笑う招き猫

読み終わってから山本幸久のデビュー作だと知る。漫才コンビの女性2人の話である。
漫才コンビかつ女とすると最近は海原やすよともこがお気に入りです(゚д゚)

漫才コンビの話といっても、成功物語がメインではないし、爆笑ものではないし、夢(将来はカーネギーホール!)に向かって突進する2人の話だ。

「あたし達『アカコとヒトミ』は、漫才コンビなんだよ。そりゃ今回のようにさ、漫才やるために、テレビ出させてくれんだったら、いいわさ。でもさあ。くそつまんねえバラエティとかぬかしてる腑抜け番組に引っ張り出されてだよ、コントと称して、その場の盛り上がりだけでお茶を濁す、三流タレントの馴れ合いにつきあわされたり、レポーターとか言われて、街にほっぽりだされて、屁の突っかい棒にもなりゃしねえ情報垂れ流したりすんのは、お・こ・と・わ・り、なんですよ。あたしら二人は漫才やってナンボで行きたいんです。舞台に立って、目の前にいるお客さん笑わしていきたいんですよ。それがホントでしょ。ホントの芸人ってもんじゃないっすか。あたし達はそうおもうんですよ。ね、ヒトミ」

(P150)