2012年に読んだ本は214冊でした。
月間読了数を並べると明らかに少ないと思ったから200は超えていてよかった1
ここから今年読んだ面白かった本のコーナーです。上のほうが一般文芸・文庫で下のほうにラノベコーナーがあります。
婚外恋愛に似たもの 宮木あや子
シャイニングメリークリスマスに熱狂した人々にぜひとも読んでいただきたい1冊!
「婚外恋愛」ですが不倫の話ではなく、アイドルオタク35歳既婚女性の連作短編です。要するにジャニオタですが!
コンサート映像のカメラはドームを埋め尽くした観客を一巡し、メインステージへ固定される。特効の花火がどおんと大きな音を立ててあがり、観客は耳を劈かんばかりの歓声を上げる。
(P105)
ライブ楽しいです。
STARRIGHT RAINBOW
はいその流れでST☆RISH公式ファンブック!
シャイニングメリークリスマスon twitterでどの発言も1000RT4000fav余裕だった脅威の24時間。開始数分でばたばたとなぎ倒していった企画。その約1年前に出た公式ブック、インタビューとライブレポが載っていますよ! この本が2012年発売だということにまず驚いた。まあ今年のわたしを象徴する1冊です。
レッドドラゴン
ロールプレイングフィクション、「TRPGのリプレイ」的な1冊です。
これも今年発の企画で、ダイスが空気読んでたり#太田が悪いがとびかったりしていました。
星海社は毎回何かしらマチアソビに登場していたんですが今回はレッドドラゴン関連のイベントが多かった。
そのレポは10/6~10/8 マチアソビvol.9を見ていただくとして、そのときにレッドドラゴントークセッションと第3夜先行黙読会に参加しました。
トークセッションは太田さん、FM三田さん虚淵さんのトークイベント。黙読会は映画館のスクリーンに映し出されるブラウザを皆で読もうという企画です。黙読会といっても関係者が多くいて、太田さん、FM三田さん、虚淵さん、紅玉さんの豪華コメンタリー付きでした。
レッドドラゴンは第3夜までが終了していて、今後が大変気になるところ。
嘆きの美女 柚木麻子
今年は文芸あねもねの派生で色々読みました。
柚木さんのがなかなかどれもヒットで、スクールカースト一直線の終点のあの子もよかったのですが、「深夜に読む本じゃねえ!」ということでこれを推す。
深夜に読む本ではないというのはホラーというわけではなく、出てくる料理が死ぬほど美味そうなのである。
引きこもりのニートの耶居子はブログの荒らしと粘着、写真からの特定やら炎上させて閉鎖に追い込むのを日々の糧とする人間のクズ。次のターゲットに定めたお悩み相談コミュニティにまるで相手にされないことを苦々しく思ってオフ会に突撃→ターゲットのひとりのストーカーともめあいに→交通事故→退院後はターゲットひとり、ユリエのおうちで甲斐甲斐しく療養することとなる。
ユリエの家は非常に規則正しく健康的な生活をしており、耶居子も人並みの生活をすることで陰険なところはあるけども魅力的な女性になるという話です。
ジャンクフードの再現とかまじやばい。でっかいコアラのマーチ食べたい。
サエズリ図書館のワルツさん 紅玉いづき
本は「本」というかたちだからいい。嵩張ろうが重かろうがこの形を愛している、というひとに。
1話を読む限りでは本が大好きな司書さんと、図書館の来訪者による日常系のように思えるんですが、話が進むに連れて別の側面が見えてくる。
この世界では電子書籍が当たり前になっていて、サエズリ図書館のように貸し出しカードを作れば誰でも無料で一定期間本を借りられるというのが、いかに異様で、贅沢な場所かということが。
昨日も彼女は恋してた 明日も彼女は恋をする 入間人間
小さな離島に住む僕と車椅子の少女マチ。小学校のときはさておき今では不仲になってしまった僕らがなぜか時空を超えることになった。最初は自分たちがどこにいるのか分からなかったし島の外観は短期間で変わったりしない。でもそこには確かに時間を越えた証拠があった。マチが自分の足で立っている。
青春です! この本は「少し踏み込んだ話をしようものならネタバレ」という本なので難しいのですが、青春の話です。時空を飛び越える話です。執着の話です。
サマーサイダー 壁井ユカコ
GoRAの一員として今年はKの脚本も書かれていた壁井さんの青春ホラー。
夏の福井が舞台で、幼馴染の3人(少年2名少女1名)と廃校となった母校と、「僕は蝉の幼虫なんだ」と蝉に傾倒したかつての担任の物語。
ドラフィル 竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄 美奈川護
音大を出たものの借り物のバイオリンを抱えてニート一直線だった響介は、叔父の伝手で竜ヶ坂商店街にある公民館で臨時職員兼アマチュアオケのコンマスとして勤めることになる。
これはニュルンベルクのマイスタージンガーがずっと流れているような商店街での、音楽を愛する人々の物語である。
音楽ものはよいものだ!
おいしい妖精の愛し方 古戸マチコ
辺境の島迷子島を舞台に、海女兼観光ガイドとして働くミリアとその幼馴染で無愛想な料理人ライの物語。
海に潜っていると妙に生ぬるく、塩分濃度が異常に高い桃色をした水が広がっている現場にいきあたる。ミリアはここで採取した水をライの元へ持ち込むと豆腐花へ料理されて出てきた。それを食べてから島民のミリアに対する反応がおかしい。お子様扱いしかされていなかったミリアを可愛い美しい綺麗だともてはやすのだ
金星特急 嬉野君
はい今年の一押し。
現代地球・日本がスタートの地で、でも違う歴史をたどった世界が舞台。
金星は国籍不明・正体不明・ある日忽然と現れた美女だ。
金星の元へ連れて行くという金星特急と花婿募集ポスターがギリシャに現れて8年、世界各地にその特急列車は現れて一定期間ののち沢山の男を乗せて消えた。誰ひとりとして帰らない。追いかけたヘリコプターなどもすべて消えた。
自殺特急便といえるその金星特急に乗り込んだ錆丸・砂鉄・ユースタスの話である。
この金星特急と花婿候補は世界各地で騒動と戦いを起こしていく。
全7巻!
わたしの嫌いなお兄様 松田志のぶ
ちょっとミステリちょっとラブコメ大正ロマン。
おてんばなお嬢様と軽口をたたいて従妹をからかうのが何より好きなイケメンという、そういう話です。
「良妻賢母」が常識の大正時代、17歳になる橋本有栖も多くの例にもれず結婚を決められてしまった。相手は5つ上の従兄の春日要で、彼は春日家の嫡男であり頭も切れるが実に放蕩に、いつ勘当されてもおかしくない程度に自由に育った。
この結婚は認めません! と有栖は春日家に走っていく。
仮花嫁のやんごとなき事情 夕鷺かのう
孤児院育ちのフェルディアは病弱なシレイネ姫の身代わりを時折務めており、今日も依頼の手紙がやってきた。いつもの依頼かと思って出かけたがそれが孤児院との別れになる。フェルディアは身代わりとして敵国の「毒龍公クロウ」のもとへ嫁ぐことになった。なにもずっと身代わりでいる必要はない、ままごとの婚姻期間にこっぴどく嫌われて離婚されておいで、そのときは報酬をたっぷりはずみましょうというのが国王の言だった。
「身代わり花嫁の結婚」といえばベタ中のベタですが、途中がすごいコメディ。そしてちょっといい話。
封殺鬼 霜島ケイ
三度の完結。クダンの如しは桐子が女学生をしていて、女の友達を作っていて、それがとても自然でいいなあとしみじみながめてしまった。
誰よりも幸せになればいい。
マグダラで眠れ 支倉凍砂
錬金術師は身分は不安定でいつも生死の綱渡りをしているようなもので、多くは職人として立派にやっていけるものが多い。それでも茨の道を行くのは夢と好奇心が抑えられないからだ。人は錬金術師が見ている「その先の世界」をマグダラの地と呼んだ。
眠らない錬金術師クースラと白い修道女フェネシスの物語。
ヒカルが地球にいたころ…… 野村美月
ハーレム皇子ことヒカルが幽霊になってヤンキーキング是光に憑いて、ヒカルの心残りを晴らしていく話。野村作品は相変わらずヤンデレが素敵です。
デコスタ家の優雅な獣 喜多みどり
マフィアもの
施設育ちのロザベラ(ロージー)は「あなたのお身内の方が見つかりました」と引き合わされた。
デ・コスタの女の血は異能の力を産む。施設に迎えにきたノア・ダリオ・それから屋敷で待ち構えていたエミリオのうちの誰かと結婚して子を為せという。ロージーは自由を求めてファミリーの一員にしてくれとエミリオに願い出る。エミリオが課した試験は「裏切者を見つけ出してこの世から消せ」というものだった。
首の姫と首なしの騎士 睦月けい
大陸の中心フォルモント国、建国してからまだ2代目のまだ歴史の浅い国である。
4番目の末娘シャーロットはドレスより暗い書庫で本を貪り読むことを好み、非社交的な娘をなんとか政略結婚に使おうとして父はシャーロットに狩りに出ろ、護衛にはアルベルト・ホースマンをつけるという。
去年の新人さんで、なかなか陰謀がうごめいている。
禁書庫の六使徒 栗原ちひろ
今年惜しまれつつ無くなったf-clan文庫から1冊。
悪い男の愛の話です。ぶよぶよになれ!!!
眠れない悪魔と鳥篭の歌姫 瑞山いつき
盗賊団「白鴉」が壊滅させられ、精霊使いのニーナは闇オークションにかけられそうなところを踏み込んできた中央治安軍に助けられた。ニーナはアルドというやけに顔色の悪い、美しい男に連れ出される。
アルドの中には悪魔が眠っている。アルドが眠ることで主導権は悪魔に移るのだが、ニーナが歌うことで悪魔を眠らせることができる。もう5日も寝てないので自分が眠れるように子守歌を唄ってくれという。
このアルドがすごくプライドが高くて皮肉屋でツンデレ。要するにトキヤ。
8月10日を楽しみに 野梨原花南
アイドライジング 広沢サカキ
ここ2冊は2月に金沢へ行ったときにガタッとしていた本です。
そういえば金沢でははじめてustしたりしたんですが、その時の課題図書扱いだった1冊。わたしが初めて読んだティアラ文庫で、たぶんわたしはTLは作家単位じゃないと読まないので、これだけじゃないかな……。
「8月10日を楽しみに」は要するにいつもの野梨原さんです。うっかりしたら泣ける系です。
アイドライジングはスーパーお土産タイムに本屋にうごうご入って、コモリさんに敬意を表して俺はアイドラを買うぜとか言った気がする(そして既刊丸ごとお買い上げへ)
- 今年は薄くはない薄い本もかなり読んでいるので……。 [↩]
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