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夜の朝顔 (集英社文庫)

田舎の小学校に通うセンリ。6年間クラス替えのないクラスでの毎日。連作短編。
ちゃんと月日が流れている。最初の話は1年生だけど最後の話は6年生になる。
1年でひとつの話というわけではないし入学ではじまって卒業で終わる話でもない。

「ビニールの下の女の子」の夜の不吉さ不安さとか暗闇の得体の知れない怖さとか「ヒナを落とす」のシノのポジションとか「だって星はめぐるから」のなんで一緒にいるんだろうと思うあの感じ、なんで知ってるんだと思うぐらい懐かしい生々しい感覚がそこにある。

五月の虫歯はHERO(冷たい校舎の時は止まる)方向に走るのか砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない方向に走るのか読んでてすごくどきどきした。

初めて見る真夜中の世界は真っ暗じゃなくて少し驚いた。道沿いにぽつぽつとくすんだ街灯が並んでいて、その間の空気は青みがかかった深緑だったり、また、カラスの羽根より濃い黒をしていたりした。窓ガラスにおでこを近づけると、ひんやりとした外の空気が伝わってくる。

(P55)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

実は読んでなかったんだよ乙一デビュー作。

9歳の夏の日だった。木の上にいた五月は弥生に押されて地面に落ちて死んでしまった。弥生とその兄、健は五月の死体を隠そうと奔走する。というのが五月視点で語られる。

しかし私雰囲気もえとしては「優子」のほうが好きだ。
戦争が終わって間もないころ、鳥越家で住み込みで働くようになった清音と主人夫婦の話。

旦那様も奥様も変な方だ。清音は思う。政義も優子も自分の前ではわざと襖を開けないようにしている気がして清音はたまらなかった。自分の廊下を歩く、きゅ、きゅ、という板のこすれあう音に二人耳をすませて警戒でもしていそうで、背筋がぞくりとなった。鳥越家の長く薄暗い湿った廊下は遠くのほうや隅っこのほうに闇が溜まり、その中にたまらなく嫌な視線を感じてしまう瞬間がこの家に来て何度かあった。

(優子 P153)



ブラックジョークな短編集。13編入り。
ちなみにあらすじに書かれている文壇とか文芸賞受賞裏事情的な話は最初4つだけです。
臨界家族と線香花火が好きだ。

東京バンドワゴン (集英社文庫 し 46-1)

単行本版が平台でよく見かけていたのですが、何の根拠もなく何の疑いもなく「ギターかき鳴らしながら空色ヒッチハイカーみたいに若者が東から西へ車で旅をする話」だと思ってた私が通ります。正しくは「東京下町にある老舗古本屋『東京バンドワゴン』を舞台とする大家族モノ」でした。ミステリ風連作短編。

帯が「早くドラマにしてくださいっ!」だったけどこれは確かにNHKの土曜9時枠でやってそうだ……
マードックさんの喋りが長いと全部ひらがなだからちょっと読みにくいな。でもこの語り口は好きだ。

ショート・トリップ (集英社文庫 も 27-2)

これの文庫版きたこれ!!!
懐かしいぜ……何気にこれリアルタイム組なんだ。DIVEとかと一緒に読んでた。
何故かいしいしんじのエッセイもついてくる。

ショートショートが48編入ってます。単行本で出てた時より8編増えた。
元々は中学生新聞で連載されていたもので、タイトルの通り旅に出ている人とか
旅に出される人とかの話が多いです。

脱サラの2人・ファンタジア・Traumaが好きです。
ていうかファンタジアこのネタはやって大丈夫なんかなーと思ったけど
ミッキーマウスの憂鬱みたいな本があるからまだありなんだろうなあ。

三浦しをんは何出しても枕詞みたいに「直木賞作家」とついてくるのに
森絵都はついてこないのな。

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