今年読んだ本のまとめ的なエントリです。
とりあえず数は絞ったけどまだ多く、ベスト○○というものにしなければいいんだ! ということにして並べたりしています。並び順に特に意味はありません。文字リンクは過去の感想へ繋がっています。
一般文芸強まったエンタメ部門
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ/辻村深月
宵山万華鏡/森見登美彦
芙蓉千里/須賀しのぶ
神去なあなあ日常/三浦しをん
○○が好きな人はこれっていうのが見事に並んでて普通すぎて自分の選択が面白くないなあと思った。
でもこの本が面白いのでこのままにしておく。ここに1冊足すなら喋々喃々。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ
最近の辻村作品は読みながら「やめろおおおお」と叫ぶぐらいにはとても自分に近い。
「目を背けるな現実を見ろ」とどんと突き出されるような感じだ。
宵山万華鏡
宵山合わせで読みました。どちらかというと「きつねのはなし」寄りの黒っぽい幻想小説。
お祭りの非日常感が浮き出てきてとてもときめいた。
芙蓉千里
第1次世界大戦のちょっと前、中国ハルビンを舞台に「大陸1の女郎になる!」と中国へ渡った少女フミの物語。流血女神伝のカリエっぽい。
現在携帯サイトsari-sariで第2部が連載中。
第1部は書籍化にあたり相当エピソードが削られたという話を聞きますが、携帯で小説を読む気がまるでせず1冊にまとまるの待ちです。
神去なあなあ日常
今年はたくさん本が出ていたなあという印象の三浦しをん作品。
その中で1番好きなのが神去。林業小説である。神去村の1年の描写がとても好きだ。
「大祭の年」とかたまらんです。
胸キュン
船に乗れ!/藤谷治
告白/湊かなえ
少年少女飛行倶楽部/加納朋子
午前零時のサンドリヨン/相沢沙湖
子どもたちに語るヨーロッパ史/ジャック・ル・ゴフ
船に乗れ!
よい青春音楽小説でした。
LPレコードが現役なので今より20年30年程度は昔、とある音楽高校に通う僕の話。全3巻。
語り手は棺桶に半分足を突っ込んだ年齢の僕、津島サトル。これはサトルの挫折の物語である。
1巻は情熱と根気と音楽と中2成分に溢れているのでさよならピアノソナタとかグラスハートとか好きな人は多分好きだと思います。2巻以降は挫折っぷりが表に出てくるので重めでも大丈夫な方に。
告白
発売時期はもうちょっと前ですが2009年に読んだ本なのでここで混ぜます。この黒さはときめきます。
その黒さから万人向けではないけど後味がクソ悪い(※褒め言葉)本が好きな人には素晴らしくオススメです。
少年少女飛行倶楽部
「普通の中学生が出来る範囲で空を飛ぼうと頑張る部活」の話です。1
午前零時のサンドリヨン
恋愛+日常の謎+学生のとても可愛らしいミステリでした。
米澤穂信作品、具体的には古典部シリーズが好きな人は好きなんじゃないかと思う。
子どもたちに語るヨーロッパ史
歴史的にはまるで素人という入門者にとても優しいよい本でした。
SoundHorizon2とかヘタリアが好きな人にも。
今年出会えてよかった作家
宮木あや子
木地雅映子
まず宮木あや子。
活字倶楽部インタビューでまず気になって、時代物属性がないので一番どうだろうと思っていた花宵道中がベストオブ宮木作品(の片割れ。ちなみにもうひとつは野良女)
花宵道中は吉原の遊女の悲恋もの。
吉原が舞台であり、「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品でもあるので、性描写がとても多く出てきます。あれだけ濃厚な性描写が多いにも関わらず「直球の描写なんてありませんよ」という気にさせるような雰囲気を保っているのがすごいと思います。
続いて木地雅映子。
1月ごろ、同じ時期にわたしが読んでいる読書ブログの人やら書評家の人がプッシュしている本がありました。それが「マイナークラブハウスへようこそ」です。あらすじとかそれを読んでいると「これは読んだほうがいい人かもしれない」と思って読んでだだはまり。
既刊は全部読んでガレオン/オルタで大泣き。
「マイナークラブハウスへようこそ」は「普通の枠」から飛び出た変人の集まり・弱小文化部の集まりのクラブハウスの人々の話です。ピュアフル文庫から発行されてましたが3巻からポプラ文庫ピュアフルからの刊行となりました。
今年のよきラノベ新作
ソードアートオンライン1/川原礫
クロノ×セクス×コンプレックス1/壁井ユカコ
鳥は星形の庭におりる/西東行
キスから始まる契約魔法/渡瀬桂子
白と黒のバイレ/瑞山いつき
ヤンキー巫女逢桜伝/夕鷺 かのう
キスから始まる契約魔法がよいツンデレでした。とても良作。きゅきゅんとしたい人は読まれるとよいのでは……と思いました。バイレはうっかり感想エントリ以外のエントリもあがった。長すぎたからである。
以下感想や別エントリで詳細に書きすぎて今更あえて書く気がしないので既存エントリにまかせた。
とりあえずキスから始める契約魔法が推せればそれでよい。
つかソードアートオンラインはこの項にあるのがちょっと違和感なんだけど間違ってないのがおかしい。
はじまるレーベル
「一般文庫向け」ということではじまったメディアワークス文庫。
本屋によってはラノベコーナーに置かれたり一般文庫コーナーに置かれたりばらばらです。
何か読んでみたいっていう人はとりあえず有川浩のシアターかなあと思います。
ファンは多いけどどうしようもなく赤字体質の劇団が色々あって儲けが出せるように頑張らないといけなくなった話です。ちなみに有川浩といったらベタ甘ラブコメが想像されがちですが1巻ではその気配はありません。兄弟の話です。
私の好みまっしぐらでいくとその次がカスタムチャイルド。
既刊だったり番外編だったり
SH@PPLE7/竹岡葉月
さよならピアノソナタencore pieces/杉井光
身代わり伯爵の告白/清家未森
SH@PPLE7
そろそろ終わりだと思う入れ替わりラブコメ。とても胸キュンだった。
さよならピアノソナタ
番外編がこんな良い話だと思いませんでした。
1?4とか感想見返しても「わたしはいかに哲朗とエビチリが好きか」についてしか語ってないんですが、これははじめてナオと真冬以外に目が向いたね!
身代わり伯爵
その糖度に乾杯。読みながらガッ ゴロゴロ ガターンとなりました。素晴らしいラッシュでした。
続きは2月ということでとても楽しみ。
終わるシリーズ
イデアマスター/若木未生
銃姫
BLACK BLOOD BROTHERS11 /あざの耕平
とらドラ10!/竹宮ゆゆこ
マギの魔法使い
私的○大ニュースを作るとすれば「グラスハート完結」は上位に上げられるべき。
「熱の城」が出て7年。もう無理だと思ってた。他にも好きなシリーズが続々と完結していった。
いやしかしイデアマスターは正直出ると思ってなかったわあんなに面白くなってるわ二重にびっくりした。
年明けから新書版で既刊が出しなおされるそうですが、書下ろしもつくみたいなので多分買います。
本を読むということについて
読まず嫌い/千野帽子
心と響き合う読書案内/小川洋子
多読術/松岡正剛
読書論とか読書日記とかは好きで結構読んでるんですがここら辺よかったです。
秋口から「押しの一手で本を薦める・積読を増やす」のは正直飽きたっていうか萎えたっていうか興味が失せたっていうかなんかそんな感じなので今は一時期に比べればかなり控えめになってると思います。
「読まず嫌い」を読んで以降自分の姿勢を顧みることも多く、ぶっちゃけ人のことより自分が大事ということが大きいです。「心と響き合う読書案内」みたいな積極的オススメがないにも関わらず「なんか面白そうな本だな」と思わせるようなのが書きたいなあと思います。
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