とある吸血鬼の兄弟の話 最終巻。
九龍の血統が格好よすぎる件。特にザザとカーサ。戦いとか散り方とかなんだこれ(゚д゚)
ジローを特区に迎え入れるミミコとかバウワウ卿とかとてもきゅんとした。
あとはもう全部何もかも「すごかった」で言い表せてしまうので、余分なことを書くのはやめておく。
まだ物語を反芻している。あとがきのあれこれがまたどっかで見られるといいなあと思いつつ。
「君は……高潔すぎるから。僕には眩しすぎて……」
ゆっくりと、目の前の運河を、空から降り注ぐ日差しが過ぎった。
その瞬間、鈍色に見えた河面が、キラキラと黄金色に輝いた。
美しい光。しかし、あの光にカーサたちが触れることは許されない。あれは太陽の光。命を育む、聖なる光だ。(P428)
「ワイン。私はリズとの約束を守れなかった。けど、お前が生きていてくれるから、少しは彼女にも顔向けができる。愛してるよ。お前のことを、私は心から愛している。だから生きてくれ。そして許してくれ。辛いとわかっているのに、一人で生きろなんて言う、私のことを」
(P476)
裏表紙のあらすじからしてもえの予感しかなかったけど中身は想像以上だった。
ライセン夫婦は至急王宮へと書かれた王からの親書を送られる。で、ライセンとレイデンの人々は王宮へ向かうことに、というはじまり。エルティーナとジスカルドとバルロイ一行の共演だったのでとてもおいしかった。
アリシアとレネに魂を持っていかれるエルティーナとかあっちこっちでデレデレイチャイチャしてしまくっているとか、全体的に楽しすぎる。王様と宰相すきだー。
登場人物紹介のところで相関図ができていたのででかしたぞ!とかおもった。
死神姫の登場人物人数ぐらいではまだ相関図なくても把握できるんだけど(と思ったけど教団方面は怪しいかも)、もっと他のラノベにも普及してほしいと切に願う。特に電撃。ていうか禁書とか成田良悟作品全般。ネット上にも似たようなものはあるというけど、本をちょっとめくったところにあるのが最強だと思う。
図じゃなくても「所属 名前 余白があれば一行紹介」みたいな羅列でもいいので。
「ジスは本当に国を愛しているのよ。……その百分の一でいいから、私のことも愛してくれればいいのにね」
(P104)
「違うわノーラ、湿気を吸ってふくらむのはレーガッタよ。ノーラが倒れてしまったからペーペルザーもやっていたけど。そうだカシュヴァーン様、何か聞かれたら私は悪霊レーガッタ、湿気以外に興味はないと答えますわ」
「……いや、もういっそ何も喋るな。頼むから」(P144)
再読オブ三浦しをんのデビュー作。
可南子は出版社希望の絶賛就活生である。内定はまだ無い。そもそも就職戦線にもあまり出ない。
エントリーシート! とか 圧迫面接! とかそんな感じなので今大学4年生とかのひとにぜひとも渡してみたい1冊。面接必勝本みたいな方向ではないのでその辺は注意あれー。
可南子の一族は政治家の家系なのだった。入り婿の父、亡き母、義母、可南子と半分血が繋がった弟。
親族会議とか跡継ぎとかごたごたしてるけど、その辺の家族の話もとてもすきだー。
「藤崎」の家に住んでいる人間の中で「藤崎」の血を引いているのは、私一人だ。そして明らかにその私の存在こそが、この「家族」を家族たらしめない要因、異物だ。その事実を突き付けられたくないから、私はいつもの生活を崩されるのを嫌う。父がこの家に帰ってきて、家族の構成要因が揃ってしまうことを恐れるのだ。
(P91)
「きっとどこかにありますよ。可南子ちゃんも気に入り、相手も可南子ちゃんにぜひ来てほしいというところが。ちょうど今の可南子ちゃんとわしのように、相思相愛になる会社があるはずじゃ」
心のどこかで、そんな甘いものじゃない、西園寺さんみたいに私を気に入ってくれる会社なんて……という声がずっとしているのだが、あえて聞こえない振りをした。たとえ最悪の事態に直面しても、まだ事実から目をそらそうとしうるのが私だ。(P197)
「だいたい会社、それがひいては『社会』なんだと思うけど、会社が求めるような能力が、そもそも私たちに備わっていないのよ」(略)
「覇気があって、うだつがあがってて、初対面の人とも明るく打ち解けて。そういうのを面接という限られた時間内でアピールできる、か」
「そうそう。そういうことができる人間を、社会人というのよ」(P205)
エーブのターン!
今狩る側昔狩られる側だったエーブがフルールだったころの話。
あとホロとロレンスの話が2編。黄金色の約束のほうが好きだ。
甘いのは仕様なのでふーんと受け流してしまった。なんかもう読み始めたときのようなときめきはないようだ。
それに、あの商人たちの目指している期待の果てになにがあろうとも、一人で追いかけるよりかはきっと二人のほうが楽しいに違いない。その伴侶として、ミルトンはそれほど悪くない。
(P232)
自分自身の言い訳がすらが情けなくて、フルールはカップを抱くようにして泣いた。悔しさもあったし、自分の不甲斐なさもあった。それでも一番の理由は、この先もあんな連中を相手に商いをしていかなければならないのかという恐怖だった。
(P253)
お金持ち学園の、変人が集まる弱小文化部の集まり「マイナークラブハウス」の住人の話2巻。
短編集なのと話ごとに語り手が変わるのは変わらないけど、1巻よりもうちょっと各話の結びつきが強い。
奈緒志郎んちはまるで「悦楽の園」の真琴んちじゃないか(゚д゚)<とおもうなど。ごろごろする。
猫・きゅうりの一人称はすごくハードボイルドだった。あの話が一番ぴりかの内面に迫ってた。すごい。
読むのに体力を使うなー。読んでたら時々とてもそわそわする。
ほんとうに、とてもおいしかった。茹でただけのじゃがいもやパンに、溶けたチーズを塗りたくって食べるだけ、という、一見乱暴なしろもの。『ラクレット』という、サヴォア地方の伝統料理だそうだ。
(P95)
「ありがと。しっかりやれ、二人とも。Happy Valentine!(地獄で会おうぜ!)」
「Happy Valentine!(地獄で会おうぜ!)」
「なんすかその、カッコ閉じるってのは! わけわかんねー!」(P163)
(影ども! これは、おれのニンゲンだ。たとえ、お前たちに馴染む部分がいくらかあるとしても、もしゃもしゃの本質は、健やかな生だ。この娘はおれが、立派な野良に仕込むのだ! 以後、手出しをするな!)
(P262)
エッセイ3冊目。このシリーズはすごく飛び飛びで読んでいるのが分かったので間を埋め中。
ウリナリがやっててケディがでたところですごく時代を感じた。毎週見てたよー。
スペイン旅行の章で、スペイン人に英語で話しかけて、英語が通じず(今は知らないけどスペインではつたない英語は異国語らしい。)スペイン語で返されてなんだか分からない!とか言ってるのに段々聞き取れるようになってるのがすごい。「?とスペイン語だが言われた気がした」でその通りになってるのでびっくりした。スパルタ英会話教室。
深夜に、ふと続き物の漫画を読み始めてしまった。弟の所有物だ。だがどうしても最終巻だけがない。きっと弟の部屋だ。彼は爆睡している。明日を待つのが理性だ。でもどうしても最終巻が読みたい!!
と私は懐中電灯が無かったので蝋燭の火を灯し、弟の部屋でそっと最終巻を捜索していた。
しかし、丑三つ時、彼は捜索の気配に気付いてか目覚めてしまった。
「ひっ……っ!」
目覚めると深夜の暗闇に蝋燭の火がぼうっと浮かび、誰ともわからぬ人影が。
「起こしたら悪いと思って」
と言い訳すると、
「夜中に目が覚めて蝋燭もった人が立ってるの見たこっちの身にもなれ!」(P260)