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ドラマのノベライズ。虎に翼の脚本をやっている吉田さんが書かれていたので読んだだけでドラマは未試聴。
Kindle unlimitedにあったので読んだ。

「恋愛や性的な話を振られてもよくわからない」咲子は「いつかぴったりの人と出会うよ」というアドバイスに悩んだり「好きな人と恋に落ち結婚して子供を産む」という「普通」を求められている実家に息苦しさを感じ親友とルームシェアのつもりで実家を飛び出した……。

のもつかの間ルームシェアは始まる前に破談になった。「アセクシャル・アロマンティック(他人に対して恋愛感情も性的欲求も持たない)」という概念を知り、私これなんでは?? ということを知った。そういう性志向があることを気付かせてくれたブログの中の人が実はものすごく近くにいる男性で、なんやかんやでその人と同居することになった、という話。

「あなたを確実に傷つけて、心にできたかさぶたを、事あるごとに悪気なく剥がしていくような人たち」とは今週の「虎に翼」の心に残ったセリフですが、恋愛に疎い、というより興味の範疇外の咲子や咲子と同居することになった高橋の前にもそういう人たちが次々と現れる。
なんやかんやあって前に一歩進んでいく物語です。

ちなみにわたしはSound Horizonが好きなので、アロマンティックと聞くと「《無恋愛者(アロマンティック)》
姫子 君の苦悩には 何処かの誰かが 名前をつけて 分類した 」と歌いだすようになっているのだ。(恋では花は散らせない)

壁にはまだ余白がある。そこは私のために開けられたスペースだ。私が結婚して出産した際の写真を飾る予定の場所である。この空白を見ると、切り取ってどこかに投げ捨てたくなる。
家族のことは大好きだ。お父さんお母さんは愛情たっぷりに私を育ててくれた。いい歳して親離れ子離れできてない感もあるが、いつも私のことを心配、気遣いしてくれる人たちとの生活に安らぎを感じていたのも事実だ。でもこの何年か、ずっと圧のようなものを感じている。