ラズベリーキスで目覚めて くちづけは一度でじゅうぶん二度するな (コバルト文庫 あ 22-1)

コバルトの新人さん。
サブタイトル長いよ! と思った。タイトル長文化はこんなところにも? っておもった。
ところで初見では くちづけは一度でじゅうぶん 二度とするな と読んだのでナニゴトダヨ! って思った。

おとぎ話風のファンタジー。
高名だった魔法使いの父が亡くなり、強欲で醜い義母と意地悪な義姉に遺産を奪われラズベリーは田舎の城と追い出されることになった。虫が食った毛布に地味な着替えと使い古しの道具類を持たされ「黒イチゴ城」と呼ばれる猛毒のイチゴが生い茂るエーアトベーレ城にたどり着いた。
誰もいない城の中を歩いていると礼拝堂のような広い空間に行き当たる。階段状に高くなったところに安置されたガラスの棺があり、中には美しい青年が眠っていた。ラズベリーは父が書き残した「くちづけは一度でじゅうぶん2度するな」という手紙はこのことかと、キスをすると青年が目覚め「お待ちしておりましたお嬢さま」と微笑んだ。

悪魔のような花婿みたいな世界観でダイヤモンドスカイ(主従)で童話的な物語。かなりベタ。べたべた。
主従というか割とふつうにキャッキャウフフしている。
すごくコバルトっぽい。その「コバルトっぽい」を他の言葉で置き換えることは出来ないんだけど、「初めて読む物語なのにすごく懐かしい気がする」が「コバルトっぽい」の正体の一部だと思う。
初見では二度するな=二度目のキスは何かの封印をとくきっかけになるんだよ! と思ったらただの親ばかなんじゃねーの とラストはある意味暗転に近いものがあると思った。