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6件の投稿

マイナークラブハウスは混線状態—minor club house〈3〉 (ポプラ文庫ピュアフル)

1巻以来久しぶりに内田紗鳥がメイン枠で登場します。あと学園長とかもメイン枠で登場します。
内田家と遠野家がやばい。この家族の軋轢っぷりがやばい。うへー(゚д゚;)となる。
語り手にならなくても驚異の影響力を持つぴりかは健在です。やっぱり野菜泥棒はやってました。
マグロ持ちにときめいた。ていうか天野晴一郎は今回も好きなキャラだ。今回はちょっと昔が見えたりしてとてもよかった。14話が好きだな。あの村好きだ。独身青年アホで好きだ。
15話のハイヌウェレ型神話が気になるこのごろです。あとわたしはブッダ派です。
今回はぴりかの決断でうお(゚д゚)とおもった。続きが楽しみだ。

「強いひとだよ。負わされたものの重みに、いっとき耐え切れなかったのだとしても、今はもう、強くなって帰ってきたんだよ。残された人は、辛かっただろうけど……でも、ちゃんと生き抜いて、帰ってきた……」

(P216)

俺の全部が震えている。育ててもらえる。食わしてもらえる。養ってもらえる時代がもうすぐ終わることに、俺の魂が全部怯えている。

(P225)

夏の階段 (ピュアフル文庫)

夏休み?2学期(人によっては中学の卒業式以降)の高校生連作短編。
「マイナークラブハウスへようこそ」と「初恋素描帖」を混ぜて文学少女の千愛とエリ組のバロ子を追加投入して煮込んだのちヤンデレ成分を抜いたみたいな。ハチクロみたいな片想いスパイラルが発生したりしていた。
恋の話が含まれるけどそれが叶ったり崩れたりするまでの話ではないです。すごい本を読んだ気がした。

視点が変わってそれまでの脇役が主役になる。視点変更による雰囲気とか印象の違いようがすごい。
好きなのは雨の屋上・月の望潮。遠藤さんすごく好きだ。

あとがきがすごかった。小説の中では今まであんまり読んだことがない感じ。
すごくはじけてる。方向的に近いのは種村ありなっちの柱コメントではないだろうか……

また同じ日常がはじまるのだな、と諦念を覚える。疎ましいような安堵するような、甘い樹液みたいな日常。
いったんその粘性にからまるとなかなか抜け出せず、心も麻痺して、だけど時々腹がゴロゴロするような、しかし同じ場所にはとどまっていられない。ゆるくて厳しい高校生活。

(P86?P87)

あの頃の貴輿ちゃんは、大学のサークルの先輩に片思いをしているとかで、恋の相手は生身の男性だったはずなのに、今ではすっかりBL好きの腐女子です。この1年半のあいだにいったいどんな心境の変化があったのか、気になりますが、訊けません。

(P169)

善き人は、すべてを愛し、恋なんてしないと思っていたからです。恋こそ、不平等で不合理な感情の始まりだと思うからです。

(P189?190)

どうにかして性格を変えたいと思っていましたが、おそらくわたしはわたしのようにしか生きられないのです。だとしたら変えることではなく、気をつけることで、精一杯わたしらしく生きてみたほうがいいのかもしれません。
少々嫌われたって、命がとられることはないのです。誤解なら誤解をとけばいいのです。怖がることはありません、毒草だって毒虫だって、何かの役に立っているのです。

(P193)

マイナークラブハウスの森林生活—minor club house〈2〉 (ピュアフル文庫)

お金持ち学園の、変人が集まる弱小文化部の集まり「マイナークラブハウス」の住人の話2巻。
短編集なのと話ごとに語り手が変わるのは変わらないけど、1巻よりもうちょっと各話の結びつきが強い。
奈緒志郎んちはまるで「悦楽の園」の真琴んちじゃないか(゚д゚)<とおもうなど。ごろごろする。
猫・きゅうりの一人称はすごくハードボイルドだった。あの話が一番ぴりかの内面に迫ってた。すごい。
読むのに体力を使うなー。読んでたら時々とてもそわそわする。

ほんとうに、とてもおいしかった。茹でただけのじゃがいもやパンに、溶けたチーズを塗りたくって食べるだけ、という、一見乱暴なしろもの。『ラクレット』という、サヴォア地方の伝統料理だそうだ。

(P95)

「ありがと。しっかりやれ、二人とも。Happy Valentine!(地獄で会おうぜ!)」
「Happy Valentine!(地獄で会おうぜ!)」
「なんすかその、カッコ閉じるってのは! わけわかんねー!」

(P163)

(影ども! これは、おれのニンゲンだ。たとえ、お前たちに馴染む部分がいくらかあるとしても、もしゃもしゃの本質は、健やかな生だ。この娘はおれが、立派な野良に仕込むのだ! 以後、手出しをするな!)

(P262)

氷の海のガレオン/オルタ (ピュアフル文庫)

凄かった……。いろんなものが刺さりまくった。小中のときのことをめちゃくちゃ思い出した。
もうやめて!私のHPはもう0よ!を地で行くような本でした。

自らを天才だと信じて疑わないひとりのむすめがありました。斉木杉子。11歳。
——わたしのことです。

(P6)

「みんなといっしょ」「ふつう」ではない異物であったり、みんなが「変な奴」と思う子と仲良くしている子も同類としてクラスからはじき出される。いったんレッテルを貼られれば楽に過ごせるところへ逃げ出すか「あんな馬鹿と一緒なんかじゃありません」という風に装うか。
超覚えあるんですけど。しかも私も巻き込まれた側だ暗黒の図書室へ逃げた2年間。

「もっと酷い不幸から逃れるために、あたしを引っ張ったのよ。二人で一緒に耐えましょう、ってなもんでさ。」

(P57)

オルタはもっと重かったな。過激だ。
なんか途中で涙があふれてきたので読むのを中断した。泣ききったほうが短くてすむ。

「先生」の職務。それはとにもかくにも、「学級」というものを、ひとつにまとめあげること。
それひとつの親密な共同体として、育てて行くことなのですから。

(P135)

そりゃあ、まだしばらくはあの座席にいなきゃならないんだけど、でもね、この世界にはどこへいっても、だいたいこういうもんなのよ。いくつになっても、どこへ行っても、何人かは気の合わない人がいて、その人たちともつきあっていかなきゃいけない。だからもっと慣れて強くならなきゃ。

(P186)

これ読むまで忘れてたんだけど、小学校3年生の時の席替えアンケートを思い出した。
「隣の席になりたい子は?」「隣の席になりたくない子は?」それぞれ名前と理由欄付き。
当時8歳ですから両方とも馬鹿正直に書きました。これで天敵と離れられると思って次の日学校来たら隣の席が天敵で愕然としました。涙目でくっついてる机離したこと思い出したわ。

もし小中学校の時にこれ読んでたらどう思ったんだろうなっておもった。

雨にもまけず粗茶一服 下 (3) (ピュアフル文庫 ま 1-3)

脱走した東京の茶道家元跡取り遊馬VS京都の茶人後編。跡継ぎは誰だ編。
遊馬の出番は上巻比押さえられた気がするなあ。登場人物がとても多かった。
行馬がよくできた黒い子のような気がする(ホスト部のハニー先輩的な意味で

<ありがとう>
京都のひとがそう口にするとき、語尾上がりのそのイントネーションは限りなく優しい。

(P95)

わざわざ語尾上がりって書くということは東のほうは上がらないのかとか考えて、どんな感じなのか考えつつ普段の言葉が先行するので語尾上がりのとやすよともこのネタ(東京の人は気取っててんなあれ)しか思いつかず。絶対聞いてるはずなんだけども。

ウフ.2008年11月号
ウフで続編が連載されていると上巻の帯に書いてあったので、それを待つ次第ー。吉田篤弘も連載しているのでウフに走ってもいいのですが、なんせ本屋で見かけない……Amazonでなんか買う予定があるときに覚えてたら買ってみよう……

入門したての頃は、どなたはん見ても立派やなぁ偉いなぁて無心に素直に敬うことできますけど、自分でも少ぉしモノがわかってくると、あれこれ言いたなって、その分よそさんのこと軽う見たりする心が起きますな。まして理不尽なことで自分を否定されたりすると、わたしかて人間ですからね、何言うてんのやと批判がましい心も正直生まれます。けど、それで逃げ出してしもたら、結局、珠光さんの教えを修めることができなかった落ちこぼれゆうことにしかならへん。
(P117)

雨にもまけず粗茶一服 上 (1) (ピュアフル文庫 ま 1-2)

友衛遊馬は東京にある弓道・剣道・茶道(メインは茶道)家元の長男で、将来のため京都の大学を受験するように言われていたが5つとも不合格。
と家族には言っていたが、実のところは車の免許を取ったりライブにいったり5つ中4つは受験さえもしていなかった。それを知った父は激怒。比叡山に修行に出されるところを逃げ出し、友達の家に転がり込んだが色々あってあれほど嫌だった京都に行き、生活の拠点を置くこととなる。

特に派手な展開はないし、茶道のことは全くもってわからないけど面白かったなー。京都が舞台なので喋りのメインは京都弁です。京都弁聞くだけでも気分悪いわーっていう遊馬が根っこをおろしていくところが面白い。

そして今ぎゃーーってなったことには帯の折り返しの部分が続編連載中の宣伝なんだけどそのあらすじがさらっとネタバレだ……そんなに重大じゃないけどこれは……

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