鳥羽水族館に行ったのは九州の水族館でラッコが死んだというニュースからだった。国内ではもう鳥羽水族館でしか飼育されておらず、繁殖は難しく国外から借りるのも難しいと聞いた。見れるうちにみとくべきではと思った。
年間目標にしようかと思ったが、徳島県の自宅から三重県の鳥羽水族館まではなんとだいたい6時間かかる。わたしは車に乗らない民なので、乗り換えアプリで表示される時間以上に短縮することはできない。短縮できないなら発場所を変えよう。2月15日は米津玄師のライブで大阪に行きそして泊まる。大阪からならなんと2時間そこそこである。

最初は鳥羽水族館割引切符で行こうとした。友達の助言として「近鉄のセット券は有人入場券販売口に並ばなあかんで」と聞いて、とりあえず開館ダッシュを決めたいわたしは近鉄の特急券を買い、Suicaに大阪上本町から鳥羽までの運賃分をチャージし、オンラインで鳥羽水族館入場券を買った。

当日は5時に起きて、6時40分ごろの大阪上本町発鳥羽行きの近鉄特急に乗った。
乗った近鉄特急はビスタ号とかなんとか書いていて、2階建てだった。当然のように2階に乗った。行きはずっと起きていた。奈良は小学校の修学旅行で行っただけで三重はまったくの未踏の地。道中を眺めていた。途中見知らぬ駅でふと横に止まっている電車を見ると女子高生がルーズソックスを履いていた。とてもびっくりした。
とりあえずGoogleMAPで現在地を確認して、「奈良の女子高生ルーズソックス履いてる!」って言っていた。

駅から見たものシリーズで今見ても面白いのはこれ。

鳥羽に着いたのは9時ぐらいだった。駅からは徒歩移動。行先同じの人は3人ぐらいしかいなくて、あれ思ったよりいないんだなあと思ってたら現地に着くととてつもない行列。わたしはぎりぎり待機列の直線に並ぶことができたが、その後10分ぐらいで蛇腹状に蛇行して、鳥羽駅方面に向かって折り返した。そこで鳥羽水族館へのアクセスは圧倒的に車が多いんだなあということがわかったし、「入館券をまだ買っていない、入館券への交換が必要な人」の列は別であり、こっちの列もあっという間にえげつない列となった。
営業時間前に水族館についておきながら自分持っているのは入館引換券で、交換が必要なので別の列に並び、さらに並びなおすことを考えるとかなり絶望を覚えるだろうなあと思った。持つべきものは関西在住の友達。
ちなみに交通費入館券定価だと交通費8100円、入館券2800円で9900円で、近鉄のセット券は6780円です。

※なおここで注意書きですが、「近鉄のセット券で手に入る入館券は入館前に有人窓口で交換が必要である」というのは友達のアドバイスを全面的に信用したので、事実確認はしていません。前述のとおり、差額としてはバカにならない額です。わたしはラッコの餌やりが見たいのでスムーズに入館したいが第1希望、そして2日目の交通費入館料については持ち出しゼロ(米津玄師チケット代立替分がほぼ同額だった)なのと、近鉄セット券は前日までの購入が必要なのでまあいいかと思いました。

営業時間は9時30分、ラッコの餌やりは9時40分から。
入場整理をしている職員さんが「ラッコの餌やりをご覧になりたい方は職員がご案内します。2列でお進みください」みたいなアナウンスがされていましたが、そんな朝早くから並んでいる人はほぼラッコ狙いのため、わたしより前に並んでいる人がラッコ待機列から外れていくことはありませんでした。

ラッコ水槽前はガラスの前、スロープ、段差の上と3段構成になっており、わたしは運よく水槽前2列目を陣取ることができましたが、前にいる人が随分と背が高い男性と女性だったので、視界はかなり制限されていました。
雰囲気としてはコロナ前のライブハウスが近いです。密集。
わたしはラッコを見るのが初めてなので、いろんな姿が見られてよかったんですが、列を抜けるタイミングを失い、動こうにも「あ両足の間に置いた鞄を取ることができない」ぐらい体が固まっており、ラッコの餌やりが終わるまでだいたい1時間ちょっとその場でいました。誰かと一緒に来ているなら「鞄取って、ちょっと手つないでそこの手すりのところまで連れて行って」と頼むぐらいでした。手すりをもって痛みに耐えつつ「足を上げる練習」からはじめて「2本足で歩く方法」を思い出してから移動をはじめました。

これを書いているのは2月18日ですが、3月17日からラッコの観覧方法が変わるようです。
2025年3月17日からラッコの観覧方法が変わります | 鳥羽水族館 公式サイト

もうわたしが見たような方法では見られなくなるようです。貼りつきで見られるのは水槽前と段差の手すり前で、スロープは「立ち止まっての観覧禁」なんですが、みんな写真や動画を撮りたいので立ち止まりがちです。頻回に「立ち止まっての撮影はやめてください」とアナウンスが入りますが、中には1度の注意では聞かず撮影を続ける行儀の悪い方や政治家みたいな牛歩戦術で移動しながら撮影している人もいるので、治安維持大変だなと思いました。
水槽前はいつ見てもみっしり人がいて、段差上の手すりのところは昼過ぎは人の入れ替えが頻繁で、まあ待ってれば柵前最前で見られることもあります。

鳥羽水族館は「順路がない水族館」でわたしは元々ぐるぐる回遊するのが好きで、めっちゃ向いてた。
あんまり調べず行ったので「タコが触れる!!!」とテンションが上がったり、人だかりを見つけては「ここで待ってたらセイウチが来る!」と「コツメカワウソがいる」とテンション爆上げだった。

鳥羽水族館は屋外で見ることや屋外を歩くことが多く、今がベストシーズンというわけではないけど、暑いのと寒いのだったら寒い方が得意のわたしは今の時期がいいシーズンだった。夏は無理だ。

11時台のアシカショーがぎゅうぎゅうで13時はラッコの餌やりと時間がかぶっているせいか、隣の人が「11時と比べたら人少ないなあ」いうてた。

14時30分ごろに撤収して、15時30分ぐらいに鳥羽を出て家についたのがざっくり22時。
面白かった。