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コバルトの1冊完結。政略結婚で悲恋ものです。
方向的には片恋トライアングル 1 の最後に載ってた読みきりが近いかも。
大国セテミアから属国カジャクタルに嫁ぐことになったイレナ。
カジャクタルはセテミアからは船で2週間の南国の島国で、結婚相手となるのは第3王子のアルジュナ。
お互いに急に湧いた望まない結婚だった。
イレナのほうが男前でした。男前というか腹が据わっているというか。
一番ほしいものは手に入らない、王族の務めを果たすと覚悟が決まってる辺り。
なので「男子たるもの潔くあるべし」みたいな人にはおすすめしません。
練習含めて暁の花嫁のところが好き。ていうかダンスが出てくる小説は私好きな傾向にあるなー。
ヌサ・インダーは実在する花とあとがきで見たのでぐぐってみた。表紙の花よりヘンドリックのリボンの色のほうが似ている。バリ島関係がよく引っかかってきたから舞台のモデルはバリ島あたりなのかな。
<ネタバレ>
ルーディを側室にすればいいんじゃねとか一瞬思った。妾を持つこと自体は第2王子の存在からしても大丈夫だと思うんだけどそれやったら話が成り立たないから!って思った。
</ネタバレ>
「王族というのは食べものにも着る服にも、住む家にも困らない。黙っていても皆がかしずく。わたしたちは民の恩恵の上に生きているんだ。だから王族は彼らが安心して豊かに暮らせる国を築いていかなければならない。そのために犠牲になることを、拒んではならないんだ」
(P136)
書評とか日記とかで見て、あらすじを見てこれは買わんとあかん本ちゃうんかと思い立ち。
これはよかったです(*´∀`)桜蘭高校ホスト部からイケメンホスト成分を差っ引いた感じ。
大学付属で中高一貫校である桃季学園。山がまるまるひとつ敷地の金持ちの子どもが多く集まる学園である。学園で青春な小説です。主に舞台となるのはこんなところです。
学内の奇人・変人・はみ出しものばかりが寄り集まった、桃季学園の辺境地帯。並み居る先輩たちも一緒に入った新入生たちも、みんなもう青春、捨てちゃってるんじゃないかってぇくらい、誰ひとりとしてマトモではない(僕以外)。
弱小文化部ばかりが部室を置く、桃園学園事務棟、桃園学園。別名、マイナークラブハウス。(P133)
桃季学園は部活も盛んなのだが、部活として認められるのは5人以上。5人以上いれば部費と冷暖房完備の部室がついてくる。5人未満の非公式の部活が寄り集まってできたのが通称マイナークラブハウスなのだ。
1話ごとに語り手が変わる。女子生徒へ男子生徒へ。またある生徒の保護者へ。
主人公はだれっていうのは具体的には出てこないんだけど、私は誰の視点にも出てきて謎を振りまいていくきゅうりの子「ぴりか」だとおもう。
ちなみに私とても好きなのは天野君とぴりかである。天野君はあの喋りが好きなのである。
「……いずれにせよ、腹立たしい。畑荒らしは、人類が農耕を営むようになって以来の、太古からの罪だ。人は、育てる者と盗む者に分かれる。獣であれば致し方ないが、盗むものに対して、僕は容赦ない。」
(P162)
というか3話は全体的にとても好きだ。かえるがいっぱいのあれとか。
2話の葬列ハーメルンご一行についていくところも好きだ。一言で言うならぴりか可愛いよぴりか
5話で畠山家(主にぴりか)が謎を振りまいていったので続刊がとても気になる。
「やっぱなー!! 俺、あの手の男はムッツリーニだと思ってたわけよ。」
(P146)
バカテスを思い出した。
深川を舞台にした短編集。
「九つの、物語」がとても好きだったので、それと比べてしまうのもあるけど、こちらは微妙だーと思った。
印象に残る話少なかったなあ。好きなのは「永代橋」「亥之堀橋」「まつぼっくり橋」
SHライブ(ミラコンのとき)に、事前にジブリレイアウト展を見に行ったのですがそれの会場がちらちら出てくる現代美術館でした。清澄白河から現代美術館までのんびり徒歩。現代美術館こちらなんて札があちこちにあったので方向音痴的にとても助かりました。
「東京駅まで車で10分程度なのに地方都市みたいなところがある」とかそんな感じの描写があったと思うんですが、その通りだよ!と思いました。商店街歩きながら、自分の普段の環境とあんまり離れてないので歩いててもホッとしました。
最初はカフェ・コッペリアの人々がメインな連作短編かと思えば普通に短編集だった。
どれもよかったけどあえて選ぶならモモコの日記と笑い袋がよかった。次点がカフェ・コッペリア。
一応技術的にはちょっと未来の日本が舞台だけどそんなに現代とはかけ離れてない人々の話。
好きなのは笑い袋/カフェ・コッペリア/モモコの日記
温かい話だったり、微妙に黒い話だったり、これは凄くよかったー。
モモコの日記は最強にしょんぼりした。
でも私が11歳の時の今の11歳は別のいきものだよなと思いました……
ランドセルに黄色いカバーかかってる子(小学1年生の証)が「あ。auの新しい携帯でとるー」って言うてた時はえええええって思ったもんな……
幸せだ、幸せだ。自分は幸せなのだ。あたたかな空調の効いた家があって、食べるものに困らず、肉親と同居できて、幸せなのだ。嫁は忙しいのによく気を回してくれるし、孫は父親がいないにもかかわらず明るく育ってくれている。
(P241 笑い袋)
「精神のバランスを崩して思い込みを生じると、人間、何をするか分からないものよ。自分を罰する行為に耽溺するというか、耽溺しつつ言い訳に固執するというか、二律背反の悪い方へ悪い方へと引き寄せられていくのね」
(P169 エクステ効果)
美浜島を襲った津波。わずかに生き残った子ども達が秘密を抱えて美浜を出てからそれから20年。
直球に暴力の話だった。「大きな熊がやって来る前に、おやすみ」なんて目じゃねーなーと思うぐらいとても闇だった。最初から最後まで重苦しい雰囲気がたちこめている。読むときに息継ぎが必要だ。
罪の有無や言動の善悪に関係なく、暴力は必ず振りかかる。それに対抗する手段は、暴力しかない。道徳、法律、宗教、そんなものに救われるのを待つのはただの馬鹿だ。本当の意味でねじふせられ、痛めつけられた経験がないか、よっぽどの鈍感か、勇気がないか、常識に飼い馴らされ、諦めたか、どれかだ。
(P217)
秘密を呼び覚ます呪文を、いまは私が握っている。(略)でも、あなたがまた私を裏切るのなら、愛を装うのをやめて私を侮辱するのなら、その時はきっと、秘密は海の彼方から大波となってよみがえるだろう。
(P290)