谷中びんづめカフェ竹善 猫とジャムとあなたの話 (集英社オレンジ文庫)

鈴掛紬は生まれは茨城の兼業農家、1浪して今の大学に入学した。大学デビューは失敗して親しい友達は0、趣味は手芸、聖地は日暮里繊維街。ゆえに猫にも寺にも興味はないが谷中に居を構えている。今の悩みは実家から過剰供給される野菜の数々だ。こんなものもう捨ててやるとゴミ捨て場へ人参と玉ねぎを持っていき、そこで出会ったのが金髪碧眼見目麗しき外国人だ。セドリックと名乗る彼はこの近くでびんづめカフェを営んでいるという。処分するぐらいなら保存方法をお教えしましょうと、そういうことになった。

ジャムの定義が更新されるびんづめグルメ+日常の謎。2話の、ゆえあって不登校中のセドリックの義理の息子武流の家庭教師をするようになった紬と、「腐敗と発酵と熟成の違い」について。