死んでも推します!! ~人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします~ (Kラノベブックス f) 単行本(ソフトカバー) ? 2021/6/2
「小説家になろう!」連載作品でオンラインでは完結済、書籍化の1冊目で全3巻予定。
【書籍化】死んでも推します!!〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜
公爵令嬢セレーナは婚約者のフィニスのガチ勢だった。帝国最強の辺境の騎士団、黒狼騎士団団長のフィニスのことは肖像画でしか知らない。でも肖像画を見た瞬間天使に祝福されたような、圧倒的な「好き」の圧力の前にひれ伏した。
この感情は萌えであると、私の婚約者は圧倒的に推せる存在であると、肖像画から得られるささやかな情報から考察し、解釈し推しへの愛と推しを讃える語彙をはぐくんだ。
そして10歳だった初対面(※肖像画)から6年後、フィニスとセレーナは戴冠と婚姻のため「楽園」への移動中の夜、白い炎に包まれて命を落とした。そしてきがつけば前世の記憶を保ったまま二度目の人生が赤子からスタートしていた。
そしてセレーナは決めた。今度の生では貴婦人ではなくフィニスを守る騎士を目指す。願いはただひとつ「推しには健康で長生きしてほしい」
そうして黒狼騎士団の門をたたいた男装騎士セレーナ1 は入団試験としてフィニスとの一戦交え、同じくフィニスガチ勢のザクトと一戦交え(※料理対決)同担の友情をはぐくみ、1秒ごとに更新されるフィニスの新規映像に喜び悶え萌え気絶をしている。
基本的にコメディガン寄せである。最推しを前にして語彙力が死んでいるように見せて実はめっちゃ讃えているフィニスガチ勢(1巻では3人出てくる)は大体面白い。でもラブコメ一辺倒というわけでもなく辺境の騎士団は生還率が低く、ラブコメの気配に隠されがちだが死の気配もまた漂っている。
「そう。ザクトだけではなく、騎士団員はみな、わたしのためになら死んでもいいと思っている。わたしはそれを知っているし、いつか彼らを死地に追いやる」
(略)
「わたしの役割は、皆をうっとり死なせることだ。わたしは皆の旗印。わたしが正しく生きるのも、美しくあろうとするのも、強くあろうとするのも、何もかもが彼らの美しい死のためだ」(P172)
挿絵がいい仕事をしていて……普通に一推しなのは髪を下ろしたフィニス様なんだけど、あんな子供が書いたぬりかべか豆腐みたいな体形でいい関節をしている四番様を推さないわけにもいかない。
剣術対決・料理対決・湯煙旅情編・接待ヤキュウの1巻です。3巻はガチガチのガチで戦争するので、ラブコメ展開からのガチ戦争のギャップに振り落とされる第3部を再体験したいのであと2冊刊行されますように。
- ただの鉄の剣を振り回せる筋肉質の体で暗器も仕込んでいる [↩]
コメントは受け付けていません。