「本の雑誌」炎の営業日誌

日記本。今も炎の営業日誌として更新が続いている日記の2004年から2008年5月までの一部(全部を収録するのはできないから選んでちょっと書き直したりもしてるらしい)

本屋めぐりをする営業マンとして・熱狂的浦和レッズファンとして・2児の父として。
本と本を取り巻く環境について。2004年は本屋大賞が始まった年で、それに関することもたくさん。

またネットやメールによって「現在の若者たちほど習慣的に活字を読みかつ書くような若者がこれほど大量に出現した時代っていうのは多分なかったはずだ」というのも納得できる。ただし、である。
だから何なの? と疑問を感じてしまう。
なぜなら僕は出版社で働いているからだ。出版社の商品は活字ではなく、あくまで本や雑誌なのだ。どれだけ若者がメールやネットで文章を書こうが読もうが、彼ら彼女らが、本を買わなければ、僕らに利益は生まれないのだ。(略)
僕が憂えているのは、そういった活字という原材料のことではなく、本離れ、あるいは単刀直入に本が売れないことなのだ。

(P46~P47)

書店員さんの待遇はもう使い捨てといって良いような状態で、意欲があって、能力もある書店員さんが生活のため辞めていかれるのはしょっちゅうだし、ベテランの書店員さんなんていうのは、ほんとうに少なくなってきている。本来書店員という仕事は、経験職のはずなのにこんなことで良いのだろうかと思うけれど、そういうところに追い込んでいるのは僕たち出版社なのかもしれない。

(P103)