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ジャニーズ事務所所属アイドルは運よく顔がよく生まれ、運よくジャニーズに選ばれ、運よく人気を得た「特別な星の元に生まれた選ばれしものたち」だと思っていたけどその活躍の裏側に地道な努力の積み重ねがある、という本。

第1部 努力の16人
中居正広、木村拓哉、長瀬智也、国分太一、岡田准一、井ノ原快彦、堂本剛・光一、櫻井翔、大野智、滝沢秀明、風間俊介、村上信五、亀梨和也、中島健人、伊野尾慧
第1部のまとめ
第2部 ジャニー喜多川論(育てる力)

という流れで、ここで名前が出てない人も出るには出てるけど、ページを割かれている、となるとこの辺になる。
ソースの表記がすごく多い。例えば中居くんの「話すのは、正直苦手なんですよ(*2)」のように参考文献が明記されている。だいたい雑誌のインタビューで、2008年以降。
合間を縫って毎日本1冊読んで映画3本見る(10代の岡田くん)、とか移動時間を利用してガンガンインプットする(太一くん)とか、映像作品の編集は必ず立ち会ってがっつり関わる(光一くん)とかこの世界で生きていくためにしている努力がすごい。
そら蜷川監督も「なんでジャニーズの方が努力してんだよ! お前らより売れてる奴らがよ! 全然説得力ねえよ!」っていう1

「ジャニーズの場合は、ジャニーさんが、きっかけを作ってくれて、あとは自分のことは自分で磨いていくというか、だから、ジャニイズム2は人の数だけある。(中略)みんなちがっていいし、だからこそバラバラな個性がグループになったらおもしろくもなったりする」

才能とは死ぬ気で身につけるものである、という本。
彼らはどういう道のりを辿っていまの位置にいるのかということを、陰謀論や過剰な思い入れ抜きで膨大な資料からまとめられているので、「エンタメでプロフェッショナルの仕事」が好きな人によい本なのではないか。

  1. NHKのドキュメンタリーでの話。自分の劇団所属で、まだ売れてない若手俳優に檄を飛ばす []
  2. ジャニーさんはショービジネスは楽しいという風に教えてくれる。この世界でやっていく欲を叩きこむのではなく引き出してくれる、という滝沢秀明が語るジャニー喜多川の教育姿勢 []

「お金の増やし方」について書いて欲しいと依頼されて書いた本がこれである。
何故そんな依頼をしたのだろうか、自分はお金を増やした経験などない。庭に線路を敷いて自分が乗れる鉄道を走らせたかった。もっと儲かるバイトはないものか、でも土日も出勤しているし勤務時間の倍ぐらいは仕事をしている。でも夜は空いている。小説を書いてみた。売れた。年収1億超えても普通に出勤して16時間ぐらい勤務していた。印税収入が20億超えてもマックのハンバーガーセットぐらいしか外食をしていない。別荘地を買って自分が乗って鉄道は走らせる夢は実現させた。
と、そういうはじまりをする。そんな人おらんやろと思うけど、書いているのが森博嗣なので、森博嗣ならまあそうなんだろうなと思う。
この本はお金との付き合い方との本だ。

収入に応じた生活のデザインをする(森家は収入の1割はそれぞれ自分のしたいことにお金を使おうという約束をした。)
「どれくらい必要か」ではない「どれくらい欲しいか」だ。これは必要なものだという認識でお金を使い切るのは贅沢だ。
「お金がないから、時間がないからできない」という人は、実は本当にやりたいことが分かっていない。具体的に質問していくと答えられない。本当にやりたい人はなんとか工面している。自分が好きなことをやっている人は時間とお金が潤沢にあるのではない。実際は苦労して生み出している。目的のためには犠牲が必要である。

損を先に、得は後からする。

小説を書いたことに対して、好きなものを仕事にしなかった。小説家には憧れていなかった。パソコンがあればできる仕事だと次の日に書き始めて睡眠時間を半分にして書いた。好きなものは得意になるかもしれないが、僕(森氏)が観察した限り客観性を持て自分を見られている人は少ない。

音楽を聞く・演劇を見る・スポーツを観戦するというのは突き詰めれば簡単な消費である。楽しいし、仲間もできるかもしれない。その時間が終われば何も残らない。そこでもう少し探求・研究という場面に踏み込むと話は違ってくる。消費ではなくなる。自分に何らかの知識を得たりレベルアップする。レベルが高くなると周囲に何かを依頼されたり指導してほしいと頼まれたりするかもしれない。

ZIPや鉄腕DASHのダッシュ海岸でおなじみの日テレ桝アナの著書。
海の生き物の話がメインかと思いきや大半はちょうちょである。卒論こそ海関係だがそれまでは蝶々を追いかける生活だったようだ。これは10代向けの新書として書かれているためか主に小中高のあたりにスポットが当てられている。
実は小説を読みふけっていたこともあるとか文系科目が得意だったのに理系受験を選んだので苦労した話とか書かれている。面白かった。

ブログや講演会でよく質問として聴かれがちなベスト50。森博嗣「?森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在の類似、だけどこっちは「脳科学的にはこうです、じぶんはこう思います」

登場する質問としては
・ストレスが溜まって毎日苦しいです。何か解決方法はありますか?
・自分に自信が持てません。どうしたらいいでしょうか。
・周囲の人に頭がいいと思われたいです/自分は頭が悪いです、どうしたらよくなりますか?/頭が良いとはなんでしょう
・一目ぼれとは脳の働きからするとどういうことでしょう
・旅行することは脳に良いですか?
・超常現象とは脳が認識したと思い込んでいるだけですか
・AIが人間の脳を上回るようになったら私たちはどうすればいいのでしょう

など、一般的によく聞く「お悩み相談」から「脳科学者に聞いてみたい脳の疑問」「勉強することについて」など、面白く読んだ。
ストレス対策については「自分でコントロールできること」と「できないこと」を分類してできることについてはベストを尽くす、できないことは諦める
ストレス対策としてはまず「ストレスをためている」という認識を持つ→次にぼんやりする時間を持つ(ぼーっとするとデフォルトモードネットワークが活性化し、普段は無意識下にあるものが顕在化し意識化しやすくなる)→浮かんできたものがストレスの原因、ここに焦点を当てて連想することを考えてみる整理する整う。

トラウマ治療で最近注目を集めている「プロロングド・エクスポージャー」ある程度トラウマに向き合える覚悟ができてから。
何故トラウマになっているのか、何を感じたのか、どう乗り越えたのか、だれがどのように助けてくれたか時間をかけて振り返る。
トラウマ経験は抑圧しない。

旅行は必然と偶然の間にある「偶有性」に身をさらすこと。旅行は人間の脳本来の潜在能力を発揮するのに非常に有効。
移動することは人間の本能。移動することに対するメリットは新しいものとの出会い。新しいものとの出会いは多幸感を伴う神経伝達物質が大量に分泌される。脳の神経細胞に同じ刺激を与えると「はじめての経験」には大きく反応する。

人の幸せとは、自分の「ゴールデンタイム」をいかに充実して過ごせるかどうかだと、私は思います。生活を誰かにあわせるのではなく、自分が一番力を発揮できる時間帯に集中して生産し、結果を出す。これがベストです。
朝に結果が難しい人は、「夜型」あるいは「夜に知的生産をしなければならない」ことを受け入れて、結果を出す。これでいいのです。

(P31)

朝活がもてはやされやすい時代に夜型人間は夜に活躍して結果を出せばいい(そのつもりで職業選択もすればいいし教養を身につけるために本を読め こういうテレビを見ると穏やかに寝られる、深夜番組は自由でいい、ラジオもいい、映画やドラマは他人の人生を体験できる)という本

知的生産をするためにはまずインプット。良質なアウトプットのためには知識や教養というインプットが必要。
知的生産とは当然ながら知性が伴う作業、では知性とは何か。それは決めつけや思い込みに縛られず視点を自由に移動できること。たった一つの視点でこれはこうだと決めつけそれにとらわれている人は「知性がない」ということになる。

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

読書をしていないとはいえ文字を読んでいないわけではない。むしろSNSではめちゃくちゃ文字を読む時代。その中で本を読むことの効用、みたいな本。
特におっと思ったのは

驚くべきことに驚けるのは、実は教養があるからです。知識豊富で教養豊かな人は、もうあまり驚くことがないのではないかと思うかもしれませんが、逆なのですね。知れば知るほど、心の底から驚くことができるのです。知識がないと、何がすごいのかわからない、ぴんとこない、となります。

(P99~P100)

ここな、ほんまそれな。
先日NHKのドキュメント的なやつでやってたけど、北海道医科大学ではじまった新しい治療の、頚髄損傷の四肢麻痺の患者がその治療をすることで1年未満で独歩で退院するっていう治療がどんだけ魔法じみているかは知ってるからすごさがわかると思う。
お台場の未来科学館でみたやつ、「たぶんめっちゃすごい技術で動いてるのは分かるけど、どのぐらいすごい技術なのか分からん。おどろきどころがわからん」っていう感想だったもんな。

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

想定以上に攻撃力が高かった……。小説のほうはまるで読んでなくて第2図書係補佐とかは読んでる。
2章の「創作について」と3章の「なぜ本を読むのか」がすごくよかった。

僕が本を読んでいて、おもしろいなあ、この瞬間だなあと思うのは、普段からなんとなく感じている細かい感覚や自分の中で曖昧模糊としていた感情を、文章で的確に表現された時です。自分の感覚の確認。つまり共感です。
わかっていることことを分かっている言葉で書かれていても、あまり共感はしません。(略)自分の中で散らかっていた感情を整理できる。複雑でどうしようもなかった感情や感覚を、形の合う言葉という箱に一旦しまうことができる。

(P114)

これをやっていったのがこちらになります。

僕は僕の好きな小説を、みんなが読んで、一緒に夢中になれたらいいなと思っています。一方で、これが売れなかったらおかしいだろともまったく思いません。僕は面白いものが読めて幸せだし、今後も読み続けていきたいので、素晴らしい才能の作家さん達が自分の創作活動に手ごたえを感じて頂けるように読者として「これはおもしろいのだ」と全力で言い続けたいというスタンスです。

(P96)

何を想定していたかというとはいとあるアイドルですね。
colorful | S+h(スプラッシュ)デビュー1周年おめでとう!
それな! めっちゃそれな!!! というしかない「首がもげるほど同意」というあれに出会えた瞬間というのはすげーな!!って思うのよ。
かといって「自分は下手だしほかの人も書いてるからいいや」っていうのも嫌で自分が書きたいことは自分にしかないからできるだけ手は尽くしたいぞ。色んなことに対してこうかこうか? と考えてはいるけどうまいこと言語化できてる気がしないときはあるけど、それはそれだ。

本を読むことについてもまたそんなかんじでたくさんあったんですけどいちいち引用しきれないので、読みながら「それな」ボタンがとてもほしかった。攻撃力高いけど読むのもやめられなかった。そんな本でした。よかったぞ!

池魚の殃 鬼籍通覧 (講談社ノベルス)

鬼籍通覧5年ぶりの新刊。何か随分と様変わりしてしました……。
でも中身は一緒です。解剖して飯食う人々があって謎があって、解決します。
今回は「ミステリだと思ったらホラーだったよ!?」展開ではありません。
鬼籍通覧は壺中の天が最強にこわくておもしろいって思うんだけどあれはホラーだもんな。

いきなり崇が拉致られて真っ暗な空間で目を覚ますと言うシーンからはじまるのでなんだこれはと思う暗闇劇。最初から割と医学用語がぽぽぽぽーんだった。たんこぶって言わないで皮下血腫っていうみたいな。かと思えばアスピルが出てきたりする。まあ分からなかったら分からないでなんとかなるものだと思います。

相変わらず筧君がいいやつです。大型犬です。

解剖シーンは軽いノリで胴体から下ないよみたいなあるんですけど、あーこの唐突に大変なご遺体出てくる感じ懐かしいって思った。次はいつ読めるかなーーー。

活字アイドル論

AKB48裏ヒストリー ファン公式教本
ももクロ活字録 ももいろクローバーZ公式記者追っかけレポート 2011~2013
この2冊のメイキング本でもあった。わたしプロレスもAKBもももクロも大して知らない(名前をいくらか知ってるレベル)ンですけどこの本おもしろかった。
わたし+アイドル=シャイニング事務所なわけですが、まあだいたいそんな感じです。

あくまでも最高峰にあるのは、ライブの現場。
その次に映像作品があって、活字はあくまでも三番手。本当に一番下にある存在である。(略)ライブや映像では伝わりにくい、細かい部分を拾い上げることで、連続のドラマ性の部分を分かりやすく提示する……そういったものを複合的に提供する"副読本"が「活字アイドル」のポジションだと思っている。

(P166〜P167)

昔、海外の特派員から届いた一枚の写真から、必死になって想像を膨らませて、まるで現地で見てきたようなページを作ってきた経験を、いろんな意味で練り上げていったら、こうなりました、というような記事である。

(P184)

プリツイのひとことでSSを書く私みたいじゃないですか……なんていうか全般的に分かる分かる! 分かるよーーーー! だった。そういう本を作りたい、とおもった。
製作裏側を読んで楽しかったので裏ヒストリーか活字録かどっちか読んでみようかなとか、クイックジャパンのももクロ特集(SH特集があるのでいくつかは持っている)を開いてみようかとかおもっている。

ようこそ、古城ホテルへ 湖のほとりの少女たち (角川つばさ文庫)

魔山を追放された魔女、所属を失った軍人、「普通の女の子」になりたい娘、亡国の姫君。
居場所を失った4人の少女が呼び寄せられた古城ホテル「マルグリット」で女主人を目指す物語。
現主人リュシエンヌの審査に叶わなければマルグリットからも出て行かなければならない。
4人はそれぞれ与えられた塔で客をもてなすという試験に挑むことになる。

最初はばらばらで剣呑な雰囲気だったのが一致団結しだしたあたりでとてもほんわかする。
フェノンのところに来た客は千と千尋の川の神様っぽい。
まあ一推しはジゼットですよジゼット! 悪いがお祈りは心の中ですませてくれっていうあのイケメンぶりな。
あとマネーロンダリング笑った。

「あたくしはもうなにからも逃げない。そしてもうなにも諦めない」
彼女には力はなかった。国も、味方も、なにひとつ。それでも彼女は、強い瞳で今と未来を見据えてこう言った。
「戦うわ」

(P112)
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