ちょっと前、非少女小説読みによる少女小説TLが発生することがあり
まろん @maronu |
少女小説でオススメはブラックシープとバイレとはなひらくとレッドアドミラルと金星特急だよ! 糖分が足りないのなら身代わり伯爵を読めばいいじゃない(マリー(2010-07-09 23:24:32) | link |
ということを言ってたのですがもうちょっと詳しい紹介などを……。
糖分が足りないなら身代わり伯爵を読めばいいじゃないから分かるように「恋愛がメインではない」作品に焦点を絞っています。
ほぼ新しい作品寄りで、冊数でいうと一番多く出ているので2冊です。
対象としては主に「ラノベは読むけど少女小説はほとんど読みません(男女問わず)」っていう人ってところで。
金星特急/嬉野君 ウィングス文庫(既刊2冊)
舞台:概ね現代
キーワード:アジア旅 サバイバル 3人組 謎の特別列車 人智を超えた存在
現代っぽい感じですが別の歴史を辿った世界という感じです。その辺は成田良悟の越佐大橋シリーズを想定されるといいかなと思います。
この世界に金星特急がはじめて現れたのは8年前、とある田舎の小さな村でだった。
「生殖能力のある男性を募集、報酬はこの世の栄華」という素っ気無い内容で花婿募集の旨のチラシが貼られていた。
金星特急に乗って帰ってきた者はいない。誰も特急に乗らなかったある国では駅舎が潰された。
ある国では発車した特急を軍用ヘリで追いかけたがすべて叩き落され、あるはずの死体は元からなかったように消えうせていた。ある国では「花婿募集に応じたい者は好きなだけ乗ればいい」とした。国際社会では非難を浴びたこの選択は結果として正しく、謎多き金星特急に引き寄せられた者たちは我こそはと金星特急に乗り込んだ。
8年目の今年は今まで避けてきたかのようなアジア、日本・東京。
はじめて公開された金星の顔写真を見て一目惚れした高校生の錆丸は、蜥蜴のウェルと一緒に金星特急に乗ることにした。同じく居合わせた長身に隻眼でアジア風の顔立ちの砂鉄、金髪碧眼の美形・地中海の聖マセッティ騎士団のユースタスと行動をともにすることに。
来るものは拒まないが去るものは決して赦さない金星特急。
特急の行く先は、3人は生きて金星の元へ辿り着けるのか。
飛び散る血、武器がぶつかり合う火花、刃が肉を裂く音。
最初に浴びた血飛沫が口に入って酸っぱい。これらはすべて現実なのだ。(P176)
シスターブラックシープ/喜多みどり 角川ビーンズ文庫(既刊1冊)
舞台:中世ヨーロッパ風異世界
キーワード:男装少女 ギャップ萌え 吾輩は猫である ひとつ屋根の下の秘密 正義の味方 教会
コンスタンスが生まれた頃、母は赤子のそばに人型の黒い影を見たという。その村には「赤毛・緑眼・白い肌」を備えた赤子は悪魔に攫われるという伝説があった。母は悪魔から娘を守るため教会に預け、名前を変え男として育てられた。養父の司祭が亡き今、助祭コンスタンティンが女であることを知るものはいない。
しかし悪魔はコンスタンティンを花嫁に迎えるべく現れた。
不幸中の幸いか、悪魔は司祭との戦いに敗れ力を大きく失っている。今なら善行を積むことでコンスタンティンの左手の薬指にはまった契約の指輪を壊すことができる。コンスタンティンは100年前の伝説の聖女【黒い羊】のふりをして夜を駆ける。
問題はもうひとつある。コンスタンティンのいる教会に新たな司祭が赴任した。
善人に見える彼は悪魔の力を大きく奪った異端審問官であり、【黒い羊】と悪魔が一緒にいるところを見ている。司祭ユリエルの獲物は悪魔のみならず【黒い羊】も対象となった。
これは全員自分の敵だ??司祭も悪魔も夜警たちも。だから彼女は口元に笑みを浮かべ、その場にいる全員に聞こえるように、声を張り上げて宣言した。
「【黒い羊】は正しい人たちの味方よ! それでも捕まえたければ、やってごらんなさい!」(P12)
colorful - シスター・ブラックシープ 悪魔とロザリオ/喜多みどり
レッドアドミラル/栗原ちひろ 角川ビーンズ文庫(既刊1冊)
舞台:概ね海上
キーワード:海軍 帆船 ボケ過多 男装主人公 ファンタジー成分あり。
伝説のオルディアレス艦長に憧れ海軍を目指す男装の麗人ロディアは、何度目かの転属願いの破棄・決闘を申し込まれ受けた事についての謹慎・謹慎先で制圧した酒場の喧嘩などをきっかけに軍艦に乗って海に出ることになってしまった。今いるのはロディアの夢の地である。何が何でも自分を認めさせのし上がってやると心に決めた。
船の乗組員は艦長士官まで含めて曲者揃いというか、ボケばっかりだというかとにかくツッコミが足りないのである。食事中にうっかり「この艦にまともなやつはいないのか」とロディアが呟く程度には変人が揃っている。
艦長が陽性のボケである。とても好きだ。
ロディアは性別こそ女性だけど非常にイケメンマインドである。
colorful - レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す/栗原ちひろ
はなひらく/古戸マチコ 一迅社文庫アイリス(既刊1冊)
舞台:異世界(中華風)
キーワード:特殊体質 呪い 植物 茶 五人の皇子
カナンは胎児の頃から植物に非常に好かれる特殊体質だ。ただし友好ではなく養分として。
5歳の頃に故郷を離れ「異人さん」に今いる大学に預けられ12年が経った。ある日、はるばる東の淵国から茶売りだと名乗る青年・善が学長のもとを訪ねてくる。頼みを聞くにあたり最適の人物としてカナンもその場に呼ばれた。カナンは善に「奇跡の実」を発芽させて実をつけるまで成長させてほしいと頼まれた。「奇跡の実」は砂漠の遺跡に眠っていた伝説上の植物である。
善の頼みのままカナンは淵国へ同行することとなる。その身体じゅうに「奇跡の実」の種から発芽したツタを寄生させて。「奇跡の実」でこの国の5人の皇子にかけられた呪いを解いて欲しいというのが善の頼みだ。
大きな影のように見える手がカナンの頭の上に伸び、金色の目がにやりと笑う。
「さァ、試練の始まりだ」
その言葉を最後に、カナンの意識はふつりと絶えた。(P101)
銀砂糖師と黒の妖精/三川みり 角川ビーンズ文庫 (既刊1冊・8月に2巻刊行予定)
舞台:異世界
キーワード:ロードムービー風 異種族コミュニケーション 児童書風 妖精 お菓子
時載りリンネとかGOSICKとか、あんな感じの児童文学っぽい流れのラノベです。
ハイランド王国では砂糖菓子が様々な儀式で必需品となっているため砂糖菓子職人が至るところにいる。
しかし国王が最高位と認める「銀砂糖師」は毎年1人しか生まれない。
アンは銀砂糖師だった亡母の後を継ぐべく、銀砂糖師を選ぶ品評会が行われる王都ルインストンへ向かうことにした。王国西部から王都へ続くブラディ街道は荒地ばかりが続き夜盗も出る危険地域だ。1人で旅するなんて無謀、でも迂回路からでは間に合わない。
ある感傷的な理由からアンはどうしても今年の品評会に間に合いたかったのだ。
アンは護衛代わりに妖精を買うことにした。
この国では人間が妖精を使役しているのだ。
対等な契約ではない。人間優位の支配に近く、隙あれば命の危険さえある殺伐とした関係である。アンが買ったのは愛玩妖精かと思うほど整った顔立ちの戦士妖精のシャルだった。
シャルの態度は頑なで、綺麗な顔で悪態をつきアンを鼻で笑う。
そんなシャルに対してアンは友達になろうというのだが……。
銀砂糖で作られた美しい砂糖菓子には『形』という神秘のエネルギーが宿るというのだ。
人間が銀砂糖や砂糖菓子を食べても、もちろん寿命が延びることはない。
しかし妖精の寿命を延ばす神秘の力を、人間も、受け取ることができるらしかった。(P15)
白と黒のバイレ/瑞山いつき 角川ビーンズ文庫(既刊2冊 8月に3巻刊行予定)
舞台:異世界(スペイン風)
キーワード:呪い 幼馴染み 最強侍女 魔王 身分差
マルアスル王国へかけられた呪いをとくため王太子息女ブランカ一行は北部にある塔へやってきた。呪いの術者である、禁呪に身を捧げ不老不死となった<魔王>とあだ名される魔術師マルディシオンがここにいるのだ。戦いの結果国にかけられた国にかけられた呪いは無事とかれたのだが、ブランカ個人に向けて新たに呪いがかけられ、マルディシオンは逃亡した。
それから2年、公的には「王女ブランカは病に臥せっている」とされている。
彼女にかけられたのは若返りの呪い。精神はそのままに3倍の速さで若返っていく。王国内の魔術では対応できないため、ブランカは騎士のセロ・侍女リリアナとともに旅立った。
これに関しては1巻刊行当時にすごく気合のいれたエントリを書いたのでそちらを見ていただければと思います。本の作りとして挿絵の入れ方が斬新で驚きました。
colorful - ここが違うよ「白と黒のバイレ」
colorful - 白と黒のバイレ 白き、時の流れにのせて/瑞山いつき
天国になんか行かない 清家あきら ウィングス文庫(既刊1冊)
舞台:近未来アメリカ
キーワード:相棒 運び屋 アシモフ
ニアホモとかBLとかではないんですよ(←まず強調したいこと)
2020年ごろから認定キャリヤー、通称運び屋が職業として定着し始めた。いまやもぐりの運び屋が正規の業者に格上げされたり身辺警護までその職務内容に含む業者もあるぐらいだ。
共同経営者の叔父が亡くなり、リアンひとりで切盛りしていた運び屋のリンツ社に客が現れた。
「クリスチャン・リー博士を再来週モントリオールで開催される学会まで無事送り届けて欲しい」
研究結果をこの世から抹殺するため命を狙われるクリスを守って3000キロを陸路で移動する。
東洋人でとても幼く見え、世間知らずで情緒に乏しいクリスとリアンの道中は困難が立ちはだかる。
ちょっとネタバレを回避しようとするとろくなことがかけないのがこの物語です。
えすえふです。
初対面の女にファーストネームで呼ぶことを許して、ピンチを共に乗り越えたいわば相棒を「あんた」呼ばわりはないだろう。
「そうだな。じゃあ、クリスと呼ぶか。クリス&リアン。……ゴロはいいけど、なんだかお笑い芸人コンビみたいだな」(P45)
フォーチュン・オブ・ウィッカ/月本ナシオ 角川ビーンズ文庫(既刊1冊)
舞台:異世界
キーワード:チーム 相棒 幸運すぎる女 上条さん引くフラグ タロット 残念な上司
アイリは周りの人が不審に思い妬まれる程度に幸運すぎる星の下の生まれだ。それでも努力と気合と実力で外務省入省をもぎ取ったが、入省式であっさりと七聖守護物対策室への異動を告げられる。七聖守護物対策室は都市の半分が壊滅するほどのテロだった「落日の礼拝」以降増えつつある「黒の七星旅団」対策に新設された軍の特殊部隊である。
そこでアイリとコンビを組むのはエン・ハイヅカという、凄腕の戦士ではあるんだけど残念にも程がある領域の不幸体質である。つまり上条さん1からフラグメーカーを差っ引いて代わりにイケメン要素を突っ込んだような人である。
表紙の♂ハイプリだなあINT-LUKプリかとか思いつつ今のところ好きだけど今後を見守る気になる1冊です。
『神様、救世主様、ウィッカ様。これ以上、不要な幸運はごめんです!』。常にそう願いをこめて、呪いのアイテムを身につけつづけてきたが、効果のほどはともかく、もはやそうした意匠に愛着さえ感じる気さえする。
(P69)
現代ものが読みたいんだ! とか恋愛濃度が高いのが読みたいんだ! という方は、以前の少女小説特集にも何冊か紹介していますのでそちらをご覧ください。
colorful - この少女小説がよいよ(1)現代恋愛編
現代友情とか編・床掃除小説編・世界をめぐるファンタジー編・宮廷物語編・ジャンル:○○編の全6回構成です。
- とある魔術の禁書目録 [↩]
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