トッカン—特別国税徴収官—

税金滞納者から問答無用で取立てを行う徴収官、なかでも特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。
舞台は東京国税局京橋地区税務署、言いたいことをうまく言えず「ぐ」と言い淀む鈴宮深樹とその上司である特官鏡雅愛の話である。税務署と聞いて「税務調査官 窓際太郎の事件簿」を思い出した私である。

がっつり呑み込まれた。特に3章4章。面白いんだけどなんか超刺さりました。ハリセンボンみたいになってるので誰かちょっとこれ抜いてください、という感じです。やめて私のHPはもうマイナスよ!

生きていくのって大変だ。
お金はあるに越したことはないけど怖い。

あわせて読みたい、で出てきたのは山本幸久「ある日、アヒルバス」と宮木あや子「野良女」1
colorful - ある日、アヒルバス/山本幸久
colorful - 野良女/宮木あや子

ある日、アヒルバス野良女

「安定したいんです。じゃないと、いつもぐにゃぐにゃした上にいたら、自分までぐにゃぐにゃしているように思えてくる。本当は、女として正しい道に行けたらよかったのかもしれない。もう二十五歳だし。だけどわたしはいつも詰めが甘いんです。最後の最後で結婚も失って、保険も失って、だったらわたしもうなんにも——」
いいながら、惚けた。目の前が真っ白になる。
「何にも、持ってないんだもの」

(P325)
  1. ただし下ネタを笑い飛ばせる人に限る []