カテゴリー「 単行本 」の記事

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書店はタイムマシーン—桜庭一樹読書日記

mixiクラフトエヴィング商會コミュで、「それからはスープのことばかり考えて暮らしたの舞台はどこだと思いますか?」みたいなトピックができてたので、読書日記で三軒茶屋っぽいって書いてたなあとか思いながら本棚へふらふらと行き、青いほうの表紙を手に取る(↑が載ってるのはピンクの表紙のほうである

一読永劫のときにみた苺の指輪と再会したり(写真が載ってた。8000円するらしい)

本日も、年取ったギタリストと若いモデル、みたいなカップルがいた。眠いよ。世界人類が不幸でありますように。あっ、朝っぱらから、凄い美オカマがフラフラと瀕死で通り過ぎた。世界はこんなに美しい……。

(P38)

が妙にツボにはまったりする。

ファミリーポートレイトの

3箇所目の会場で。本にていねいに相手の名前を書いているとき、ぐずっ……と鼻を啜るような音がかすかに聞こえた。となりで編集者が息を飲んだ。どうしたのだろうと思ってゆっくり顔を上げると、男の子がひとり、ぽとぽとと涙を落としていた。

(P511)

この部分がはじめて読んだ気がしないんだけどどこだったっけ……頭の端に引っかかってた部分の元がわかる。

桜庭 泣いてる人もいました。横にいた文春のS藤さんがはっと息を呑んだので、なんだろうと思ったらぐすっと鼻をすする音がして、顔を上げたら女の子が黙って泣いてました……。

(P250)

どっかで見たことがあると思ってたのは多分これ。巻末の座談会の部分にあるやつ。

後広告ページの「薔薇の名前」がごく最近聞いた覚えがある、でも本屋とか図書館とかでは100パーないけどどこだろうと思ったら寝るちょっと前にみたtwitterのTLでだった。

過去日記遡ったら「3ヶ月ぐらいしたらまた再読してそうな気がする」って書いてて笑った(読みどおりだよ!

屋久島ジュウソウ

もうすぐ文庫が出るんだけど、どうしても今読みたいんだーっていう気分になったので借りてくる。
屋久島で登山なエッセイと諸外国をいく短いエッセイが何本か。
たぶん旅行成分が尽きてきたんだとおもわれる。

READING HACKS!読書ハック!—超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣

私読書論的な本読むの結構好きだよねと思いながら読んだ。

新日本の路地裏新世界の路地裏

路地裏写真集。
世界のほうが好きだ。グラナダとテルチにとてもときめいた。
テルチってはじめて聞く地名だったのでどこかと思ったらチェコのモラヴィア地方とのこと。
チェコとか絵本が凄いところぐらいの印象しかねーよとおもった。テルチはおもちゃみたいな可愛い街だ。

初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)

再読。PBW用に10代成分が必要でちょろちょろ読んでた。
時間をかけて読むつもりが人災にあったので癒しが必要で一気読みをする。

橋をめぐる—いつかのきみへ、いつかのぼくへ

深川を舞台にした短編集。
「九つの、物語」がとても好きだったので、それと比べてしまうのもあるけど、こちらは微妙だーと思った。
印象に残る話少なかったなあ。好きなのは「永代橋」「亥之堀橋」「まつぼっくり橋」

SHライブ(ミラコンのとき)に、事前にジブリレイアウト展を見に行ったのですがそれの会場がちらちら出てくる現代美術館でした。清澄白河から現代美術館までのんびり徒歩。現代美術館こちらなんて札があちこちにあったので方向音痴的にとても助かりました。
「東京駅まで車で10分程度なのに地方都市みたいなところがある」とかそんな感じの描写があったと思うんですが、その通りだよ!と思いました。商店街歩きながら、自分の普段の環境とあんまり離れてないので歩いててもホッとしました。

カフェ・コッペリア

最初はカフェ・コッペリアの人々がメインな連作短編かと思えば普通に短編集だった。
どれもよかったけどあえて選ぶならモモコの日記と笑い袋がよかった。次点がカフェ・コッペリア。
一応技術的にはちょっと未来の日本が舞台だけどそんなに現代とはかけ離れてない人々の話。
好きなのは笑い袋/カフェ・コッペリア/モモコの日記

温かい話だったり、微妙に黒い話だったり、これは凄くよかったー。

モモコの日記は最強にしょんぼりした。
でも私が11歳の時の今の11歳は別のいきものだよなと思いました……
ランドセルに黄色いカバーかかってる子(小学1年生の証)が「あ。auの新しい携帯でとるー」って言うてた時はえええええって思ったもんな……

幸せだ、幸せだ。自分は幸せなのだ。あたたかな空調の効いた家があって、食べるものに困らず、肉親と同居できて、幸せなのだ。嫁は忙しいのによく気を回してくれるし、孫は父親がいないにもかかわらず明るく育ってくれている。

(P241 笑い袋)

「精神のバランスを崩して思い込みを生じると、人間、何をするか分からないものよ。自分を罰する行為に耽溺するというか、耽溺しつつ言い訳に固執するというか、二律背反の悪い方へ悪い方へと引き寄せられていくのね」

(P169 エクステ効果)

光

美浜島を襲った津波。わずかに生き残った子ども達が秘密を抱えて美浜を出てからそれから20年。

直球に暴力の話だった。「大きな熊がやって来る前に、おやすみ」なんて目じゃねーなーと思うぐらいとても闇だった。最初から最後まで重苦しい雰囲気がたちこめている。読むときに息継ぎが必要だ。

罪の有無や言動の善悪に関係なく、暴力は必ず振りかかる。それに対抗する手段は、暴力しかない。道徳、法律、宗教、そんなものに救われるのを待つのはただの馬鹿だ。本当の意味でねじふせられ、痛めつけられた経験がないか、よっぽどの鈍感か、勇気がないか、常識に飼い馴らされ、諦めたか、どれかだ。

(P217)

秘密を呼び覚ます呪文を、いまは私が握っている。(略)でも、あなたがまた私を裏切るのなら、愛を装うのをやめて私を侮辱するのなら、その時はきっと、秘密は海の彼方から大波となってよみがえるだろう。

(P290)

火村英生に捧げる犯罪

掌編から中編まで。火村さんが助教授から准教授になってしまわれたー。
「雷雨の庭で」「鸚鵡返し」「火村英生に捧げる犯罪」「偽りのペア」の辺りがすきだなー。

小さな男 * 静かな声

今月文庫落ち祭りが控えてる吉田篤弘の新刊。
メインは2人。
百貨店の寝具売り場に勤務し<ロンリー・ハーツ読書倶楽部>に籍を置く「小さな男」
日曜の夜、深夜1時から「静かな声」という2時間の台本なし生放送のラジオ番組をやることになった静香

ゆるっとリンクしつつ、交互に語り手が変わりながら進んでいく。
吉田篤弘作品ですという感じの。静かな声#7の「夜中に赤い手帳を読み上げる静かな声」がとてもつぼだった。「間違って撃ちました」とか。

しかし、読書はいい。この素晴らしき「ロンリー・ハート」な夕方の読書よ!

(P189)

「違うの? だって、ちょうど人が寝静まる頃にさ、姉貴の声を聴く人がラジオのスイッチを入れるわけじゃない? あっちこっちでさ。ラジオってスイッチを入れると赤い小さなランプが灯ったりしない? 暗い夜を過ごしている人たちにはそのラジオの小さな赤い灯が街灯みたいなもんじゃないの? だから、姉貴こそ点燈夫じゃないのかね(以下略)」

(P325)
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