悦楽の園

分厚かった……(415ページある)
複雑な家庭環境の子たちの話です。虐待とか発達障害とか不登校とかそういう方向の。
あらすじの「この“塔”を出るのよ。」の塔ってなんのことだーと思ったら「普通」のことだった。
普通っていう名前の狭い場所に入りたがって、みんな押し合いへし合い人の上に人が積み重なっても同じ範囲内でいようとしてる。積み重なってどんどん高くなって塔になる。塔のほかに世界はなくて、塔からこぼれ落ちることは許されなくて、塔から出たら死ぬと皆(親も!)思ってる。
生きていくのって大変だ。

みんなクラスの中では、それほどいじめられこそしないものの、何となく『周辺』を漂って、少人数のグループを作って凌いでいた連中だった。そういう子たちが、我を出し始めていた。恐れをなくして、独走を始めた。

(P248)

ラノサイ杯終了したばっかりなのでAURAのことをちょっと思い出した。