カテゴリー「 少女向け 」の記事

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六蓮国物語  王宮の花嫁武官 (角川ビーンズ文庫)

煌国・太子近衛武官である結蓮のもとに太子を襲う妖怪が現れたと聞き、太刀を片手に現場にかけつけた。
婚礼の夜、花嫁衣裳をまだ身にまとっていたころの話である。結蓮がこれを繰り返すのは今度で3回目になる。それほど太子に心酔している結蓮はは妖怪退治の腕を買われ封陰省へ移動となったのだ。
武器庫が盗難に遭い、4本の太刀が奪われ現場には5年前後宮を襲い、そのまま行方をくらました妖怪業焔の残滓が発見された。

シリーズ1巻とは思えないぐらい色んなものが盛られていて、登場人物が多く、いきなり色んな事実がオープンにされ、もうちょっとゆっくりめでもよかったんじゃないかなあと個人的に思う。生真面目馬鹿の結蓮は面白かった。

ドリーミング ガールズ! (講談社X文庫ホワイトハート)

帯を取るとじつにはげしいドリーミングガールズ。

アリス イン サスペンスの続編です。
主人公変わるし雰囲気もがらっと変わりますが、アリス〜での事件の顛末がさらっと語られるので注意。

女の子みたいに可愛い男の子ユキノジョウが主人公です。地の文が大変饒舌です。
森見登美彦氏の太陽の塔とかあとハルヒとか、あんな感じです。そしてボーイ・ミーツ・ガールです。
ロマンチックボーイミーツ邪気眼ガールです。
ユキノジョウがハイドと買い物に行った先でカラーコーンをかぶって上半身は包帯でぐるぐる巻きになって腕も動かせないような状態になっている女の子と出会った。その状態で何で女の子と分かったのかというと全体的に体のパーツが小さいからだった。
そのときはそれで別れたのだけど、彼女をハイドが拾ってきた! なんかこのカラーコーンガールは自分は魔女でこの包帯は封印だとか言ってる! 大変!

だんだんおかしくなってきたけどだいたいあってる!
アリスとは違って事件ものではありません。ボーイミーツガールなので愛と恋の物語に決まってるじゃないか!
魔女は黒猫1と仲良くなれると思うんだぜ。ユキノジョウが京介。
150ページ以降からが個人的には爆弾がずどーんずどーんと落ちてくるような錯覚。
こういうのたまらんとです。すごく好きだ。

つづき、出るといいなあ。今度はハイドの話が読みたい。

  1. 俺妹の瑠璃さん []

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と赤の王国 (角川ビーンズ文庫)

新聖祭に向け砂糖菓子作りを続けるペイジ工房。
工房の代わりの城を借りてから難題が続いていたがここにきてラファルの襲撃がはじまる。
シャルの生まれなんかに触れられたりしつつ、新聖祭編はこれで終了。

暖炉を用意しろ とかってあれこれしているシャルにほのぼのする。かなり深刻なシーンだったけど。
そして意外と重かった「ずっと」!
先日銀砂糖師の全プレとしてシャルが生まれた当時の話が掲載されてて、これはどこかで回収されて再録されてほしいなあと思うばかりです。

妖精王とか出てきたので、そろそろ真夏の夜の夢とかチェンジリング・シーを読むころなのかな……
いずれ読もうと思ってまだ読んでいない。

お嬢様は吸血鬼 〜秘密ノ求婚〜 (コバルト文庫)

「さわらないでくださいませ。胸がどきどきしますので」

(P170)

人口の2割が吸血鬼だという大弐本帝國。
生まれながらに吸血鬼としての力を持った真性の吸血鬼も血を吸われ後天的に力を得た半吸血鬼も、ふだんは家畜の血などを飲みながら暮らし人権も認められている。しかし排斥を唱える団体があり実際には疎んじられることが多いので「吸血鬼」と公表しないことが圧倒的に多い。
伯爵令嬢藤ノ宮乙葉は真性の吸血鬼だがやはりそのことは隠して学校へ通っている。

大正時代の女学生ということはつまり海老茶式部なんですよ。この時点で既に相当の胸キュンでした。
で、教師深谷欧介がきわどい発言のサドい感じのけしからん眼鏡です。割れろ。
欧介は乙葉の正体に気がつき、吸血衝動を抑える薬の実験に付き合わないかと無理やりに薬を飲ませる。

これがなかなか破廉恥です。えろいじゃなくて破廉恥なんです。
時代が時代なのでキスなどされようものならもうお嫁にはいけないとか、そういう世界です。
なのでもちろん服は脱ぎませんし口付けも控えめなものです。でも目隠しとかえろいですよね。

内容はただいちゃいちゃしているだけではなくて、吸血鬼がらみの事案に学友が巻き込まれていることを知った乙葉が首を突っ込む系です。

P175〜の深夜を出歩く少女のターンはとてもよいですね!

しづが受け取った「美腰バンド」は「美容バンド」の誤字なのかそういうあれなのかしばらく考えた1
いやこう、セラバンドみたいなものなのかなあとか、巻くだけダイエットとかあったしなあと思い出していたのだ。

  1. 人づてに聞いた話だと美腰バンドはまじにあるらしい。 []

銀の竜騎士団    王女とウサギの秘密の王宮 (角川ビーンズ文庫)

変わらず身分と名前を隠して修行中の身のシエラ(ルーシェ)はある日シリスに呼び出され仕事を言い渡される。
それは黒竜隊の従騎士ルーシェとしてではなくローレンシア王女シエラとして初の外交だ。相手は今まで外交のなかった、しかも父の仇でもあるアズィール帝国からの申し出で、シエラの誕生日を指定しての訪問だ。指定日を外してもシエラが相手をするのが筋であろうという判断で話が回ってきたのだった。シリスは側役に「ルーシェの上司」でもある黒竜公スメラギをつけるという。

なんかもうスメラギが鈍いのではなくてシリスの日ごろの行いが悪すぎるのではないかという気がしてきた!
これを読んだのは流血女神伝の角川文庫での再発刊のニュースを目にした日だったので「万騎長」をマルクークと読む。いやアズィールが砂漠っぽい、要するにエティカヤ的なんですよ。とてもときめきであった。砂漠の国の陰謀はロマン。
アズィールからやってきた王族がそう来たかーという感じでただのイケメンが出てくるよりはこっちがよいです。聡い子はよい! あと今回はシリス最強ぶりがいかんなく発揮されてたので今後ともその感じでお願いしたい! あの人はいい意味で黒幕過ぎる。

しかし帯裏の眼鏡のスメラギは本当にけしからんと思います。その眼鏡割れろ。
ていうか今巻は全体的に明咲さんがいいしごとをしすぎている。読みながら超転がった。

悪魔が来たりて恋を知る (一迅社文庫アイリス)

「死神姫の再婚」の小野上さんの死神姫じゃないやつ、高潔な騎士×低位夢魔です。
ピンナップ的にはイケメンパラダイス的な何かと巨乳美少女ですが、逆ハーとかそういう方向ではなかった。
大体の方向を簡潔にいうと「好きです!」「いいからまず服を着たまえ!」です。だいたいあってる。

魔界7大公のうち淫欲公に仕える下級夢魔アドルニは自分よりさらに下位の夢魔、人間との混血のミアリに高潔な聖騎士を堕落させて次の淫欲公に献上しろ、そうすれば我らの待遇はぐっと上がると命令した。標的となっているのはルマリア帝国騎士団の聖騎士ユーシウスで、彼はもう何人もの夢魔を屠っている。

力はないといってもミアリは夢魔である。強い者ほど美しい、むしろイケメンor美少女でなければそもそも夢魔にあらずというものである。人間の価値観ならすごい美少女だけど、夢魔的判断としてはミアリは底辺もいいところなのだ。

夢魔の常として、ミアリは外套の下には何も身に着けていないのだ。少女らしいほっそりとした首筋や二の腕、そのくせ胸や尻はふくよかで蠱惑的な肉体が丸見えになっていることに気づき、申し訳なさで一杯になる。
「失礼いたしました、お見苦しいものを……夢魔のくせに、人間の女性と大して変わらないしょうもない体で本当に」
「み、見苦しいどころか、いや、そのもう、頼むから早く服を直せ!!」

(P31)

このようなものです。この高潔騎士ユーシウスさん。とても不憫です。
死神姫のカシュヴァーン様は残念ですがユーシウスさんはとても不憫です。大事なことなので2回書きました。
破廉恥レーダートレイスが主人公格になるまでぐつぐつ煮込んだらたぶんこうなる。

設定的には少年向けライトノベルっぽい感じ1がするんですがそんなエロコメっぽいのじゃなかったな。
復讐方法とかはなんかこう、[病院が来い][安心と安定の全員病気]って脳内でびこーん! とした。
でも真面目なところはちゃんとしめているのでいいと思いますよ!
なんだ、要するに「ばっかじゃなかろうか!」っていう物語です。

  1. だって巨乳美少女と突然同居することになるんだぜ! []

大魔王は笑わない!! -起きてください、魔王サマ- (B's-LOG文庫)

あとがきにあった「タイトルの略称は『大魔王』『笑わない』『はわない』でお願いします」が大層笑った。
それなんていうはがない

ベルナデッドはその陰気な外見、鋭い目つき、不気味な笑顔と噂が噂を呼んで「呪殺令嬢」と呼ばれていた。
評判とはまるで違って自分はいたって平凡だし内気で口下手で、パーティとか苦手だけど友達が欲しくなって出て行っても結局遠巻きにされてぽつんとひとりいる。「君に届け」の爽子とか「ヒカルが地球に〜」の是光みたいな感じ。

今日もそんな感じに終わろうとしていたが違うことがあった。
「ハンカチを落としませんでしたか」ととてもきらきらした外見のバスティアン王子に声をかけられ、なんと返答したらいいものか困っているうちに、だんだん顔は強張り険しくなっていく。そのときはそのまま別れたものの、噴水前でひとりいるところを再びバスティアンに声をかけられ「君はいつも僕の夢に出てきた」「聖堂で神の声を聞いた。夢に出てくる人物はお前の運命の相手である、と」と言われる。
降って湧いたロマンティックな言葉にベルナデッドの胸は高鳴った。
その後に続くのが「運命の相手を探せ、そしてこの世から消し去れ」でなければただの恋愛物語であったのだが。
人違いであればよかったのだけど、ベルナはかつて世界をどん底に陥れた魔王の転生体だった。
無論そんな記憶はないし魔王としての力を発揮できるわけでもない。しかしそれ以外の事柄が魔王であるという証明にしかならなかった。

「魔王大好き」ビーズログ文庫の新しい魔王の物語。割とコメディ色が強い。
四天王登場したあたりから中盤は結構こう、ベルナと同じぐらい置いてけぼり感だった。この無茶振り感はすごくビズログっぽいけど、笑いのセンスが合わない厳しさ。最後ら辺の元魔王と元聖女の共闘がすごく好きなので、私の趣味はそこなんだろうなあと言うのを再確認した。

あと遠征王の影響で名前を何度確認しても「ベルディナット」って書いて違うよ! と書き直した。

魔法書の姫は恋をする  守護者の誓い (角川ビーンズ文庫)

今このタイトルを書きながら「魔法書の姫は恋をする」までが固定タイトルなことに気がつきました。
「魔法書の姫は○○する」っていう変動するタイトルなんだとばかり思ってた。思い込み。

今まで閉じた場所で暮らしてきたソフィアは大学にようやく慣れてきた。
その周囲の人物的には、ここならヒベルニスター伯爵の目が届かないぜお近づきになるぜヒャッハア! という学生によるソフィア大好きファンクラブが築かれる。そんな学生のキャッキャウフフはつかのま、権力ぶん回すあと実際に実績もすごいソフィア激ラブヒベルニスター伯爵フィンレイが大学教員として就任する。妹バリアー! がもうすごい。
一方最近ランダルベリーには書物がまったく入荷されなくなっている。書籍商が軒並み書物盗賊に襲われているのだ。<闇の書庫>はこれを<黄昏の処刑者>が関わっているとし調査を始めた。

「恋の自覚のはじまり」「アレクセイ親子の微妙な距離感」「勘違いすれ違い」など盛りだくさんでお送りされた。
ネリーとフィンレイがかなりばんばんした。ばんばんした。もうなんなのか。あとアレクセイはいい俗物です! フィンレイはただのアホ(褒め言葉)。ネリーはさらっと自分の経験を混ぜやがったー! とばんばんした。
とりあえずアレクシスがパッケージ面的に前巻みたいに「天然ストーカー」呼ばわりされてなくてよかった! 

2巻は割と「異世界の大学生」っぽさが出ている感じでした。あの肝試しとかが。

「これらが永遠に読み手に渡ることなく奪い去られるなど、許しがたい蛮行だ! 書の守護者たる図書館を表の顔に持つ者として、<闇の書庫>は断固として書物盗賊に立ち向かう!」

(P37)

身代わり伯爵の婚前旅行  Iすれ違いの蜜月 (角川ビーンズ文庫)

里帰り編。
アルテマリスであるジークの結婚式に出席するためシアランを出た大公一行。
途中宿泊する貴族の屋敷で宴が催されたりする。そして久しぶりのあのひとたちとの再会である。
この巻は割と導入! っていう感じを受けた。続きに期待である。
というかラスト付近のミレーユの意図はどうあれロイに渡ったお金はどうみても「手切れ金」である。大変笑った。なんだあの子不憫すぎる。そしてミレーユはとても悪女だ。ロイははやくいい嫁が見つかるといいな。

首の姫と首なし騎士 (角川ビーンズ文庫)

大陸の中心フォルモント国、建国してからまだ2代目のまだ歴史の浅い国である。
4番目の末娘シャーロットはとくに美女というわけでもなく、ドレスより暗い書庫で本を貪り読むことを好み、父王が連れてくる結婚相手はすべて自尊心を傷つけられるか失望して去っていった。非社交的な娘をなんとか政略結婚に使おうとして父はシャーロットに狩りに出ろ護衛にはアルベルト・ホースマンをつけるという。
アルベルト・ホースマン、代替わりしてなお建国の英雄初代国王ジョゼフ・フォルモントのみに仕える騎士。
「首なし騎士」と呼ばれ情け容赦なく首を刎ねる残虐さ・奔放さ・横暴さを備える男として恐れられている。

建国の王 亡き後も英雄の影に怯える2代目王 家族になれない王族一家 王たる資質 シスコン兄
そんな感じです。

シャーロットが「素直・健気・天然」とかそのどれにもあてはまらない子で、ローテンションで脳内垂れ流し長口上・多弁な子の一人称です。神様のメモ帳のナルミが女になった感じ。

首なし騎士アルベルトさん、自由です。とても自由です。これは俺様ですか? いいえこれは自由人です。
アルベルトはアルベルトで自分の目的のために動くのですがなにぶんふりーだむ。

恋愛よりもちょっと硬めの、でも溺愛兄は好きだなあというひとにおすすめ。

ザビでの告知を見たときはこの表紙イラストのモノクロで字がいっぱい置かれていたので、首から下は外付けみたいな感じと思って「首だけヒロインか……いつぞやのアトランダムみたいだな……」と思ったものです。四肢がそろっててよかった。

「常識人は最早あなただけよ、レイフォード。血迷った人間ばかりの国をしっかり支えてね」
「俺は、俺の可愛いロッティが王でも全く構わないけどね」
「もう駄目だわ、この国」

(P81)
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