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中学校の図書室が主な舞台で、教室に居場所がない子とかが図書室に集まってくるという。
いじめを受けている子もいれば同じキャラを推していた友達が3次元の彼氏に目覚めて「そんなの気持ち悪い」と引かれたり読書感想文についてだったり。昔はそういえばこうだったなという感じで、野村美月の文学少女シリーズと小説の神様をすごい勢いで混ぜたみたいな連作短編だった。
まるで保健室登校みたいな図書室だった。

1年ぐらい積んでた気がする。2巻がいわゆる「悪夢の2020年4月刊1」だったと思う。これはシリーズものの1巻。

警察学校を卒業した麻生瞬が配属されたのは警察の花形捜査一課……の地下2階の書庫に存在する2人しかいない係「特殊能力係」。ここには上司の徳永と瞬の2人しか存在しない。地下で2人のみだからといって閑職というわけではない。むしろ瞬の能力を買われこの部署へ呼ばれた。ここは未解決の事件、逃亡中の犯人逮捕のための「特殊能力班」だ。別に異能集団ではない。瞬の能力というのは「人の顔を覚えて忘れないこと」、しかも子供の時からずっと。自分はそのことを「普通」だと思って疑っていない。
瞬はその力を存分に発揮して配属初日から金星をあげた。

刑事ものといっても非常にライトな物語でルートは1本道。事件が起こるのも物語の中盤以降。非常に読みやすくバディものの軽い読み物を読みたい人にはオススメで、「刑事もの」という単語で想像される相棒だったり特捜9だったりに近いものを求めている人にはあんまりオススメしない。

  1. 都内の大型書店は緊急事態宣言で閉店していた []

推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。

推しとの別れを想像するとき、あたしはここにいる人たちとの別れも一緒に考える。推しで繋がったから、押しがいなくなればばらけていくしかない。
成美みたいに途中で別のジャンルに移っていく人もいるけど、あたしは推しがいなくなったときに新しく別の推しを見つけられるとは思えなかった。未来永劫、あたしの推しは上野真幸だけだった。

推しを推すとき、あたしというすべてを懸けてのめり込むとき、一方的であるけれどあたしはいつになく満ち足りている。

去年ものすごく話題になった芥川賞。
普段なら直木賞はともかく芥川賞を手に取ることはまずないんですが、今回は「推し」「炎上」「アイドル」と、凄く近い世界が描かれていたので読むことにしました。

作中は男女混合アイドルグループ(CD封入投票券による人気投票で歌割りや立ち位置が変わり、接触イベントもある。メディアへの露出はかなり多そう)を推している女子高生が主人公。
「推しを推す」生活を全く知らないと異文化交流すぎて分かりにくい本になりそうだけど、現場、インスタライブに祭壇もあるし、「作中SNSのコメント」はtwitterやyoutubeのコメント欄やはてブロやnoteにありそうですごく生々しい。

全体としては淡々としている。でも「推しに対する解釈を深めて推し解像度をあげている女子高生」の解像度がかなり高く色彩も鮮やかだ。分かりやすくいうと「こういうオタクいる」
わたしのTwitterのタイムラインには湿度の高い推し方をするオタクが複数いるのでそれに比べればずいぶんと乾燥している。でも重いか軽いかでいうと大分重い方のファンだ。

あかりの同担である自分を想像したところ、わたしは後半のインスタライブと記者会見を見て担降りエントリを書いて現場が終わった後公開されるように予約投稿しますね。
面白い/面白くないという判断はできないけど、推し活に身を浸している人間としては衝撃的な本でした。

金星特急の続編だ。続編だからといって「これまでのあらすじ」があるわけではない。ものすごくおすすめなので本編7冊・外伝1冊・それから本編から続編への橋渡しとなる番外編1冊合計10冊をぜひお読みいただきたい。電子書籍もあります。
だからといって本編読了済み続編未読の人がこれを読むことになると思うとそれはそれで感想が書きにくい。ネタバレへの配慮ではない。読んで「ファーーーwwwwwwww」ってひっくり返る要素はできるだけ残しておきたい。そのぐらいすごいのだ。なんせ小説ウィングス本誌組である1私でさえ1冊読んでひっくり返った。
こう書くと「面白さへのハードル」が上がるんだろうか。でも金星特急が面白かった人は続編も面白く読めると思う。

面白く終わった小説で、数年後突然始まった続編が同じように面白いというのは本当にすごいと思う。
「世界を旅する空気感」や「異国での食」の雰囲気は引き続き流れているんだ。主人公は錆丸から錆丸の娘・桜へ受け継がれた。桜はゆえあって女しかいない絶海の孤島で育ったので、サバイバル能力はあるが文明のある世界での振る舞いかたを一切知らない。島から連れ出した砂鉄・三月と桜のやり取りよ。夏草の話をする時の三月が本当に胸が締め付けられる(※死んでない)

2巻の発売が待てない方はどうぞこちらを読んでほしい。

春号は多分5月10日発売……。

  1. すでに2巻収録分まで読んでいる []

呪術廻船の15巻を読んだんですよ。わたしは今は本誌で読んでるんですけど渋谷事変一部読んでなくて、それがこの巻とかなんですが、本誌でまったく消息知れなかったあの子、出てこないのかなーって言ってたあの子、15巻の冒頭で死んだ……。

よりにもよって職場でその話を読みましてな(15巻の1話目なので)お、おうとしか言えない感じでした。

読みながら「シゲ小説うまくなったなあ」と友達か親戚みたいなことを思った。
わたしが最初に加藤シゲアキ作品はうたプリ2次に使える資料はないかと、図書館で「アイドル」と雑に検索した時にひっかかったのが当時の最新作閃光スクランブルの単行本で1、あれもオルタネートと同じ群像劇なんだけど格段に表現の幅とかリーダビリティとかあがってんなあと思いました。

今作はオルタネートという高校生限定マッチングアプリを利用した、都内のとある幼〜大まで敷地内にある一貫校での物語。オルタネートは写真貼付済生徒手帳という個人認証が必要で入学〜卒業までしか使えない実名アプリで不審者が入り込みにくい環境になっている。指定条件で検索も可能で例えば同じ高校で恋人が作りたい、同じ趣味を持つ人とつながりたい、憧れの先輩とつながりたいとかそういう用途にも使える。LGBTにも対応しているのが今時だなーと思った。噂に聞くTinderみたいだなと思う一方で高校生限定という響きに古のウェブサイト「まりもチャット」2を思い出した。

群像劇というてもメインとなる人物は決まっていて3年生でコンテスト型配信番組に出たい調理部の蓉(いるる)、オルタネートに自分のすべてという餌を与えて自分と最大限マッチする人間と出会いたいオルタネートガチ勢凪津、高校中退でオルタネートを使えない尚志。
高校生だしマッチングアプリだし恋愛要素もあるし文化祭みたいな青春ど真ん中要素あるしたまんねえなあという1冊。
今まではどれか1冊って言われたらBurn推してたんだけどこれからはオルタネートを推していくわ。

このエントリを書くためにAmazonの既刊を見ていたけどめちゃくちゃ売り切れ多いのな。ピングレ以外の文庫は軒並み在庫切れだしチュベローズも実質上巻は売り切れだったし。

  1. 確かこの年は露出が少ない年で、この後アイドル加藤シゲアキを知りました []
  2. わたしがインターネットを始めたころに行きつけのサイトのリンクにあったサイト。中学生限定を謳っていたが特に年齢を求められるものはなかったしそこを制限する技術もなかったと思う。分かった人はいい年なので我と握手 []

推しの子 (ジャンプ+)

芸能界ものの週刊連載です。
地方の総合病院で産婦人科医をやっているゴローはドルオタだ。アイと出会ったのは今と同じように病室でサボっていた頃、患児が熱をあげていたアイドルがアイだった。その患児は12歳で亡くなった。生きていれば今頃アイと同じ16歳だった。

ゴローの患者として来院したのはまさにそのアイドルのアイでだった。彼女は双子を妊娠しており、アイドル業も双子のシングルマザーになることも決めていた。ゴローは彼女を守り無事産ませることを決めたが、何者かに殺され、気がつけば記憶を保ったままアイの子供として転生した。双子の片割れ、女児のほうもアイを推していたドルオタが前世の記憶を保ったまま転生していた。

今死ねばアイドルの子供として転生できる、それを地で行く1話です。

一時期はアイがアイドルとして駆け上がっていく展開であり、赤子が前世の記憶と能力を保持したまま走る動く喋るスマホでママ(推し)のアンチとレスバトルをする展開だ。アイドルママと、ドルオタが推しの子供として転生した子役コメディとして進んでいくのかと思えば、「あっ!?」「えっ」と驚きの展開を繰り返し成長した「推し(アイ)の子ども」である双子、アクア(男)とルビー(女)の物語となる。

華やかな世界にたえず存在する悪意や作意や感情の揺れ幅を丁寧に描いている。つい最近大問題になったテラスハウスの件を明確に想起させる物語もあり、あっという間に1話から現在公開中の最新話(先週更新分)の30話までのめり込んで読んでしまった。
日常と事件と予想外の展開と結末とさらなる展開への入り口と、徐々にスケールアップしながら想像を裏切ってくれるテンポの良さが小気味よい。とてもおすすめです。

ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にしたオカルトミステリー2巻。

社交界で知らないものはいない心霊マニア、実際に幽霊も見える彼についた通り名は「幽霊男爵」エリオット。
物語は彼の10代のころから始まる。生きた人と幽霊の区別がつきにくく疲れたエリオット少年が休憩場所に選んだ場所は墓地だった。幽霊になるような人間はまともに弔われなかった人が多く、墓地のような「ちゃんと埋葬された人しかない」場所には意外と幽霊が少ないものだった。その中で出会った彼女(幽霊)は棺ごと動かしベルを鳴らしていた。今回社交界で聴いた「ベルを鳴らす幽霊」のように。
幽霊の正体とは、なぜ彼女はベルを鳴らしていたのか。

でも好きなのは2話で。「最新式魔法による殺人
車椅子に載せられ両手両足を拘束された人が出てきたり、黒幕らしい黒幕が登場する。
イギリス舞台ならモリアーティみたいな人が出てほしいものと思っていたけどいい感じのあれです。

残りの2話は異形が出るしクリスマスだ。よいものをよんだ。

わたしが朝ドラを見始めたのは最早いつか思い出せないぐらいのヘビーユーザーでだいたい1日2回、多い時では3回見ているのです。その中でエールは
・初の男主人公
・しかもそれが推し
・緊急事態宣言によりそれまで放送していたものの再放送が始まる
・前期朝ドラは8月合わせでがっつり戦争描写が含まれるが今回はそれがもんのすごかった(インパール作戦)
・放送期間は実に4月〜11月とわたしが見てきた朝ドラの中では最も放送期間が長い

そんな条件下でロスるなというのが無理過ぎんかね。紅白でミニコーナーやってくれたら成仏できるだろうか。

そんなさなかに買ったこの本はすごい。9割窪田くんを追ったエール内の写真集だけど、オフショットが含まれる、つまり演者がフェイスシールドなりマスクなりを装着しているカットの多さよ。数年後に「ああそういえばこの時は大変だったな」と思えていたらいいなあ。

ZIPや鉄腕DASHのダッシュ海岸でおなじみの日テレ桝アナの著書。
海の生き物の話がメインかと思いきや大半はちょうちょである。卒論こそ海関係だがそれまでは蝶々を追いかける生活だったようだ。これは10代向けの新書として書かれているためか主に小中高のあたりにスポットが当てられている。
実は小説を読みふけっていたこともあるとか文系科目が得意だったのに理系受験を選んだので苦労した話とか書かれている。面白かった。

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