これは凄く好きだー。
桜庭作品のあれこれの匂いがする(読書日記込みで)。冒頭は推定少女(逃げようぜ巣篭カナ!)と私の男(淳悟と花)ぽいなあと思った。帯とか宣伝とか本文とかあっちこっちにある
あなたとは、この世の果てまで一緒よ。呪いのように。親子、だもの。
これはマコのセリフだと思ったらコマコだったんだなあ。
「犬の心」で語る駒子はシェーラザードみたいだ。(だからボクシング・マイ・ブラザーの ラストで首を狩られたーとおもった。
原初の記憶とボクシング・ユア・ドーターと文字に眠ると愛の、発見?が特にとても好きー。
第1部のコマコと各所での本の出会い、第2部の駒子と小説(特に語るところ)が好きで自分の読書体験を思い返す。
長い物語でとても読み甲斐がありました。ごちそうさまでした。
「自分がものを表現するのは、世間から賞賛されたいわけでも、なにが欲しいわけでもなくて、たったひとりで孤独に震えてる、誰かの、夜にやさしく滑り込みたいからだ、と言っていたやつがいた。ぼくはそれ、わかんないけど、わかるなぁと思ってね。だからいま、君が、ぼくのつくった本を無心に読んでる横顔を見てちょっとだけ幸せな気持ちになれたよ。それを書いた作家はとっくに野垂れ死んでるけど、ま、死にがいもあったってもんだ」
(P286)
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