タグ「 わくらば 」の記事

2件の投稿

わくらば追慕抄

昭和30年代の人やものの記憶が見られる姉さま(鈴音)と私(和歌子)の話、2巻。
姉さまと同じ力を持つ薔薇姫こと御堂吹雪。怪しげな宗教団体。記憶喪失の女性。
薔薇姫は今回は主に登場の巻という感じで、姉さまとの繋がりが分かったりどういう人なのかとかそういうことが分からないのでそれは今後に期待。
わくらば日記のころから順調に年を重ねて最後の話では和歌子は高校生、姉さまは20歳を目前に控えている。物語の最後は姉さまが視る最後の事件になるのかもしれないと思った。

「夕凪に祈った日」は読むとだんだんへこんでくる。しょんぼりした。

「お母さんっ」
傾いた甲板を滑るように落ちていきながら、男の子は叫んだそうです。
「いい子になるよっ いい子になるから助けて!」
その声は激しい風にちぎれ、耳に届かなくなったそうですが……(略)

(P304)

わくらば日記 (角川文庫)

昭和30年代、人やものから記憶がよみとれるふしぎな能力を持っている姉さま(鈴音)と私(和歌子)の話を、それから数十年後の私が懐かしみながら語る話。語り部のほうの私はたぶんもう60は確実に越えている。
連作短編。
ある日クラスメイトがひき逃げ事件に遭い、姉さまは私の記憶と現場のあとから遡り犯人のすがたを見た。警察には届けるのは待ってと姉さまに言われていたが、私が恋心を抱いていたお巡りさん(秦野)の関心を引くべく事件の犯人と秘密にしておいてと言われた姉さまの能力をことを話してしまう。内緒にと頼んだけども秦野もまた上司に喋ってしまう。上司の神楽は姉さまのもとに強盗殺人事件の依頼を持ってくる。

姉のもとに持ち込まれる依頼をもとに透視、とかいう話ではなくメインは姉と妹の日常。
全体的に物悲しい感じ。

PAGE TOP