだままなのを見て、飛びかかったラディムが、手刀で別つ。
「とう!」
「きゃっ」
「痛たたた、乱暴だなぁ、ラディムは」

(P155〜P156)
  1. 魔法陣グルグル []

目つきが悪くて姿勢が悪くて可愛げや愛想のないヤンキー面をした是光のこれまでの人生は誤解の連続だった。
高校デビューしようと名門私立に入学できたはいいものの、入学式の日に事故に遭い1ヶ月休んだ。登校した頃にはもう「ヤンキーキング」の噂が広まりきっていた。

それからしばらくして、是光は同級生の告別式に参列していた。学園の皇子と呼ばれていた帝門ヒカル、是光は登校してきた日に彼に頼みごとをされていた。頼みごとの内容を聞く前に彼は亡くなってしまったが、告別式から帰宅すると男の声がどこからともなく聞こえることに気がついた。是光にはヒカルの幽霊がとりついていた。
ヒカルの心残りを解消するために是光はヒカルに協力することにしたが、その対象「葵の上」左乙女葵は是光を不審がり、ヒカルのことを嫌いまったく話を聞こうとしない。

幽霊のくせに実にお気楽なヒカルがいいな! いくつも隠し持ってる感がな! とっかえひっかえやらかしてるのに葵だけは大事に大事に壊さないように扱っててかわええなああとおもった。
是光はヤンキーに間違われてばっかりなのと家庭事情があれなので若干ひねくれてるけど根は素直で、はじめての友達を大事にするとてもいい子だなー。

観覧車でのシーンがちょうせつないなー。しんみりする。

シスター・ブラックシープIV エデンの嘘 (角川ビーンズ文庫)

ユリエルの協力者ニコラスがコンスタンティンの生まれ故郷に向かった。赤毛の「コンスタンティン」という男の子の話を聞こうとするだろうが、ニコラスが村で聞けるのは赤毛の「コンスタンス」という女の赤ん坊が悪魔に目をつけられ村から姿を消したという話だ。ニコラスもユリエルも鈍い男ではない。「コンスタンティン」やブラックシープの正体に気づくのはもう時間の問題だ。
同じ頃、サクスでは「悪魔憑き」が続出していた。女領主グロリアからの疑いの目は依然晴れていないが、コンスタンティンは【黒い羊】として独自の捜査をしている。コンスタンティン・悪魔にはそれぞれ変化が出始めていた。

色んな点においてあーあーあーあーあーというしかない4巻。もう佳境。もう終わってしまう。はやかったなあ。
ヒースはただの臨也1ポジションじゃなかったな! エリカがもう本当に「女友達」でかんどうする。
これが自分の愛だ!

ユリエルはせっぱ詰まった声で言った。
「私は不安なのです。あなたがあの人に似ている気がして。あの人があなたのように思えて。違うと証明させてください。あなたとあの人は関係ないのだと。あの人は真実、善良な……少年なのだと。私が、」
(P136)

  1. デュラララ []

トカゲの王 1 (電撃文庫 い 9-22)

久しぶりに異能異能した物を読むよ。
8歳の春休みのとき石竜子は自分の目の色が自由に変えられることに気がついた。最初は面白がって色を次々に変え、その次は能力そのものに目をつけた。ほかに何かを力はないかと色んなことをした。でも手からエネルギー砲は出ないし幻想を壊せるわけでも無駄に運動能力が高いわけでもなかった。目の色が変わるだけだった。
石竜子は中学生になった今も、目の色をあれこれと変えながら特殊な世界に足を踏み入れ能力に覚醒することを夢見ている。

ほとんど1冊まるごとドンパチやっていた。
相変わらず何かの能力に覚醒することはない。怪我したら痛いし得体の知れないものを目にしたら吐くし、命乞いもする。奇跡の大逆転とかあんまりなかった。いい感じに狂ってる人々はいた。ガチで理不尽な暴力に対してまじ一般人が巻き込まれるので、うん。 みたいな。戦争だ。
電撃のほうの入間人間を読むのはこれがはじめてだ。

ある日、月の夜に。 ? わがままな魔女と人狼の騎士

通常の魔法士の5倍の魔力をもつ金銀の眼を持つ魔法士セレスティナと半人狼ルーファスの物語。
セレスティナが今よりずっと子供の頃にはじめて使い魔にしたのがルーファスだ。それからふたりはずっと傍に寄り添っている。
王国騎士団を率いているが、17歳になってもまるで子供のような外見を隠すために魔法でごまかしている。ある日訪れたかつての学友アストラルにまるごと魔力を奪われ、小さな炎ひとつ宿すのにも苦労する有様である。
王に許可を得、セレスは自らの魔力を取り戻す旅に出る。

セレスの傲慢な女王様ぶりと、「孤高の強者」としてそうならざるを得なかった理由がじわりじわりと語られていく過程がたまらんのよ。この契約がどこにも居場所がなかったこどもに生きる目的を与えたのだ!(ばーん!みたいな展開が非常に好きです。非常に好きです。月も太陽も手に入れたとかなーもうなー! あのへんはもうごほうびでしかない。なんだあの罵りあいに似たなにか。
主従も好きなんだけどセレスとルーファスの「お互いの大事さ」加減がもうたまらんわーたまらんわーという。

アリー/アレイスターが大変美味しい。ひとりで二度美味しい。P208・209の威力よ!

「ずっとずっと、あたしの傍にいて。一緒にいて。この先はあたしがあんたを守るから、だからあんたもあたしを守って。それが契約。あたしとあんたが交わす契約よ。……いい?」
「うん。いいよ」
少年が頷く。やはり教えた文言無視の、格式も威厳もない答え方で、でも誠実に。
「傍にいる。きみを守る。ずっと、ずっと」

(P10)

奥様は貴腐人 旦那様はボイスマイスター (講談社X文庫?ホワイトハート)

北川ゆり33歳(職業MR1) 百合野曜27歳(職業声優。仕事は少ない)
ふたりは籍は入れてないものの事実婚状態にあり、ゆりは美人で体育会系のさばさばした男前の性格で男女問わずモテる。しかも同世代の女性と比べればすこぶる稼ぐ。男ひとり猫2匹養うことなど造作ない。
ただある一点において彼女はただのリア充とは訳が違いました。奥様はBLをこよなく貴腐人だったのです。
10年ほど前に評判になったゲームがリメイクされるらしいとゆりは職場の貴腐人仲間から聞きつけた。
「真昼の淵 白月の夢」というそのゲームは珍しくバッドエンドに入ってからもいくつかルート分岐するらしい。
それの主人公2に抜擢されたのが曜であることを知り、曜の声を愛するゆりの眼は怪しく光った。
一方曜ははじめてのBL挑戦にゆりから山ほどCDを借り個人レッスンを受ける羽目になった。

ゆりと曜のレッスンだけの話ではなく3ゆりが仕事先で出会う医者との話もがっつり。
曜の収録現場での苦悩なども。その辺は結構業界モノっぽい感じが。
BLゲームの収録現場とかあるので「BLとかキモイ」っていう人は絶対読んじゃいけない本なんですけど、これすげーおもろいと思うんだ。これはWHならではだなあと思った。ゆりが曜に淡々と講義する「曜くんのあえぎ声は全然エロくない」っていうダメ出しとか、あくまで「夫婦の物語」だったりするところが。BLだったらゆりが貴腐人じゃなくて腐男子か赤井さんか、何にせよガチで最後まで行くよねっていう。
ゆりと曜のやりとりは実にいい。ゆりが男前過ぎてまじかっこいい。

バッドエンドがどれもこれもえらいときめきだった。182ページのとか実に満たされるバッドエンドだな。
相手を愛するがゆえに自分が壊れてしまうとかそういう類なんですが。超ときめきである。

私声優とかまるで詳しくない4んですが、以前トップランナーの有川浩回の公開録音で堂上役の人の演技を目の前で見たんですがほんとすごかったです。声に表情があるってすごい。

  1. 医薬品メーカーの医薬情報担当者 []
  2. つまり受けである。 []
  3. むしろそれは割りと後半 []
  4. スレイヤーズとエヴァのあたりで止まっている []

バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫)

4冊目の短編集。
どう見ても徹頭徹尾うらら得
世の中にはうららさんみたいな人が割といるんだろうか。劇場型うららさんパねえ。
というのもちょっとお前らに子作りしてもらいます(意訳)と男二人が選ばれたり、明久と雄二の出会いから7.5の美波の短編にいたる物語だったり、いろいろひどい(超褒め言葉)

土屋家訪問がよかった。あのムツ兄がよい。あと\ 吉井、坂本 アウトー! / 

幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫 み 4-1)

デビュー作。
フェルナンデス侯爵家の娘だったサアラは領地や家族をとうの昔になくし遠縁のヒルベルト家に身を寄せていた。貴族ではないものの経済的に豊かなこの家の跡取り息子と婚約し暮らしていくはずだったが、ヒルベルト家周辺を含む一帯の領主を介してコルドン伯爵への縁談が舞い込んだ。サアラは婚約を破棄し、墓守の幽霊伯爵のもとへ嫁ぐことになった。

サアラのキャラが新鮮でおもろかった。物怖じしないしたたかな悪女(超美女)系? 謙遜はしたことないしこれからもすることはない。自分の美貌は武器! とか、深夜自分の部屋に現れた幽霊にこんこんと礼節についてを説教する。

望まれない政略結婚、よそよそしい使用人、不気味な屋敷のあたりは死神姫のアリシアと通じるところがあるけど(※ただし背中合わせ程度の違いさ加減!)みたいな。サアラのほうが相当肉食系女子。プリハーのジルも混ぜればいいんではなかろうか。

帯のあれはただのツンデレっぽいけど、引用元を読むとえらいいい感じだ。125ページ付近と275ページのあたりが好きだ。あとジェイクは可愛い人でした。

アイドルになんかなりたくない! (講談社X文庫?ホワイトハート)

2巻を「2巻」と知らずに買ってしまったので1巻を買った。
人気漫画家マドモアゼル・フランソワーズ・ブルボンスイーツの脱スランプ方法は可愛い息子にコスプレ(※女装)をさせて写真を撮ることだった。内部で収まるものならまだよかったが、その写真は公式サイトの人気コンテンツとなっており、人気ナンバーワンの美少女ネットアイドルとして名前をとどろかせている。本人の意向は別として。
サイン会で女装で参加せざるを得ない雰囲気に左近に、全寮制の私立男子校で生活中の右近と入れ替わりを提案される。

せびょうしは むらさきでも いいとおもう。

男子高校生はキャッキャウフフしているものですが、こんな闘争心のない男子高校生はいないと、おもうんだ。いくら育ちのいい子だとしても。目の前のサイン会から逃げ出したかった左近はまんまと別の事案を押し付けられることになったのだ。

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