カテゴリー「 ライトノベル 」の記事
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この学校には「生徒はなにかのクラブに所属しなければならない」という校則がある。
体育会系の部活で怒鳴られながら汗を流すのはちょっと、でも文化系クラブにありがちな「○○について熱く語りましょう」のような熱意も好きなものもない。となると残りは委員会活動しかなかった。
そうやって無気力高校生三並英太は図書委員になった。週2回のカウンター業務は東雲侑子というなにかしら短編集を読んでいる女子とやっている。
びっくりするほど「普通の高校生」の青春恋愛小説なのである。
押しかけ女房的な「兄の彼女で初恋の人」はいるんだけども、NO異能NOファンタジー。
東雲が好きな短編集が「エレンディラ」なので七竈を思い出した。七竈はエレンディラっぽいというのを桜庭一樹読書日記で見てから気になっているのだ。
ところで、ロミエマリガナ=東雲≒宇宙人的な存在とか一瞬思ったりしました。東雲の秘密はもっとあれなことなんじゃないだろうかと思った。実は人間の研究の一環として小説を書いてるんだよ!みたいな!
煌国・太子近衛武官である結蓮のもとに太子を襲う妖怪が現れたと聞き、太刀を片手に現場にかけつけた。
婚礼の夜、花嫁衣裳をまだ身にまとっていたころの話である。結蓮がこれを繰り返すのは今度で3回目になる。それほど太子に心酔している結蓮はは妖怪退治の腕を買われ封陰省へ移動となったのだ。
武器庫が盗難に遭い、4本の太刀が奪われ現場には5年前後宮を襲い、そのまま行方をくらました妖怪業焔の残滓が発見された。
シリーズ1巻とは思えないぐらい色んなものが盛られていて、登場人物が多く、いきなり色んな事実がオープンにされ、もうちょっとゆっくりめでもよかったんじゃないかなあと個人的に思う。生真面目馬鹿の結蓮は面白かった。
帯を取るとじつにはげしいドリーミングガールズ。
アリス イン サスペンスの続編です。
主人公変わるし雰囲気もがらっと変わりますが、アリス〜での事件の顛末がさらっと語られるので注意。
女の子みたいに可愛い男の子ユキノジョウが主人公です。地の文が大変饒舌です。
森見登美彦氏の太陽の塔とかあとハルヒとか、あんな感じです。そしてボーイ・ミーツ・ガールです。
ロマンチックボーイミーツ邪気眼ガールです。
ユキノジョウがハイドと買い物に行った先でカラーコーンをかぶって上半身は包帯でぐるぐる巻きになって腕も動かせないような状態になっている女の子と出会った。その状態で何で女の子と分かったのかというと全体的に体のパーツが小さいからだった。
そのときはそれで別れたのだけど、彼女をハイドが拾ってきた! なんかこのカラーコーンガールは自分は魔女でこの包帯は封印だとか言ってる! 大変!
だんだんおかしくなってきたけどだいたいあってる!
アリスとは違って事件ものではありません。ボーイミーツガールなので愛と恋の物語に決まってるじゃないか!
魔女は黒猫1と仲良くなれると思うんだぜ。ユキノジョウが京介。
150ページ以降からが個人的には爆弾がずどーんずどーんと落ちてくるような錯覚。
こういうのたまらんとです。すごく好きだ。
つづき、出るといいなあ。今度はハイドの話が読みたい。
- 俺妹の瑠璃さん [↩]
「とある飛空士への追憶」と直接繋がっている、海猫のライバル千々石を通して描かれる中央海戦争の顛末。
「機体にビーグル」に何か思い出すものがあって、なんだろう、と思ってかんがえてたら天翔けるバカだよ! っておもった。あっちは機体にヒヨコだったような。あと「マイ・ボニー」も思い出した。天バカと飛空士はまじ同じカテゴリだ。
千々石の生い立ちにはじまって、軍で飛ぶようになって、戦争が始まる。撃墜数をあげる。出世もする。
やがて死が量産され朝会った同士が夕にはもう死んでこの世にいないなんてことがはじまり。
杉松の最期のことばがもうなんなのかと思うぐらいしんみりした。
限界を超えてさらにぶつかり合う海猫とビーグルがね、もうすごすぎた。
すごかったんだけど、すごかったんだけどもうちょっとなんとかならなかったのか!(もうちょっと何人でもいい、生きて帰してほしかった)と思った。
「さわらないでくださいませ。胸がどきどきしますので」
(P170)
人口の2割が吸血鬼だという大弐本帝國。
生まれながらに吸血鬼としての力を持った真性の吸血鬼も血を吸われ後天的に力を得た半吸血鬼も、ふだんは家畜の血などを飲みながら暮らし人権も認められている。しかし排斥を唱える団体があり実際には疎んじられることが多いので「吸血鬼」と公表しないことが圧倒的に多い。
伯爵令嬢藤ノ宮乙葉は真性の吸血鬼だがやはりそのことは隠して学校へ通っている。
大正時代の女学生ということはつまり海老茶式部なんですよ。この時点で既に相当の胸キュンでした。
で、教師深谷欧介がきわどい発言のサドい感じのけしからん眼鏡です。割れろ。
欧介は乙葉の正体に気がつき、吸血衝動を抑える薬の実験に付き合わないかと無理やりに薬を飲ませる。
これがなかなか破廉恥です。えろいじゃなくて破廉恥なんです。
時代が時代なのでキスなどされようものならもうお嫁にはいけないとか、そういう世界です。
なのでもちろん服は脱ぎませんし口付けも控えめなものです。でも目隠しとかえろいですよね。
内容はただいちゃいちゃしているだけではなくて、吸血鬼がらみの事案に学友が巻き込まれていることを知った乙葉が首を突っ込む系です。
P175〜の深夜を出歩く少女のターンはとてもよいですね!
しづが受け取った「美腰バンド」は「美容バンド」の誤字なのかそういうあれなのかしばらく考えた1。
いやこう、セラバンドみたいなものなのかなあとか、巻くだけダイエットとかあったしなあと思い出していたのだ。
- 人づてに聞いた話だと美腰バンドはまじにあるらしい。 [↩]
創世神話にあり、ルイス率いる探索部隊により本当に実在することが確認された聖泉までついに到達した。
ここからは未探索地域であり神話への入り口である。
前半はまだ日常パートが続いていて、アリエルの料理パートはそろそろミスター味っ子的だった。
糸電話の顛末のカルエルはただのアホだ。
2章の終わり数ページ。これが本当に学園ラブコメならただのラブコメ的ワンシーンなんだけど、カルエルたちはただの学生じゃなくて戦闘訓練をしているいわば軍関係の人間で、今いるところは「空の一族」が支配するという領域。そして次々に現れる死亡フラグ。ここが日常の終わりなんだなと感じました。
思ってたよりずっと凄惨なんだけど、この絶望的な展開と焦燥感と悲壮感はよいものです。