「心中」をテーマにした短編集。最初の話がいきなり青木ヶ原樹海で死ぬに死ねかったおっさんの話からはじまるので黒っぽい話が多いのかなと思ったら救いのある話が多かった。
光かと思ったらきみはポラリスだった。救いがある話もあるとはいえ全体的な雰囲気としては薄暗い。光が指すかそのまま沈んでいくかは話次第。
ほかのひとが「心中がテーマの短編集だしました」っていうなら多分「えっ」って思うんだけど、
まあしをんさん文楽好きだしね。文楽と心中は切っても切り離せない存在だからねと普通に納得した。
好きなのは祖母の初盆にやってきた不思議な男の話「初盆の客」
私は子供のときから夜毎に不思議な夢を見る。江戸時代、私は愛する夫とともに暮らしている「君は夜」
丘の上の高校に通う地味派に類する私・亜利沙と派手グループの頭目初音とある先輩の死。その顛末「炎」
SINKも好きだな。この永遠に埋まらない虚感はよい。
なんだか“文学少女”見習いの、初戀。を思い出す。
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