奥様は貴腐人 旦那様はボイスマイスター (講談社X文庫?ホワイトハート)

北川ゆり33歳(職業MR1) 百合野曜27歳(職業声優。仕事は少ない)
ふたりは籍は入れてないものの事実婚状態にあり、ゆりは美人で体育会系のさばさばした男前の性格で男女問わずモテる。しかも同世代の女性と比べればすこぶる稼ぐ。男ひとり猫2匹養うことなど造作ない。
ただある一点において彼女はただのリア充とは訳が違いました。奥様はBLをこよなく貴腐人だったのです。
10年ほど前に評判になったゲームがリメイクされるらしいとゆりは職場の貴腐人仲間から聞きつけた。
「真昼の淵 白月の夢」というそのゲームは珍しくバッドエンドに入ってからもいくつかルート分岐するらしい。
それの主人公2に抜擢されたのが曜であることを知り、曜の声を愛するゆりの眼は怪しく光った。
一方曜ははじめてのBL挑戦にゆりから山ほどCDを借り個人レッスンを受ける羽目になった。

ゆりと曜のレッスンだけの話ではなく3ゆりが仕事先で出会う医者との話もがっつり。
曜の収録現場での苦悩なども。その辺は結構業界モノっぽい感じが。
BLゲームの収録現場とかあるので「BLとかキモイ」っていう人は絶対読んじゃいけない本なんですけど、これすげーおもろいと思うんだ。これはWHならではだなあと思った。ゆりが曜に淡々と講義する「曜くんのあえぎ声は全然エロくない」っていうダメ出しとか、あくまで「夫婦の物語」だったりするところが。BLだったらゆりが貴腐人じゃなくて腐男子か赤井さんか、何にせよガチで最後まで行くよねっていう。
ゆりと曜のやりとりは実にいい。ゆりが男前過ぎてまじかっこいい。

バッドエンドがどれもこれもえらいときめきだった。182ページのとか実に満たされるバッドエンドだな。
相手を愛するがゆえに自分が壊れてしまうとかそういう類なんですが。超ときめきである。

私声優とかまるで詳しくない4んですが、以前トップランナーの有川浩回の公開録音で堂上役の人の演技を目の前で見たんですがほんとすごかったです。声に表情があるってすごい。

  1. 医薬品メーカーの医薬情報担当者 []
  2. つまり受けである。 []
  3. むしろそれは割りと後半 []
  4. スレイヤーズとエヴァのあたりで止まっている []