カテゴリー「 読了 」の記事

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何も持たず存在するということ

エッセイ。
新聞とかあっちこっちから収録されている。最古のものは5年前。
直木賞受賞の言葉とかも載っている。

食べたことのないものを口にして、おいしい、とびっくりするときと、うへえ、慣れなさ故に顔をしかめるときとある。本も全くおんなじで、思えば二十代の私は、なんでも口に入れ、合うものと合わないものを捜していたような気がする。それはつまり自分自身を知ることでもあった。みんながおいしいと口をそろえるものでも、私にはおいしくないことがある。誰も好んでは食べないゲテの域のものでも、食べずにはいられないものがある。ひどく個人的その嗜好を知っていくことは、自分自身と出会うことと同義なのだ。

(P157)

失恋竜と契約の花嫁 (ビーズログ文庫 わ 1-4)

ラノベで1冊完結の話はかなり珍しいんじゃないかと思いました。
魔法学校を追い出されて家に帰ったスウェナとドラゴンのメリル(今わけあって人間の姿で固定中)の割とベタなラブストーリー。

さらっと朝チュンだったのでびっくりした。日本の慎み深い文化の一つですよ!

ちなみに裏表紙にあるほど「命を懸けた恋物語」ではないので、それに反応して読もうと思う人は注意が必要だ!

熱烈文楽

これはいい入門本。
文楽の歴史からどんな感じのことをやってるのか、どんな話をやっているのか。伝統のあれだから古臭かったりするんじゃないかとかそういったことが解決されてる感じ。

「太夫さんが何を言ってるんだか、わからない……」
のは困ったものだ。同じ日本人なのに日本語が分からないとは何ごとぞ。そう思うから、ますます恥ずかしいし、悔しい。太夫さんゴメンナサイという気分になる。
現代人なら誰もが陥りがちな、この「義太夫節の壁」を突破するには、いったいどうすればいいのか? そこで本書では思い切った提案をしたい。
「義太夫節は外国語の音楽だと思って聴きましょう」

(P136)

私この前聞いた文楽(大阪で発達した人形浄瑠璃を特に文楽と呼ぶとあった)はかなり聞き取れてました。ちなみに阿波人形浄瑠璃、あれは本当に聞き取れません。3割ぐらいしか内容は理解してない。

ちなみに文楽の入門は
あやつられ文楽鑑賞仏果を得ず
この辺もオススメです。でも本当なら一度見に行くのがいいと思います。
大阪なら6月の文楽教室とか夏にやってる子供向け文楽とか。

天啓のパルティア 月の姫巫女が予言する (ビーズログ文庫 ま 1-1)

ビーズログの新人さん。皇太子と予言の姫巫女の話。
メインの二人が二人とも年齢の割にしっかりしすぎてるような気がしますがそれは置いておきます。
なかなかこの話はツボいかもしれませんよ。主にパルティアが。「あなたのことは私が守る」といって実際に突っ走っていくようなキャラが私の好みなのです。ラストは某作品(←ネタバレのための伏せ)のアヴィセンナを思い出したりしつつ。ええ。
とりあえず来月の新刊も買います。

ただ問題なのはパルティアの口調ですよ。いや作品は関係ない、私の中での問題なんですが、この前再開したPBWに突っ込んだキャラと方向性が似てるので影響されるな私ーーーと叫んでいるところである。

酒井駒子小さな世界 (Pooka+)

画集のような本。中には仕事履歴があり、絵本にもなっており、インタビューも入ってます。
ちょーきゅんきゅんする。

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

この表紙の意味がようやく分かった私です。何回も読んでるくせに遅いな!
狩野とかコウちゃんが見た月の写真っぽいの(下巻)とそれの昼バージョン。
レディ・マディとハロー・レイチェルみたいなあれだ。
ところでコウちゃんが好きすぎる件について。

『派手な事件を起こして、死んでしまわなければ、声を届けてはもらえませんか。生きているだけでは、ニュースになりませんか。何も問題が起こらないこと、今日も学校に行けることが「平和」だったり「幸福」であるのなら、私は死んだりせずに問題が起こっていない今の幸せがとても嬉しい。
(中略)
お願いです。だから知ってください。コウちゃんの本は人を殺したりしません。』

上巻P201

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

買う予定は全くなかったんですが、ついったーでセキララ!!みたいな黒歴史系の痛々しい邪気眼な青春を送った方にという感じのを見て、買わないと!と思った次第。

PBWプレイヤーとしてはこういうの凄く好きなんだよな……(ネタとしては。本物様とは絶対同じ場所にはいたくない

神曲奏界ポリフォニカ リライアンス・ブラック 神曲奏界ポリフォニカシリーズ (GA文庫 お 2-14)

シェリカとマティア(の葛藤)の1冊でした。
前々巻のラストで起きたマティアのあれこれには今回は触れられずじまいでした。(それを聞きにきていたレオンは超スルーされてた。吹いた)
今回の動機はかなりアレだったなあ。シェリカとマティアがメインぶんどりすぎたのか犯人側の描写もかなりスルーされていたように思った。

復讐プランナー (14歳の世渡り術)

14歳の世渡り術シリーズ今回のテーマは「いじめ対処法」
……なんですがなんとも微妙です。一応小説の形式なんですが、起承で終わってます。
とあるきっかけでいじめにあうようになり、同じ図書委員の子に「酷い目にあわされたなら仕返しがしたいだろう。ノートに復讐方法を思いつく限り全部書くんだ」「向こうがこっちを脅してくるならこっちも向こうの弱みを探すんだ」と言われひとつひとつ実行に移していく。

妄想の中のフルボッコが現実フルボッコに変わることはなく、かといって「復讐なんて虚しいことはやめようぜ」なんてことにもならず、あとがきを見る限りでは続刊が出そう感じもなく、中途半端です。
とても14歳な本だった。

図書館の水脈 (ダ・ヴィンチ・ブックス)

本が作る縁の話。もしくは「海辺のカフカ」@村上春樹ツアーをする3人の話。私は村上春樹は未読なんですが、これを読み終わった後本屋にいって「新潮夏の100冊 本店オススメNo1は海辺のカフカ」とか見てしまいうっかり買いそうになりました。
大歩危小歩危とか鳴門とか地元がどこどこ出てきたのでびっくりしました。
「地元が出てくる小説」というのはめったに見ないのでそれだけでも甘くなるものです。いや地元といっても鳴門も大歩危も私のホームではありませんが。

 ナズナの方からワタルに教えたことといえば、もっぱら本のことだった。
 子どもの時から読書好きだったナズナは、一人の作家を好きになると全ての著作を読まないと気が済まない。自分と会うまでは村上春樹も読んだことのなかったようなワタルには、読ませてやりたい本が山ほどあった。
 ワタルと会う時には、何冊もの文庫本を持っていくのが習慣になった。それを貸しておくと、ワタルは次に会うときまでにはみんな読んできてくれる。電話やメールでその本について語り合うのが毎日の楽しみになっていった。

(P87)
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