読みながら「シゲ小説うまくなったなあ」と友達か親戚みたいなことを思った。
わたしが最初に加藤シゲアキ作品はうたプリ2次に使える資料はないかと、図書館で「アイドル」と雑に検索した時にひっかかったのが当時の最新作閃光スクランブルの単行本で1、あれもオルタネートと同じ群像劇なんだけど格段に表現の幅とかリーダビリティとかあがってんなあと思いました。
今作はオルタネートという高校生限定マッチングアプリを利用した、都内のとある幼〜大まで敷地内にある一貫校での物語。オルタネートは写真貼付済生徒手帳という個人認証が必要で入学〜卒業までしか使えない実名アプリで不審者が入り込みにくい環境になっている。指定条件で検索も可能で例えば同じ高校で恋人が作りたい、同じ趣味を持つ人とつながりたい、憧れの先輩とつながりたいとかそういう用途にも使える。LGBTにも対応しているのが今時だなーと思った。噂に聞くTinderみたいだなと思う一方で高校生限定という響きに古のウェブサイト「まりもチャット」2を思い出した。
群像劇というてもメインとなる人物は決まっていて3年生でコンテスト型配信番組に出たい調理部の蓉(いるる)、オルタネートに自分のすべてという餌を与えて自分と最大限マッチする人間と出会いたいオルタネートガチ勢凪津、高校中退でオルタネートを使えない尚志。
高校生だしマッチングアプリだし恋愛要素もあるし文化祭みたいな青春ど真ん中要素あるしたまんねえなあという1冊。
今まではどれか1冊って言われたらBurn推してたんだけどこれからはオルタネートを推していくわ。
このエントリを書くためにAmazonの既刊を見ていたけどめちゃくちゃ売り切れ多いのな。ピングレ以外の文庫は軒並み在庫切れだしチュベローズも実質上巻は売り切れだったし。
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