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書評集。
書評を行う時も、文庫本の解説をお引き受けする時も、心に決めていることがある。できうるかぎり、その作者のほかの著書もあわせて読んでみて、そのうえで書評する、ということだ。
複数読むということは、つまりいくらかは知る、ということだ。知って、好きになって、とてもいいと思うから、書評したくなるのだ。
この書評集ぜんたいが、たいそう手放しに本をほめていると、読み返して思う。このひと、出版社のまわしものなんじゃない? と思うぐらい。(あとがきより)
前半のIは新聞紙上の10年分の書評。後半のIIは文庫本などの解説。
ちびちび読んでいたのだけど面白そうな本があったからぺたぺたべたべた付箋を貼った。びっしり埋まりすぎなんじゃね?と思うぐらいだ。
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気になった本のめもがき。(図書館になかった。県立はまだ見てない
永井愛「ら抜きの殺意」
P・クリアンほか 藤野邦夫訳「メドック 至高のワイン作り」
村田喜代子「雲南の妻」
スティーヴン・ヤング 薄井ゆうじ訳「本の虫 その生体と病理—絶滅から守るために」
卵1個分のお祝いのあとがきで「椰子・椰子という嘘日記を前書きましたが今度は本当の日記です」というようなことを書いてたので借りてきました。
ほかに踊りを知らない(←卵1個分の続き)はやっぱりこっちのほうに近い気がする。
四月二十三日 晴れ
病院へ行く。二日前にできた左腕の傷から、白い砂のようなものが後から後からこぼれ出すのである。
奇病ではないかとわくわくしながら、
「体から砂が出るんですが、何科へ行けばいいんですか」と受付で訊ねると、
「何色ですか」と言う。
「白ですか。それなら診察の必要はありません。かんたんな風土病です。ほっておいても治りますが、心配ならこの札を持って薬局へ行ってください。塗り薬をさしあげます」(P15)
いかんときめいた。赤錆赤錆。この世とあの世の間ぐらい。かめかめー。懐かしいなあ。
こっちも入ってると思わなかった……
ほかに踊りを知らないよりは普通の日記っぽい。
「傷ついたほうが偉いと思ってる人はあっちへ行って下さい」@加藤千恵処女短歌集 ハッピーアイスクリームが出てきてとてもときめく。
ハッピーアイスクリームは20代の極々最初のほうに読めたのでよかったと思いました。針のむしろで簀巻きです。痛い痛い。「真実やそうじゃないことなんだっていいから君と話がしたい」とかさー。おお……もう1回見たい……
「○○さんが早くハワイアン・ブルー・ダイアモンドになれますように」という絵馬には、一番見入った。ハワイアン・ブルー・ダイアモンド。いったいこれは何でしょうか。(P44)
試しにぐぐってみた。何かよく分からないけどアメリカ在住日本人成功者とからしい?
イチローとかかー?と思いつつこの辺にしておく。
短編小説の原稿を書く。徳島県で農業に従事している男性が登場する話である。
徳島で農業ならば、何を作っているのが妥当かな、と考える。わからない。(P82)
この話を読んでみたい。
ていうか何が妥当なのだろうと考えてみた。米はありきたりだし、すだちは果物寄りだーとかワカメは海だしなーということで、レンコンとさつまいもに落ち着く。無難。
この話ではみかん農園主になったそうだ。脳内では舞台=勝浦になった。
シュールなエッセイ(というか日記?)だなあ。赤ちゃんとか。
中学生の兄弟である。
御互いを呼びあうときに、それぞれの本名ではなく、「おいマリオ」「なに、ルイージ」と言い合っているので、理由を聞く。
「だって、お兄ちゃんとかって人前で言うのは恥ずかしいし、かといって名前を呼びつけにすると怒られるからさ」弟がまず答える。
「で、さんざん論議を重ねたすえ、マリオ、ルイージっていうわかりやすい一般名詞を使うことにしたんだよ」兄が続ける。(P80)
一般名詞(゚д゚)!となった。
三浦しをんのブログタイトルが「ビロウな話で恐縮です」で、ビロウが尾籠と書くことを知る。
goo辞書曰く
(1)わいせつであったり不潔であったりして、人前で口にするのがはばかられること。きたないこと。また、そのさま。
「—な話で恐縮ですが」「甚だ—なお話ぢやが、象の糞は/象(潤一郎)」
らしい。