人の手帳がのぞき見できるあれです。人の鞄の中身と手帳の中身と本棚の中身は魅力的。
この本に登場する人は文房具メーカーのSNS担当の手帳とインスタグラマーの手帳で、能率手帳もいるしほぼ日手帳もいるしフレックスノートもいるしジブン手帳もいるしシステム手帳もいるしバレットジャーナルやってる人もいるという感じで種々様々。個人的にはほぼ日手帳weeksで内容のせてる人ってtwitter上でも案外少ない割にこの本では多かった(ということはインスタでは案外いるのかな)
キラキラ手帳の人もいるしがっつり実用っていう人もいるし読みごたえはあった。あ、デザインペーパーって折り紙? どうやって使うの? って思っていた疑問も氷解した。個人的には手帳複数持ちの人にはもうちょっと詳しい話を聞いて見たかった。
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何かというとFGOの土方さんと刀剣乱舞のへしきり長谷部の話をして急に夫婦の話に数行舵を切る本で、この類で著者が女子だったりすると腐ってる率が高いような気がするんだけど、夢女子だと書いておられた1。かなりパンチの強い夢女子だった。でもオタク的に含蓄の深い話がボロボロ出てくる。面白かった。
回すしかないのである、経済を。
(P100)
大体オタクというのはスぺランカーぐらいよく死ぬし、ちょっと目を離したら何か沼にはまっているという、注意散漫な生き物なのだ。
(P92)
オタクというのはつくづく、死ぬチャンスに恵まれている。
まず「萌え」というもの自体が体に悪いのだ。何故体に悪いかというと、シャブが体に悪いのと同じ理屈だ。特に幻覚をよく見るところが似ている。強い快感があるが、その代償も大きいのだ。(P125)
JPEGに金を出しているわけではない。たまたま推しがJPEGに描かれていただけなのだ。
(P120)
オタクにとっての敗北とは「後悔」のことだ。いかにこの後悔をなくすかがオタクにとっての課題だ。行きたかったイベント、舞台、ライブ、欲しかったグッズ、これを時間や金銭的理由で諦めた時、それに対して1ミリでも後悔したら敗北である。
(P187)
だから、俺が長谷部に「愛しています」とか言ってほしいと願っていると思ったら大間違いだ。
長谷部に言ってほしい台詞第1位は不動の「こんなに、尽くしたのに……」だ。
どういうシチュエーションかは聞くな(永遠と言えるほど長くなるから)。(P30)
- 「私は乙女ゲーも好きだが、乙女ゲーでも何でもないゲームを乙女ゲー視点でやるもっと性質の悪い夢豚だ。」 [↩]
「同性愛者についてのあるある質問に答えていく」というスタンスで、とてもライトなノリで語られているLGBTと接する心構え的な入門書だ。
「いつ自覚したの?」「初恋っていつ?」「ゲイの友情と恋愛の境目は?」「腐女子ってどう思う?」ていうものから
そりゃそうだよなーーーと思ったのは「同性婚って必要?」「同性愛者は『生産性』がないの?」の項目だ。
引用するととても長くなるので端折る。
結婚について、どんなに愛し合っていても法律上はただの他人、愛は法律には勝てない。パートナーであることを社会的に証明できる結婚は素晴らしい制度。結婚するしない、したけど離婚する。そういう男女には当たり前に選択できる制度が同性愛者にはない。事実婚でいいじゃんなんていうのは個人の主観で、結婚する権利が与えられないのは別問題。「結婚する」「結婚しない」を選べることに意義がある。そういうのが真の意味で平等な世界だっていう話をした後にする、2018年かなり話題になった「同性愛者は生産性がないのか」という国会議員の発言についての項目がすごいぜ。
ちなみにフフって思ったのは「SexyZoneの佐藤勝利から目が離せない」という項目だ。鈴掛さんはハロプロ(特に娘。)が好きでセクゾンも好きだそう。わたしのタイムラインにめっちゃいそう。
あとこの方歌人だそうで、途中に挟まれる短歌が「加藤千恵が好きな人は多分好き」って感じのすごい好きなやつ。
読み終わったのちょっと前なんだけどしみじみおもろい本だったので。
ある男性がずぶずぶジャニオタになっていった記録です。はじまりは2002年、まだ今ほどメジャーじゃなかった頃の嵐。
嵐→関ジャニ→今井翼→キスマイ(藤ヶ谷大輔)→Jr担という経路をたどっているのですが、長らくジュニア担だった1人曰くリアルwwwっていってました。
人がアイドルにすっころんで行く様を見られるのでそういうのが楽しい人にはとてもおすすめです。わたしこれを読んだ後しばらくは藤ヶ谷認識能力が上がって(゚д゚)? ってなった。
アイドル沼転落記であると同時にジャニーズで学問しようとしていた一代記でもあります。修士論文は実際ジャニだったようですが博士論文はまた別のもの……。この辺の経緯も書かれていました。
- ジャニーズWESTデビューおめでとうございます [↩]
朝倉かすみ、中島たい子、瀧波ユカリ、平松洋子、室井滋、中野翠、西加奈子、山崎ナオコーラ、三浦しをん、大道珠貴、角田光代(敬称略)による酒にまつわるエッセイ。
お母さん。何度も申していますが、ジョッキ2杯のビールなんて、大半の酒飲みにとっては、本当に水みたいなものなんですよ。酔っ払ったり記憶をなくしたりといった体に悪影響が出るような酒量じゃ、全然無いんですよ。
(P136)
そして未だに、私は自分が酒飲みのどの位置にいるのか、わからない。つまり、私の飲む量が、多いのか少ないのかふつうなのか、分からない。
(P169)
これに激しく同意する程度の酒飲みです。
わたし自己認識では並程度に飲める口と思ってたけど割と飲めるほうだと思ってたんですがどうやら割と飲めるほうらしいと。え、カクテル上から順にとか果実酒5種類あるから全部飲むとかやらないですかやらないですか。今の職場の飲み会は20台前半〜半ばが多いので「大学生よりひどい」やかましい飲み会です。
ビール飲んでると大抵誰かが注いでくれるので最近は何杯飲んでいるのかいまいち分かりませんが2時間ぐらいは飲んでます。
三浦しをんさんのエッセイが祖母が亡くなった当時の弔い酒の話でした。弟さんすごかった。
(四国を)一周してみたい・(八十八ヶ所を)全部回ってみたい・いっぱい歩きたいという理由でお遍路開始。
ろうそくやら線香を割愛したエコノミーかつ民宿利用の区切り打ちである。
春になったからそろそろお遍路さんを多く見る季節がやってくるのである。
わたしは極当たり前にお遍路さんが歩いている環境で生まれ育ったのでよそから見るとどう見えるか知らない。なのでこの本はその別の視点から見えるっていうのが興味深い。
ちなみにこれと同じ時期の日記が載っているのがスットコランド日記 深煎りである。
なかには新町川にエイが出没した記録もあった。懐かしい。
そして鮎喰川にキャッキャウフフしていたのでそうかそれが既に凄いのかと驚く。
うんいや関東から来た人たちも新町川見て「中心地でこの透明度はおかしい」っていってたもんな。
私には香港人の友達がいて、日本が好きで、もう何十回と旅行に訪れているのだが、日本のどこが一番よかったかと彼に尋ねると、四国と即答する。人がものすごく親切だったというのだ。思えば、それも納得できる。彼はきっと、知らず知らずのうちにお接待文化の真っ只中を旅したのに違いない。
(P102)
いいよねなんか嬉しいよね。
わたしNHKの四国ニュースはほぼ見ない(=四国他県のニュースに触れる機会がない)ので同じ地方といえど関西のほうが馴染みがあるのでなんとも「四国」としてのひとまとまり感はないんですけど。
ちなみにマチアソビオフ主催のときのは「お接待してくるわ」というて家を出ます。
「オフ」とか言わないでもこっちのほうが理解されやすい。
51番の石手寺のところがやたらとおもしろかった。あの写真の攻勢はやばい。
多くのお遍路が、四国を特別な土地を思い見なし、ただそこにいるだけで感動したり、感謝したりする。冷めた目で見れば、へんろ道の9割以上はアスファルト道路で、中にはトラックがばんばん走る国道に過ぎなかったりするにもかかわらず、それは美化され、心の中で光り輝いたりする。
なかにはそうして美化することに反発を覚える人もいるだろう。だから、これから新たにへんろ道を歩こうとする者はみな、その一歩手前のところで、判断を求められることになる。
すなわち、この幻想を受け入れるか否か。
四国幻想にどっぷりハマるか。あるいは拒絶するか。(P274)