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うつ歴十年、色恋妄想

タイトル通りのエッセイです。そんなに明るい方面ではないけど妙に惹かれるものがあったので……

布団かぶり、とも称している。うつが来たら文字どおり、寝床から出られなくなる。いったい今度で通算何百回目だろう。(略)軽いときには長風呂や長散歩、幸運なら半日ほどの布団かぶりを経てうつは遠のく。原稿も下書き程度なら書ける。が、重くなるほど薄い眠りと濃い不安感と、深い絶望感とに交互に襲われ、ひどくなると一日二十時間くらい布団から出られない。

(P8)

こんな感じで始まる。
入眠エスコート(シマシマ みたいな感じ)は商売として成り立たないかと考えたり、旅先(海外)で会う予定の彼氏にドタキャンされて、ファミリーとカップルが泊まる部屋にはさまれて「もうひとりで○○するのは嫌だ!」と延々書き殴ったり、北米の自殺防止センターに電話をかけたりとても赤裸々だったりする内容でした。ちなみにうつ病の完治が本の終わりではないです。

再婚生活をちょっと思い出した。
再婚生活はここまでではないけど。

彼女は、わたしが泥沼の底から這い上がる間ずっと伴走してくれた。ゆえに、再びわたしがへこむのを想像したくないのだ。うんと若かったり、場所が離れていたりする相手に惚れた挙げ句、恋煩いが重篤状態に陥ったり、あっさりフラれてうつ地獄へ逆戻り。そんな展開を恐れるが故の助言と解釈している。

(P177)

めっちゃ心当たりある、と思った。(友達がここ数年このパターンなのだ

刺激的生活

生活に根付いたエッセイだった。
検査とかゴミの分別とかジムに入会すること数度にわたるとか洗濯乾燥機と戦うとか。
軽く読める。おもしろい。

が、その先、五十キロはどうしても割らない。体重計の針が五十以上に固定されてしまったかのように。
十の位が常に四であり続けたのは、過去のことか。2度と還らぬ数字なのか。

(P78)

みみがいたい。

伊坂幸太郎×斉藤和義 絆のはなし

対談とか年表とか仕事風景とかそんな感じの本。
どういう人なのか知りたいよ、みたいな人は読むといいかも。

対談2本収録されてて、それぞれゴールデンスランバーが書き終った所と出版後ぐらいの時期。
ゴールンデンスランバーが本屋大賞受賞したときの、どこかの新聞に載ってた万城目学さんのエッセイで「桜庭さんが『伊坂さん可愛い!』ってキャッキャウフフしてたー」って感じのことを書かれてた覚えがあるんですが、ほんとうになんか、伊坂さん可愛いです。
最初のほうはなんか「どれぐらい斎藤さんのことを好きか」について喋ってる気がする。

斎藤さんのほうは「知らない人だ……」って思いながら読んでたけど最後のほうのページで「歩いて帰ろうとかもそうですけど」ってあって、むむ?と思って脚注をみてみたら「ポンキッキーズで起用され」とある。
歌歌えるぐらいには知ってるよーーーー!って思った。テンション上がった。
しかし次のページで対談は終わりである。しょんぼりした!
あと歩いて帰ろうで脳内再生候補が後ひとつあって、そっちは高音女性声で、なんだこれはーとしばらく考えてたらボイパが入ってきたのでぽち@ハモネプだーーーーって分かった。

——女性で好きなタイプ、苦手なタイプというのはありますか?
伊坂 メールで絵文字や顔文字を使うのは、嫌悪というか嫌いで、使っていなかったんですよ。でもこの間初めて(斎藤さんの曲を聴いて)編集さんに「斎藤さんの曲、すごくかっこいいですヽ(´▽`)ノ」って送りました(笑)。何でもかんでも使うんじゃなくて、ちょっとしたニュアンスを伝えるのにはいいかもしれません。

(P50)

伊坂 自分の仕事はあくまで小説を書くことだけですし、映画の力を借りて爆発的にヒットしたい!とか、そういう気持ちもないですし(笑)、映画の原作を書いている人って思われたら、つらいと思うんですよね。だからなるべく、映画になることで自分の仕事に影響がなければいいなあ、と最近は思っています。

(P103)

——斎藤さんの仙台のライブのときに、伊坂さんがファンから「伊坂さんですよね」って声をかけられていて、「よく言われるんですけど違うんですよ?」っておっしゃっているのを目撃してしまいました(笑)。
伊坂 本当に(人前が)怖いんですよ。

(P105~106)

神曲奏界ポリフォニカ リベレーション・ブラック 神曲奏界ポリフォニカシリーズ (GA文庫)

どこかに置き忘れてきたかのように淡々としているマティアの感情が爆発するの巻。

ようやく過去編に入りそうな雰囲気です。今回はマティアの過去がちらりと出たところ。次はマナガ?
(ちなみに私はキネ版のほうはどの色の分も追いかけてません
6巻のラストにあった一晩にしてマティアの髪が元通りについてもちらっと触れられるも、ほのめかす程度でした。あれからもう1年半経ってるらしい。

「あなたが救い出してくれたおかげで、私は今、ここにいます」

(P341)

イデアマスター (バーズノベルスGLASS HEART)

永遠の未完になるかとも思った、10代のときに読んでた本が完結するというのは感慨深いというか妙に寂しいものがあります。なんか凄く面白かったんだけどなんだろうかこれ。

朱音のキャラあんまり変わってなくてよかった!
イデアマスター一人称で視点が話ごとにころころ変わるけど(坂本藤谷朱音ユキノ)やっぱり朱音のが一番しっくりきた。コゴエノイロの坂本と朱音は可愛いなあ。
ていうか坂本君が全体的に可愛い感じのキャラになってた。サラダ油のくだりとか、「コゴエノイロ」全般的にとかストロガノフとタッパーのところとか、プロポーズしてたりな。
打ち上げで朱音が東京に帰るならバンドクビだよ宣言したあと坂本と一緒に帰ってて「西条に謝る話がある」って言ってるシーン、別れ話?ってとてもどきどきした。

高岡尚→朱音の呼び方が「アカネ」になっててとまどった。あれ源治さん?その割に喋り方がマイルドだよっておもった。この人西条さんとかアカネさんとかあなたとか女子高生とかは言ってたけど呼び捨てキャラではなかったはずなんだ……あとギター屋さんと歌う人の組み合わせはよいね。可愛らしい。でもミドリが実に可哀相だよ。

イデアマスター1(センセイ一人称)は何が始まったのか分からなくて、喋ってる分には藤谷なんだけど中身は見えなくていいよ! みたいな。読むのにすごくHPが必要だった。

ユキノはいいヤンデレになってた。熱の城よりもっとあれげな。
ヤンデレは桐哉担当だと思ってたんだけどなー。少なくともこの巻の桐哉は普通の人寄りだったな。

個人的にラッシュの存在意味がよく分からなくて、グラハースピンオフ? にしてはあまりにもギター屋の存在感が薄くてAGEに収録されてる短編みたいだ! っておもった。

私オーラバはヘヴンズ・クラインぐらいで脱落したしイズミはスーパーファンタジー文庫分しか読んでないし、メガロとかにも手をつけてないのでこれがラスト若木作品になりそうなんだけどグラハー新書版が出たらまた買うんだろうなあって思った。我が家のグラハーもうぼろぼろなんだよな……

「知ってるよどうせ僕ら仲悪いよ、だけどこれラブソングなんだから愛し合おうよ!」
「はいちょっと待ってー、質問します。まさか、あんた俺に対して歌ってるわけじゃないでしょ、このラプンツェル」
「うん、俺が好きなのは別の人。すみません」
「うわ即答?」
「あっごめんね! 高岡君も好きです、俺の人生ランキング6位ぐらいです」
「俺は藤谷クンなんかランク圏外です」

(P21)

「俺が思っていたより生産性が高い。サラダ油は偉い。健康で前向きすぎる。しかも強靭だった。俺が甘かった。未知の世界だった」
「坂本くんの頭の中で『油』っていうと、まだガソリンとか灯油だったんだ」
「そう。駄目だ、俺の世界が狭い!」

(P72)

船に乗れ!〈1〉合奏と協奏

これはいい青春音楽小説!

語り手は大人になって随分経った後の僕、津島サトル。
サトルは音楽家一族(音楽家でないのはサトルの両親のみ)の中で育ち、走れるようになるぐらいにはもうピアノの前に座らされていた。中学の頃はピアノはやめてチェロをはじめ、芸術高校入学を目指して必死に練習と勉強に励み、ニーチェに傾倒して、心の中では下位を見下ろす上位の人間のつもりだった。いい中二である。
そして結局は芸高受験は失敗し、祖父が学長をしている学園の高等部音楽科に通うことになる。
幼稚園から大学まであるけど共学は大学と音楽科のみ、今年の男子音楽科受験生は7人のほぼ女子校学園。

サトルのいい中二病ぶりにときめきすぎたよ!
一緒に下校する友達がいないのも昼休みにクラシックのCDをかけようとしてしらけられたりするのは彼らが僕のレベルについてこれないだけで、彼らに同情する必要はないし高貴な人間は自分を基準に物事を判断する、とニーチェを読んで理解した(と思いこめる幸せを持っていたとのちに現代のサトルは語る)

オケ合宿での鏑木先生の怒鳴りぶりがすごい。のだめSオケ編の千秋なんか目じゃない。
全員が同じテンポで弾ける、楽譜通り弾けることなんて当然、それどころか指揮者の要求に応じられることができることが求められている。しかしオケ結成してからまだ数ヶ月のオーケストラである。今日できたことが明日もできるとは限らない。だから「音が出なけりゃ出るようになるまで一人でやってこい!」と罵倒され「時間の無駄だ」「ポンコツオーケストラ」と失望される。

難敵難曲にぶつかって叩き潰されても立ち上がって成長していく姿は10代ならではですね。
オーケストラ発表会にホームコンサート、祖父の弾いたバッハの曲の意味とか眩しすぎます。

現代のサトルにいたるまでいかなる挫折があったのか続きがいつ出るのかすごく気になるところ。
2巻への引きもありますが、1巻だけでも十分まとまっています。
「さよならピアノソナタ」が音楽小説として好きな人にはとてもおすすめしたい一冊です。

恋というのはうじうじして神経質で無意味で、馬鹿げた妄想に満ちており、食事もチェロの練習も睡眠さえも、どうやってするのか忘れたようにぎこちなくなって、誰もなんにもいわれてないのに、恥ずかしくなったり腹ただしくなったりする、そんな陰湿な感情の総体だ。

(P156)

「こんなの私、一回で完璧に演奏できると思ったんだもん! こんなに間違えるなんて思ってなかったよ! ちっきしょー」
南は憤然とヴァイオリンを構えた。
「もう1回。次は絶対合わせる!」
僕もメトロノームを動かして、弓を弦にあてたが、引き始めようとして吹き出してしまった。

(P198)

吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)

サブタイトルが「委員長の初恋」であらすじも初恋ぶりが押し出されてるけど、内容は進路に悩む図書委員長ワンちゃんの話。メインはこれ進路相談だよな……
1巻のほうがまだ恋愛成分あったよなーと。あと標準語で読みたかったと書いたけど、標準語だったら多分手にも取ってないよな。地元が舞台だから読んでる、みたいな。友達の昔の日記帳読んでる気分だ。

内容は相変わらず方言で会話がされています。ちなみに私はこの2倍はまだ訛ってます。
分かりやすさをとったのか地域差なのか単に間違えたのか、会話文中のら抜き言葉が修正されていたり、「かまわんよ」とか言ってたり、「ええんじゃないん?」とかいってたりが気になりました。
特に「ええんじゃないん」は中途半端に交じり合って言葉の響きとして気持ち悪い。
ほかはルビふるぐらいには徹底してるんだからそこは「かんまんよ」であり「ええんちゃうん」だよなあと思いました。

言葉の壁もあるし地元民ゆえの物珍しさで読んでるのでおすすめはしません。
やっぱり小説で使う方言としてありなのは近畿地方のことばだよなあと思いました。

狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)

ハスキンズが好きだ(*´∀`)老羊。今回は狼と香辛料と羊ですね。
今回食べ物おいしそうだったな。羊の肉はまだ食べたことがないのです。

ロレンスホロ好きすぎるなーとか思う描写があったり、いつもとは違う方向の(ロレンスを丸め込むためではない)弱さをぶちまけてたりしたので、凄く距離が縮まったなあと。ホロがロレンスをフルネームで読んでたのが印象的。

CHICAライフ

ユヤタン面白かったよな……と思って再度借りてくる。
そしたらその日の夜のついったーがユヤタン祭りだった。何なの予知なのっておもった。
タイムリーで凄くびびった。

笑えるエッセイを好きな人に。あと佐藤友哉ファンにも。だめんず率たかいです。

さらには美術館や映画館に行ってもチケットを買うことができない。待ち合わせ場所が分からなくても交番や通行人に聞けないので、しょっちゅう道に迷う。知らない番号の電話には絶対出ない。美容院などもってのほかで、髪型はすべて自前なため、素人のくせに妙にカットが上手い……等々、その極端さは日常生活に支障をきたす域に達しているのだった。

(P127)

ランブルフィッシュ(10) 学園炎上終幕編 (スニーカー文庫)

ランブルフィッシュ最終巻。
エピローグは覚えていたけどそれ以外はすぽんと忘れていたので初読のような新鮮さ加減。
・序章の奈緒先生のイラストが可愛いよ
・忍黒い。それをいってたらランブルフィッシュ上級生以上はみんな黒いけど。
・ナルシ凄いな。見せ場用意されててよかったな!
・加藤と林崎(祖父世代)からは最強爺の匂いがした(←とても好き
・ハーフタイムショーがよい。いいハッタリ

「いじめてやる、いじめてやる、いじめてやる……のこのこうちに遊びに来たりなんかしたら、たっぷり地獄を見せてやるんだから……」

(P405)
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