パリ砂糖漬けの日々—ル・コルドン・ブルーで学んで

新聞社を辞めてパリに製菓留学した人のパリ滞在記。
パリでアパートを買ったりしているので最初はこのままずっとパリで暮らすのかと思ったら最終的には帰国して京都の町家暮らしをはじめる(らしい。賃貸契約を交わしたところでこの本は終わる

製菓留学といってもメインとなるのは日常生活なのでお菓子の写真が載っているとかレシピが載っているとかそういう方向ではない。筆者多田さんはル・コルドン・ブルーという創立110年の料理学校に入学した。

ダイヤモンドという意味の真ん丸いサブレ「ディヤマン」も習った。

(P100)

タラントゥカラットディアマンルゥゥゥジュ(゚д゚)!
レーヌ・ミシェルはピジョンブラッドのイメージが強いんだけど赤いダイヤなんだよなあ。赤色金剛石。
ピジョンブラッドの説明見てたらなおのことそう思う。

フランス人は思ってたより四角四面の上大ざっぱだった。紙命。

アインシュタインは早口で生徒全員に「あなたのフランス語の最終目標は」と聞き始めた。
 カスマンは「上司である医師の指示が理解できるようになること。今は私のフランス語が通じない」と答えた。「通じないのはあなたが弱気だからだろう」と教師が応じた。何気ない一言が緊張の糸を切ったのだろう。「ノン、私は内気なんかじゃない」と震える声が響いた。彼女は両手で口を覆い、涙ぐんだ。
 つられて私も涙ぐんだ。そう三十代。そこそこ経験だってある。でも言葉が足らない異国では半人前でしかない。通じないのは泣くほどせつないことなのだ。

(P83)