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上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部

年収1000万を越える世帯は日本では10%程度しかいない。実際のところ少ないがその1割を相手に百貨店の年商の3割をたたき出す。女の園・百貨店において唯一の男社会外商。
関西の富久丸百貨店で、定年を2年後に控えた有能な外商員葉鳥氏はある日退職届を出した。
葉鳥氏の抱える顧客は百貨店にとってVIPばかり。若手外商を育てるという名目でなんとか引き止めた百貨店は各地から有能な若手を選りすぐり引き合わせた。そして羽鳥氏の目に留まったのは鮫島静緒という田舎のパン屋から百貨店へ販売員として進出し、契約社員として企画をばんばん成功させた女性である。
月間ノルマ1500万、まるで未知の世界である。

「教養とは、振る舞いです。手間暇をかけた身なりと、正しい日本語と落ち着き」

(P84)

静緒の試験は続いている。葉鳥氏がやめる3月までに外商に残れるかどうかが決まる、という。飛んでいるお金の額が違う。トッカンのぐーこ同様がむしゃらだなあと思いました。こっちはバツイチアラフォーなんですが。

IN★POCKET 2013年 6月号

7年ぶりにカーリーが帰ってきました。
椋本夏夜さんの挿絵がつくのはIN☆POCETだけということで購読を決めたんですが1話すごいところからはじまった。

トッカンvs勤労商工会

ドラマ化が決まり井上真央主演だわ主題歌ミスチルだわなんか追い風が吹いている気がする。
さてトッカン2巻である。
「京橋中央署の死神」特別国税徴収官1の鏡が担当滞納者を恫喝して自殺に追い込んだとして行政訴訟を起こされるかもしれない、ということになった。原告の背後には税務署の天敵勤労商工会が控えている。
勤労商工会は弱者救済を掲げ商工会と大差はないものの、税務行政の改善をスローガンにデモ活動も積極的に行っている。

今回は比較的鏡トッカンは控えめで、ぐーこがなんとか羽ばたいてみようと頑張っている話でした。
じたばたもがいて少々みっともなくても突き進んでいく姿は格好いいコガモの巣立ちを見守る気分だった。
「助けてドラえもん!」のあのシーンはなんか妙に映像的だった。あと裁判官の「時雨沢」という名前に思わず笑った。貴方の憤懣解決しますってABCテレビの17時18時ぐらいにやってたなあと思いつつ。

さすが、と言われるなにかが欲しい。
何々だったら鈴宮さんにまかせておけばいい、と言われるなにかが欲しい。
会社の中は、椅子取りゲームと同じだ。居場所を確保するための無言の戦いが繰り広げられている。のうのうとしていては有能な後輩や同僚が異動してきて、あっという間に自分の居場所を陣取ってしまう。

(P239〜P240)

耳が痛い。

  1. 略してトッカン []

プリンセスハーツ 大いなる愛をきみに贈ろうの巻 (ルルル文庫)

ルルル文庫創刊ラインナップの最後のひとつが完結1
長い物語が完結するところに立ち会うのはとても体力がいることで、泣いたり転がったり叫んだり転がったり、最終的には首根っこがっつり掴まれて本閉じて深呼吸するぐらいしか出来ないので読み終わるころにはもう息切れしています。

いつもは多くの人間のために使っている頭を僕のことでいっぱいにして、ほかのことなど考える隙もない。まっすぐな殺意だけを胸に、今にも僕の目の前に現れるだろう。

(P137)

もうここからのリドリスがもうひどかった。
わたしちょっと落ち着かないと泣くぞ泣くぞおい泣くぞとわかってたのにだらーんとなった。あんな悪役然とした登場だったのにちくしょう。死に様まで格好よすぎだった。それだけですむならまだしも170ページのあれはひどい。こっちの息とまるわ。

『私は、去らなかった。自分自身の意思で。それが私の生。どんなに短くはかない意味のないものでも、私の生』

(P230)

思わず11文字の伝言を再生して転がった。
廃園から出られずともルシードに会えた人生は幸せでしたか。

パパラギが予想外にがっつり絡んできたのが意外だった。お前割とすごいやつだったのな。

そんなわけで仮面夫婦の初夜ゴールインおめでとうございます。散々な戴冠式の朝おめでとうございます。
とんだ食育でした。豚に救われた。まじでwwwwwwwwwwとしかいいようのない気持ちだった。
これから待ち受けているのは一筋縄ではいかない公務でしょうがせめて夫婦は仲良く暮らしてください。
とりあえず同人誌が楽しみです。

  1. 封殺鬼はまだ帝都万葉があるけど鵺子で一端店じまいしたカウント []

プリンセスハーツ 〜たとえ遠く離れていてもの巻〜

最終巻(上)。4年目にしてついに終わりを迎える。
読んでてわーわーと叫ぶこと数度。未読でも全然問題ないレベルなんだけど、銃姫読んでてよかった! とかそのとき読んでてよかった! とかいろいろ思った。

いやほんとうに「明かされる真実」がすごい。あとジル語がジル語としてクライマックスだった。毎回クライマックスだけど今回はまじやばい。明咲さんもいいしごとしすぎである。いっただっきまーす

そけい部ってひらがなになってたから地味にどこだって思ったけど、鼠径部か。

すべての食べ物のなかで豚を一番に愛している。

ロレアン不憫。
リドリスがルシード好きすぎる。本当この子好きすぎるだろうと思ってた。シリーズ開始当初止むことのなかったラスボス感。なのでラストのあれでようやくきたか! と思った。でも2度目の生はルシードのために生きそうだなとおもわんでもない。

遅くても年度内には終わってしまうんだろうなあというさみしさ。

カミングアウト (徳間文庫)

心の中に秘密と悩みを抱えて生きる人の連作短編な1冊。
引いて終わる引いて終わる引いて終わるで最後にまとめてどーん(゚д゚)という感じで。
援助交際をしている女子高生、女しかいない職場で普段はロリ趣味を隠しているOL、母として妻としての今後が見えなくなったある専業主婦、独身婚歴なしのサラリーマン、定年間近で亭主関白の夫を持つ妻。

女子高生さちみの話は鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉の1話、キズナの話をもっと深刻にした感じだなあと思って読みすすめる。キズナはいかに本番に行かないように引きつけるかが目的だけどさちみはそれ以降にも進行している。コインロッカーをクローゼット代わりに何人もの自分を使い分けている。さちみはいろんなところで顔を出す。すごく心配になる感じの子だ。
そして他人事じゃねえ! と思うのがリョウコ。すごくいい子だ。

「神話」の話とか、いいなあ。

解説には銃姫とかパルメニアにもがっつり言及されている。

ミステリマガジン 2010年 08月号 [雑誌]

高殿円特集が組まれているのはこの号か……。

(でも、好きなんだもの。なにも悪いことをしているわけじゃない。自分の働いたお金でやりくりしているのに、ただ好きでいることだけで、どうしてこんなに後ろめたさを感じなきゃいけないの。どうして!)

(P129)

プリンセスハーツ 〜これが最後の恋の巻〜 (ルルル文庫)

よく転がりました。最初から最後までクライマックス過ぎる。
いやルシードあなたなにトイレ密偵してるわエヴァリオットの声が微妙に聞こえてるわなんで剣抜いているのwwwwにはじまり「密接しました」とか。つかジルは「精霊の子」と呼ばれていたということはヘスペリアンですかヘスペリアンなんですか。

「お前は俺に心臓をくれたんだ。だから、お前の"刻"はこれからもずっと俺のものだ。違うか」

(P183)

脳内で「年月なんか数えるなこの李歐が時計だ。あんたの心臓に入っている」「惚れたっていえよ」が駆け巡っていく。わたしはそろそろ李歐に再挑戦してもいいんじゃないだろうか。
いやここ名乗りとか宣言とか檄を飛ばすとかそういうシーンのルシードは超かっこいいな。めろめろである。
人たらしが人たらしであるゆえんである。

オースの本人知らぬままにケイカ好きすぎるところとか超にやにやした。
しかし「『私の』ルシード」とかご褒美過ぎる! ご褒美過ぎる! 超転がった。

最終章突入ということであと3冊ぐらいだろうか。あとがきの某シリーズは銃姫だな。

プリンセスハーツ〜今宵はせめて夫婦らしくの巻〜 (ルルル文庫)

長い道のりであった! リュリュカがとても殊勲賞だった。とても山盛りだった。豚のようだった。
仮面夫婦がようやく仮面を脱ぐまでの一冊。とても丁寧だなあ。ジル語がすごすぎた。密接したい。

ヒクソス云々と読んでいたらふとプリハーとしての終わりはどこなのだろうかと思っていたら、あとがきいわく終わりはもう見えてる感じらしい。銃姫と違いプリハーは直に繋がっているシリーズがあるため、ENDマークのその向こうの事情については若干うかがい知れるところがあるのだけどルシードの隣に立っているメリルローズははたしてどちらなのか。

リドリスがふつうにいい弟過ぎておかしい。この弟がこんなにいいヤツのはずがない、と疑心暗鬼の私が囁く。個人的にはラスボスはリドリスでもなんら不思議ではないと思っているので……。

後半になってガッと増えた挿絵ですが、ジルの顔が若干ロリ化したような……。

「いま、側にいて話を聞いてくれる人を愛して、何が悪いんですか。貴方には誰よりそれが必要なのに。人は弱い。貴方も僕も、いま生きている人間は誰でもね。だけど、人の心は人の体温でしかあたたまらない。
思い出は美しいが無味無臭です。貴方に触れて触れられ、貴方に声をかけ、貴方に笑いかけてくれる人がいれば、貴方はそれを手に入れて強くならなくてはならない。貴方に縋らざるをえない多くのアジェンセンの民のために??」

(P84)

トッカン—特別国税徴収官—

税金滞納者から問答無用で取立てを行う徴収官、なかでも特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。
舞台は東京国税局京橋地区税務署、言いたいことをうまく言えず「ぐ」と言い淀む鈴宮深樹とその上司である特官鏡雅愛の話である。税務署と聞いて「税務調査官 窓際太郎の事件簿」を思い出した私である。

がっつり呑み込まれた。特に3章4章。面白いんだけどなんか超刺さりました。ハリセンボンみたいになってるので誰かちょっとこれ抜いてください、という感じです。やめて私のHPはもうマイナスよ!

生きていくのって大変だ。
お金はあるに越したことはないけど怖い。

あわせて読みたい、で出てきたのは山本幸久「ある日、アヒルバス」と宮木あや子「野良女」1
colorful - ある日、アヒルバス/山本幸久
colorful - 野良女/宮木あや子

ある日、アヒルバス野良女

「安定したいんです。じゃないと、いつもぐにゃぐにゃした上にいたら、自分までぐにゃぐにゃしているように思えてくる。本当は、女として正しい道に行けたらよかったのかもしれない。もう二十五歳だし。だけどわたしはいつも詰めが甘いんです。最後の最後で結婚も失って、保険も失って、だったらわたしもうなんにも——」
いいながら、惚けた。目の前が真っ白になる。
「何にも、持ってないんだもの」

(P325)
  1. ただし下ネタを笑い飛ばせる人に限る []

プリンセスハーツ〜君は運命の人だからの巻〜 (ルルル文庫)

月色賛歌やべえ。いやまあ主にジル語についてなんですけどね。くんかくんかいうなという。

「ひとたび、王女に生まれたなら」と「私の願いを叶える者よ」で銃姫のあれこれに思いを馳せる。
プリハーで「ヘスペリアン」がでてきたのはたぶんはじめてか凄く前かなのではないかと思った。
いやプリハー再読したら「え、こんな前に既に××に関する記述が!」ていうことがあるので分からないですが。

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