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マイナークラブハウスの恋わずらい (ポプラ文庫ピュアフル)

マイナークラブハウス番外編。といってもいつもと変わらない気はします。
Amazonの内容紹介のところには「シリーズ未読で『ちょっと試し読みしたい』という読者の方にもオススメ」ってあるけど新刊含め既刊4冊だし明らかに1巻の内容を踏まえた会話もぼこぼこあるので、試し読みがしたいならふつうに1巻マイナークラブハウスへようこそ!を薦めますよ。

業平がiPhoneユーザーですげー! と思うなど。
今回の見所はぴりかと天野清一郎の距離感とお互いをどう思っているかだと思います。
きゅうりの一人称であり桃園学園創設者再び。
私は母になるどころか嫁になる予定はこれっぽっちもないがなるとしたら徹子かーさんのようになりたい……。
ていうか電子ジャー! 炊飯器もえとはあらたな境地だった。禁書のいつぞやの「健気な洗濯機」もえを思い出す。

解説に壁井ユカコさんがいてじたばたした。
マイナークラブハウスと同じカテゴリに入ってる(と思っている)のは鳥篭荘の今日も眠たい住人たちかなあと思ってる。社会的にあまり馴染めないような、なんとかぎりぎりのところで綱渡りとかしつつ、ある人はぶっ飛んだまま暮らしている。今セルフ罠にはまって再読している……。

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉 (電撃文庫)

ドラゴンは姫のキスで目覚める (角川ビーンズ文庫)

ノリと勢いが重要だなあと思う。あとヒロインの性格もあってか雰囲気が軽い。

両親が逝去し男の跡継ぎ不在のため300年近く続いたウィルシャー男爵家はシンシアの代で断絶することとなり、さらに売り言葉に買い言葉の結果、成りあがり貴族で幼馴染みのカイルと結婚をかけて賭けをすることになる。
シンシアはすぐ近くに歴史に残る「暗黒竜」が封印されていることを知る。しかも封印したのは自分の祖先1だったという。
暗黒竜は歴史とは違い「悪の象徴」ではなかった。シンシアはクロウ=クルーウァッハと名乗る暗黒竜と契約を果たす。

要するに「少女小説で榊一郎の『ドラゴンズ・ウィル』をやってみた」ていう感じでした。

クロウ=クルーウァッハってケルトじゃねーか(゚д゚)
最初に思いついたのは阿佐ヶ谷Zippy だったので脳内ビジュアルはあのニョロニョロで固定される。

「お金大好き」「元気が取り得な感じです」というシンシアですが、男女間の機微においては実にお子様レベル。
カイルは絶対赤星くん2コースだと思う。
そしてあらすじ的にはクロウはいかにも「ヘタレです」「肉食です3」という感じだけど、実際は超純情。そういえばクロウとシンシアの出会いのシーンで、クロウから「ツンデレのテンプレ」4が飛び出したけどまるでツンデレではないです。

人間と竜の契約はそもそも竜の花嫁とイコールなんですが、「同じベッドで寝る」が文字通りの意味しかないシンシアにそんなことはわかるまいよ。
ていうかセシルの登場人物紹介に「腹黒」と書いている割にまるで腹黒エピソードがないのがいかにもビーンズくおりちー。ただのキレものやないか。

2巻は幼馴染みのターンな気がします5

  1. あとから知ったことだがどこかの姫巫女 []
  2. 麻生みこと「そこはなんとか」すごく気がある。でもそんなこと言えたもんじゃない。notツンデレ []
  3. 性的な意味で []
  4. 誤解しないでよね別に○○だから△△したわけじゃないんだからね []
  5. たぶん小さいころに結婚の約束をしているものと見た! []

ロード&ゴー

神様のカルテとかバチスタみたいな主に医療系と思ったらそうではなかった。熱い救急車の話である。

病人を搬送した帰り吐血して倒れた男性・悠木を発見する。隊長の筒井・機関員の生田・救急救命士の森の3名はただちに悠木を搬送するため救急車に収容した。森が念のため体を固定しようとしたところ悠木は叫んだ。
「動くなっ」「二人とも俺の言う事を聞け。聞かなければこいつを殺す」
長きに渡る救急車ジャックのはじまりである。

読んでてすごくハラハラする。相棒の2時間SPを見守るような気分。
救急車内の緊迫した状況、犯人とのやりとり、無線の向こうの司令官、消防無線の傍聴者1、マスコミ関係者などの視点により話は展開する。傍聴者は大筋には関わらず掲示板に集って実況したり、情報を求めてやってきた傍受はしてない人とか色々いて、ちょっと「海の底」とか「ネットワークフォックスハンティング」みたい。

映像で見たらどうなるんだろうと思ったけどこのスピード感は本ならではだ。
最初の数10ページは医療用語が多いけどそこからはもう本当に80キロで走らされる感じ。
視点変わったら多少ブレーキになるのかと思ってたけどアクセル踏みっぱなしじゃないか。
消防歌のシーンとガソリンのところまじかっこいい。

  1. 初めて知ったのだけど消防無線の傍聴は盗聴ではなくまた合法らしい。内容を話したりなどは違法だそうだが。 []

白と黒のバイレ    鳴らせ、再幕のブレリア (角川ビーンズ文庫)

最後の短編集。
ザビ掲載の二作に加えてがっつり書き下ろし。書下ろしにはリリアナとブランカの出会いとか、3巻の後の3人とか子ども達編とかも読めます。やばいっす。賞扉がなんか立体感があってとりあえず触ったりした。

ザビ分については既読。しかしあれですねセロは乙女ですね。
マリッジブルーだったり「好きな人の苗字と自分の苗字をくっつけて結婚後の名前を呟く」とかまじ乙女。なにそれかわいい。

リリアナがかっこいいのは子ども時代からでした。

子ども達編はおいしい。親となった3人にときめく。マルディシオンが寂しくないのはいいことだ。

「終幕のデクララルセ」が真・エピローグだと思います。
よい物語だった。ごちそうさまでした。

人形の館と鳥籠の姫 ダイヤモンド・スカイ (ルルル文庫)

帯の文句が「開幕」だしきっとシリーズ前提のはず。本宮さんの読みきりじゃないほう読むのはじめてだ。

17歳のディアは幼い頃から従者フォースと2人だけの世界で暮らしてきた。
2人が住む洋館には多くの《人形》が《魔術師》でもあるフォースの力によってかりそめの命を吹き込まれ、ディアの健やかな暮らしを助けた。平穏な日常は続くかと思われたがある日のこと……。

事前に「本宮の中二病要素が詰まっています」というのをみたんですが、カバー袖の登場人物紹介が既に懐かしい。
ついであとがきを読むと本宮さんが中学生の時に作った物語がベースらしい。
それはもう黒歴史的に懐かしく感じるはずです。「中学生が授業中にノートに小説書いたらこんな感じ」っていう感じが溢れてるんですよ。支離滅裂とかそういう意味でじゃなくていい意味で。
そういう意味ではただしく「女の子の中二病1」だなあと思います。

レプリカガーデンの2巻ぽいかと思ったら月の人魚姫だった。
あれだけ話動いててしかもまとまっているのに、最後まで来たら「まだまだ序章オブ序章です」ていう気になるのが凄い。

「ピレーモンとバウキス」派普通に読みたいと思った。なんかこういうのありそうだけどな。比翼連理的に。

「腐乱臭のする死体」描写があるのもすごいと思った。
あとね読み終わってからびっくりしたんだけどファンタジーかと思ったら宇宙だと……? スカーレットウィザード展開ktkrみたいな。まじびびる。あとフォースとかフィフスとかフラクタルチャイルドを思い出す。懐かしい。

続きも読みたい。

  1. はしか的なあれ []

レッド・アドミラル    潜入捜査は戦乱の幕開け (角川ビーンズ文庫 56-15)

レッドアドミラル2巻。ところで1巻が失踪しっぱなしなのですがどこに行きましたか。
読みながらは「ロディアは(女だけど)精神的にイケメンすぎる」としか言ってない気がする。
ロディアはイケメンでランセは格好いいんです。ただしかっこいい≠イケメン。
ロディアは細字で装飾系のフォントっぽいかっこよさなんだけどランセは明朝系の漢字っぽいかっこよさだと思います。
意味分からないといわれそうですがDon't think Feeeeeeeeeel!の領域。
カロルは不憫可愛い系。

思ってたより話がごろんごろんと転がった。そしてわたしも転がった。
暴動な水兵を一喝するロディアさんまじかっけーっす。ガーニムとの一戦のシーンが好きだ。
あと「お前女だったっけ」って言われてて本人さえも忘れているところで笑った。
しかしあれだなP143以降のあたりが好きなんだ。ヒャッハア。

3巻は1月刊行予定ということで、年末前倒しで12月末にはもう出ていると思われる。
なんだもう3ヶ月も待てば続き読めるんじゃないかという事実。早いなー。でも長く読めるといいなあ。

アスファルのハレムの話はエティカヤ編を思い出すぜえ……とバルアン不可を思い起こす。懐かしい。

ストーリー・セラー

Story Seller収録のストーリーセラーをSideAとしてSideBを書き下ろした一冊。
文庫のほうは未読なので不明ですが、雑誌のほうと比べるとがっつり加筆修正されてるように思います。

サラリーマンの夫と作家の妻。彼らを襲った過酷な運命。書くことを諦めなかった妻の行方など。

有川さんのインタビューとかエッセイとかかなり追いかけて読んでいたので、作中の「作家でもある妻」の言動や作家になったきっかけが有川さんそのものとだぶっていて、初読の時すごく驚きました。そのときの感想がこれです
今回は旦那との出会いのシーンも含まれていたり、さすがに2回目なのでがっつり虚構の話としていただきました1

読書メーターの感想を見て驚いたことには「それなりに多くの人はこれを泣ける話として認識していて、実際読みながら大泣きしているらしい」ということです。
個人的には「足の裏がぞわっとする理不尽ホラー+愛」の話だと思っています。「泣ける話」ではない。

あとこの作品の夫氏は「よくできた夫」すぎて、個人的には「ある日空から美少女が降ってきた」「ある日資産家の令嬢であることを知らされてイケメンにかしずかれる身分になった」と一緒のカテゴリに入れたい。
いっそ胡散臭いほどによくできすぎている。

しかし書き下ろしよりStorySeller発表の3作がまとまった1冊のほうが嬉しかったやもしれぬ。
いや単にSS3は雑誌こそ買っていても絶賛積読中なのであれなのですが……。
ヒトモドキとか最強に気持ち悪い話 (※褒め言葉)なのであれはぜひともどっかに収録して欲しいな。

  1. 有川さんの夫氏との初対面はどっちかというとレインツリーの国なんですな。オフ会が初対面でしたというようなことを講演会かトップランナーの公開収録の時に聞いた []

バカとテストと召喚獣8 (ファミ通文庫)

安心と安定の「公式という名前の最大手」クオリティ

姫路さんとわくわく同居生活スタート(爆裂攻路さん)までは想定の範囲内だったけど
アキちゃん再び→明久VS雄二→明久・雄二VSF組・C組 とか  どうしてこうなった!!!!

しかし玉野さんはまじめにうららさんじゃないのか。2次元3次元の違い以外に何が違うというのだ。
好きすぎるあまり本の中に顕現してしまうとかうららさんパねえ。

いや以前にうららさんとこんな話をしていたのだ。

まろん
@maronu
 古来ゆかしきネタとしては玩具の手錠で遊んでいたらうっかり双方の手ががっしゃーん鍵はあさっての方向へ。(2010-03-27 11:03:09) link
まろん
@maronu
 「ここなら鎖を切れるカッターが存在する……!」そして明久と雄二は屋上から技術工作室(今もうないよねそんな教室)に向かいなかったため用務員室に向かうことになる。のちほど「吉井君と坂本君は本当にデキている」という噂が流れる。(2010-03-27 11:06:27) link

何でこれがいい感じに実現しているのかいみがわからない! いみがわからない!

まろん
@maronu
 そんなあほくさいネタであっても公式でやってもおかしくないと気になるのがバカテスの恐ろしいところ。(2010-03-27 11:07:31) link

まったくだよ! 3月末の自分に全力で同意したい。

「Let's Party!」があんな後ろに影響するとはおもわなんだな。

「雄二! これは一体どういうことさ!」
「明久……! 今日という日がテメェの命日だ! 生まれてきたことを地獄で後悔しやがれ!」

(P108)

ここと手錠ガッシャーンで段々意気投合していく2人と秀吉=久保君の熱い告白のターンが好きだ。
何が言いたいかというと8巻は神展開過ぎないかということです!!!!

つか姫路さんはオープンHENTAIすぎる。くんかくんかしてる。変態という名の淑女すぎる姫路さんはともかく乙女してる姫路さんは可愛いと思います。

「Fクラス代表の坂本だ! さっさと倒して平和を手に入れるぞ!」

(P215)

うっかりこれで爆笑。紫棒はうまいことスルーしたのにゆるふわ大手総受けTLの侵食はひどい。

さらっと1行で終わったけどP156の「交換留学制度」って姫路さんとか案外留学するんじゃね とか思いました。

バカが全裸でやってくる (メディアワークス文庫)

ゴージャスをベースにしてファミリーポートレイトの後半を足した感じっぽい。
つまり自伝小説だったりどこまでが事実でどこが虚構なのか分からない感じの小説。

小説家を目指す僕は大学に入学して、コンパでぼっちなうのところを突然現れた全裸の男に絡まれた。
見た目はどう見ても変質者だけどコンパの参加者である。
僕の話でずっと続くのかというとそうではなくて語り部は1章ごとに交代する。話はゆるくリンクしている。
誰かの書いたものが誰かの光になっているというのは、いいなあ。4章は特に好きだー。
全裸が面白かったので遠巻きに眺めていた660円を買ってきました。

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3章は幽霊になった小説書きの話です。うっかり連想したのはコモリさんのけーこの話である。
幽霊だからね! 小説書いちゃってるからね! いやもうこれはしょうがない。
そんなわけでそんなコモリさんの小説が読める「バカとラノベと管理人」は現在通販絶賛受付中です。
既刊「らのさい管理人がこんなに可愛いわけない」あります。2冊とも私も参加してます。
詳細はこちらをご覧ください↓
「まいじゃー推進委員会!」「ラ管連」「ライトノベル積読会」三サークル合同で夏コミ同人誌の直販を行います。
以上宣伝でした。
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原稿零枚日記

小川洋子の対談とかエッセイは読んでたけど小説を読むのはこれがはじめてかも。
タイトルは日記だけど中身は小説です。日記調の小説です。
乙一の小生物語よりはもうちょっと小説寄りで、紺野キリフキのキリハラキリコよりはもうちょっと現実寄り。
日記の書き手は小説家で「小説を読んであらすじを語る」のが上手で、長編の執筆に悩んでいる。
ようやく3枚ほど書いたかと思えば次の日にはそれを棄てる。毎回の日記の締めは(原稿零枚)
母の見舞いへ行き、運動会に侵入し、パーティに参加し、取材に出向き、毎回締めは(原稿零枚)なのである。

「どうもありがとうございました」
形だけお辞儀をして、編集者は部屋を出て行った。
いいか、お前の話を聞きたがっている人間などこの世に一人もいないのだ。付け上がるんじゃない。
取材の後必ず自分に言い聞かせる戒めを、今日も高らかに唱える。

(P33)
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