高殿円さんの息子さんがつい先日成人(18歳)されたらしい。
わたしは高殿さんのファンを長らくやっているので、オーダーメイドダーリンを読み、育児エッセイ(同人誌)を読み、冬になれば柏餅になり、外へ行けばエレベーターを乗りまくりという様子を遠巻きに遠巻きに眺めていた。
そんな息子さんもスキンケアや容姿に気を遣うようになり、夫(父)さんも同じようにスキンケアをするようになったという。
そんな「自身のパートナーと息子の変化」から、資生堂の広報さんに話を聞いてみよう、男性向け美容クリニックに話を聞いてみよう、「なぜ男は着飾らなくなったのか」、実際に早川書房の男性社員にスキンケア1か月体験をしてもらおうと身近な視点から歴史上の話へという実に新書っぽい内容である。基本エッセイのような語り口なので読みやすさはある。
スキンケア1か月は30代〜50代の男性3人、提出されたレポートがそのまま掲載されている。中には「塩の人」と桜庭一樹読書日記にも登場していた塩澤快浩さんがいる。
「レーザー脱毛は白髪では利用できない(髭脱毛をしたければ毛が黒いうちに)」という一文を読んで、おうそうやったんかと思ったので、誰かに言いたいなあと思って「こういう知見を得たが、言う相手がいないのでYOUに投げつける」と友達にLINEした。友達は旦那さんに言うとくと言っていた。
「(略)もっと厳しく言えば、社会が男性の美容を許さないみたいなプレッシャーにさらされ、とても男性がキレイに整えていいんだ、という考えにたどり着かない人が多いと思うんです。」
情報にアクセスできないことは大きな格差の種である。しかも、ことこれだけSNSが発達してしまうと、「やろうと思えばだれでもも調べられるのに、それをやらなかった自分が悪い」ちおう暗にな自己責任論で片付けられてしまうのだ。
(P102)
なおこの本は2025年3月時点の「何からやったらいい人向けのここからスキンケア」おすすめ商品が載っている。
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